2016年06月25日

『常用字解』第二版

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先日、こんな本を買ってみました。

常用字解 第二版 -
常用字解 第二版 -

この本、随分と前に篆書学習に必要な字書について紹介した時にも触れた事がありましたが、現在出ているのはそれの「第二版」という事で、内容が改訂されているようです。

実はこの本、自分用ではなく、小学四年生の息子用に買いました。

息子は以前から字の成り立ちなどに興味があるようで、調べたい事がある時には私の『字統』や『金文編』を好きに使って良い事にしてあるのですが、さすがに『字統』はまだ難し過ぎるらしく、息子が『字統』を使う度に、「これって何の事?」「これってどういう意味?」と、私が質問攻めにあってしまいます(汗)

そこで、ふとこの本の事を思い出し、ポチッてみたのでした。

結果から言うと、息子くん、こちらが期待していたよりも遥かに激しく喰い付いてくれました(笑)

「こういうの、前からずっと欲しかったんだよね〜!!」

それはそれはよかった(笑)


ところで肝心の内容ですが、『字統』に比べると良い意味でずっと簡易なので、一般的にはこちらの方がかえって適しているのだろうと思います。

今回は息子用なので敢えて最新の「第二版」にしました。

「第二版」は平成23年の「常用漢字表」に対応させる為に、「初版」に196字を追加してあるようですが、それが無いからといって、どうにもならないという事もないでしょうから、その辺り、気にならない人は、「初版」が古本で安くポチれます。

常用字解 -
常用字解 -


「『字統』は良さそうだけど、自分には難し過ぎそうで・・・」

と『字統』購入に気後れしている方は、一度書店でこの本(『常用字解』)の中身を見てみると良いかもしれません。

それではまた。
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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

尚、「この草書で書かれた文の読み方を教えて欲しい。」「この古典の訳を教えて欲しい。」といった主旨の御依頼は受けかねますので、何卒御了承下さい。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

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2015年08月12日

『漢字字形の問題点』

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今日、息子と久し振りに図書館に行きました。

息子の夏休みの宿題に読書があるのですが、そのネタ探しです。

息子の本はあっという間に10冊ほど決まったので、私自身が興味を持てそうな本が無いか、少し探してみる事にしました。


するとですねぇ。

凄いの見つけました!!


漢字字形の問題点ー併『平22、常用漢字表』追字批判ー -
漢字字形の問題点ー併『平22、常用漢字表』追字批判ー -


以前「正しい字の不思議」の回で、「正しい字」と呼ばれる字形の問題点について、ほんの数例を挙げて書きました。(内容的には殆ど私の愚痴でしたが)

早い話がこの本は、それをとてつもないレベルまで引き上げたような内容で、私の愚痴レベルなどとは比較する事すら躊躇われます。

著者による長年に亘る調査研究の一大成果と呼ぶべきもので、字形に於ける問題点について、極めて詳細な調査に基づく研究検討が行われています。


私はこの本の内容を見た時、極めて大きな衝撃を受け、感動すら覚えました。

この詳細な調査と研究は、結果として読む者に圧倒的なまでの説得力を示しています。

この本は書を教える事を仕事にしている私のような者だけではなく、教師、特に小・中学校の教壇に立っている者全員が読むべきだと、心底思います。


正しい字の不思議」を書いた時、他の例についても機会があったら書いておこう、と思っていたのですが、もうそんな必要などありません。

この本を読んで頂ければ、それで全て解決です。

というわけで、皆さんもお近くの図書館で探してみて下さい。

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2010年11月05日

専門用語

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前回(と言っても随分前になってしまいましたが)「質問を募集します」と呼び掛けたところ、有難い事に数名の方からメールを頂きました。(嘘じゃありませんよ!ホントに来たんですから(笑))

但し内容的に個別にお答えした方が良いと思われるものだったので、いずれもここでの公開回答とはなりませんでした。

まぁ、その意味では予想通り企画倒れに終わってしまったわけで(泣)、記事のネタはやっぱり自力で考えるよりなさそうです。

とは言うものの、記事を書くのは随分と久しぶりなので、リハビリがてら、今回はこんな本を紹介してみます。


図説 書法用語詳解

図説 書法用語詳解

  • 作者: 森 高雲
  • 出版社/メーカー: 木耳社
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 単行本




この本は書に於ける所謂専門用語について解説した本なのですが、実はこの本が特にお薦めというわけではありません。

「それなら何で?」

と思うでしょうが、早い話、この手の内容の本を、どれでも良いので1冊読んでみて欲しいのです。


随分以前どこかの回で書いたような気がしますが、とある事情でこの世界に飛び込んだ頃の私というのは、初唐の三大家が誰なのか、その代表作は何なのかすら知らない程、書に関して無知でした。

普通の順序なら腕と知識を充分身に付けてから、この世界に飛び込んでくるのでしょうが、私の場合、腕も知識も何にも無いままに飛び込んでしまったので、どちらも大慌てで何とかする必要がありました。

そんな事を言ってもそう簡単に何とかなるわけもありません。

腕の方はとにかく書くしかないのですから、ひたすら書きました。

そこでこれまた以前どこかに書いた1日14時間やら16時間やらの練習の話や、傘を使っての筋トレの話になるのですが、知識の方は何処から手を着けたら良いのかすら全く見当が付きません。

そんな私の目にたまたまとまったのが、この本だったのです。


「そもそも知識なんてそんなに必要?」

という意見もあるでしょう。

これについてはまた改めて書く事にしますが(次回はこの辺の話でもしましょうか。)、少なくともその時の私の場合、ある日突然「先生」と呼ばれる立場になってしまったのですから、

「先生が何にも知らないままじゃマズイでしょ(汗)」

という極めて現実的な必要に迫られての事だったのです。


この本が目にとまったのはホントにたまたまでしたし、そもそも当時の私に内容の良し悪しを判断出来る筈もありません。

ですからとにかく買ってきて、読んでみる事にしたのです。


この手の本はその内容的性格上、索引が付いていますから、所謂事典として使う事も出来るわけですが、私の場合にはとにかく最初から読んでいきました。

実際に書く中で事典として使う機会が訪れるのを待っていたのでは、一通りの内容ですら理解出来るようになるのに時間がかかり過ぎると思ったからです。


で、読み始めたわけですが、まぁ出てくる出てくる。

知らない言葉が次から次へと出てきます。

とりあえず最後まで読み通してはみたものの、すぐさまその全てを理解出来るわけもありません。

全くの消化不良状態でしたが、それでも10回程繰り返し読んでいるうちに、少なくとも言葉そのものに対する私なりの極めて上っ面な説明的理解だけは出来るようになりました。


暫く後、

「これ1冊だけだと記述内容に偏りがあるといけないな。」

と思い、この本以外にも何冊か内容的にも分量的にも似たようなものを読んでみたのですが、その際に、

「何それ?全然知らない。」

といった事はあまりありませんでしたから、繰り返し通読してみたのも無駄ではなかったのでしょう。

後はその内容について、それこそ実際に書いていく中で少しずつでも本当の意味での理解を積み重ねていくより無いのですから、それ以上は慌ててみても仕方ありませんしね。


さてこの本、最初に

「特にお薦めというわけではない」

とは書きましたが、この時の私のように繰り返し通読するには丁度良いのではないかとも思います。

何が丁度良いのかと言うと、分量的にです。

あまりにも簡略なものでは用を為さないでしょうし、かと言ってあまりにもボリュームのあるものでは通読するのが大変です。

その意味ではこの本は丁度良いところではないかと思うのです。

たまたま選んだ一冊でしたが、運良く当たった、といった感じでしょうか(笑)


勿論似たような内容のものなら他の本でも構いませんよ。

問題はこの手の本を読むか読まないかですから。

前述の通り事典的な使い方も出来るわけですが、取り敢えずは一通り読んでみて欲しいと思います。

この手の本を読んだからと言ってすぐさま自分の書がどうにかなってくれる筈もありませんが、読まないままの自分でいるよりは、僅かながらでも視点なり視野なりが変わってくると思いますよ。

当時の私がそうであったように。


ところで、今回この本を紹介するのに、Amazonで調べてみたら、こんな本も出ているようです。


続・図説 書法用語詳解

続・図説 書法用語詳解

  • 作者: 森 高雲
  • 出版社/メーカー: 木耳社
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 単行本




私はまだ未読ですが、書店で見かけたら内容をチェックしてみたいと思います。



というわけで、今回はリハビリがてら本の紹介でした。


それではまた。

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2009年12月22日

新装版

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先日書店に行ったらこんなものを見つけてびっくりしました。

二玄社『新装版 書道講座』


何と!

あの『書道講座』に新装版が出たんですね〜!

この記事を書いている時点ではまだ第4巻までの発刊のようですが、近いうちにシリーズ全巻が出るのでしょう。


この本については随分前にこのブログでも紹介した事がありましたが、その時には

「古い本なので一般の書店の店頭では見つからないかもしれませんし、ネットでも同様かもしれませんが、書道関連の書籍を扱っている書道用品店ならまだ在庫が眠っているかもしれません。

因みに今回二玄社のHPも確認しましたが、篆刻編以外は在庫切れになっていました。(ホントに売る気が有るのか、二玄社よ!)」

と書きました。


ところが二玄社さん、売る気が無いどころか売る気満々だったんですね(笑)

ごめんなさい、二玄社さん。

お詫びにリンク貼っときますね。(二玄社HPはこちら


二玄社で新装版と言えば、

『書道技法講座』

のシリーズも新装版が出ていますね。

こちらの方はこのブログの読者の方に以前教えて頂いて知っていたのですが、まさか『書道講座』まで新装版が出るとは思ってもいませんでした。


書店でざっと内容を見てみたところ、所々レイアウトに多少の変更があったり、紹介されている書家の顔ぶれに追加があったりはするようですが、全体としては新装以前の版と凡そ同じようです。

あ、価格は上がりましたね(笑)

内容に殆んど違いが無いとは知りつつも、意味も無く欲しくなってしまうといういつもの悪い癖が疼きます(苦笑)


とにかく以前紹介したとおり、このシリーズは読んで絶対に損はしませんし、出来れば皆さんに読んで欲しいシリーズです。

それがまた気軽に入手出来るようになったのですから、何とも嬉しい事です。


う〜ん・・・

私は買わずに我慢出来るのでしょうか?


というわけで今回は『新装版 書道講座』の紹介でした。

それではまた。

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2009年08月08日

文庫本の実力。その5

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先日久し振りに大型書店をちょっと覗いたのですが、こんなものを見付けました。

徳間文庫『十八史略1〜5

徳間文庫『史記1〜8


果たしてこんな本を出してホントに売れているのか他人事ながら心配になりますが(笑)

通りかかったついでにちょっと覗いただけなので、ゆっくり内容を確認する時間も無かったのですが、原文、書き下し文、現代語訳、という体裁になっていたようなので、白文素読の練習に使えます。


文庫本ながら文字の大きさが一般的なものより随分と大きいので、視覚的、更には気分的にも(笑)漢字だらけの白文を読むには多少なりとも楽かもしれません。

個人的には、ここまで文字を大きくしなくてもいいから、もっと言えば小さくてもいいから、その分、冊数を減らして欲しかったですね。

だって、内容が同じなら冊数が少なくて済む方が買うにしても蔵書しておくにしても良くありませんか?

まぁ、これは好みの問題でしょうけど。


因みにAmazon等で書名を入力せずに単に「徳間文庫」とだけで検索すると、何やら官能小説らしきタイトルがズラッズラッとと出てきてしまうので気を付けて下さい(笑)

私も最初はビックリしました(笑)

ホントに同じ出版社なんですかね?

そうだとしたら何とまぁ扱うジャンルの幅の広い事で(笑)


それにしても『十八史略』や『史記』のようなものまで、文庫本で原文が読めるんですから便利なものです。

今回は『十八史略』と『史記』だけ紹介しましたが、他にもあるようですから、興味のある人は探してみて下さ

それではまた。

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2008年11月02日

清人篆隷字典

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随分前になりますが、「字書(篆書の前に。補足)」の回で紹介した本がありました。

標準清人篆隷字典新装版

標準清人篆隷字典新装版


紹介した時点では、私自身はまだ未見で、

「とても気になる本なので、そのうち書店の店頭で見かけたらチェックしてみましょう。」

といった事を書いておいたのですが、その後、なかなか店頭でお目にかかれず、我慢出来ずにAmazonで買ってしまいました(笑)

「そのうちに改めて紹介し直そう。」

と思いつつ、気付くと買ってから随分と経ってしまったのですが、ふと思い出したので、この機会を逃すとまたいつになってしまうのか分からないですから、今回はこの本を紹介します。


以前紹介した時にも書きましたが、この本は、『清人篆隷字彙』という大型の字書を再編した本です。

清人篆隷字彙』自体は非常に優れた字書なのですが、大型本なので、日頃狭い机上でドッタンバッタンと扱うには、お世辞にも扱いやすいとは言えないものでしたが、今回の『標準清人篆隷字典』はその点、机上で頻繁に使うには非常に便利です。

説文を調べた上で、清人諸家がそれをどのように具体的に展開していたのかを検討してみたいような時、極めて有用です。

その意味では『清人篆隷字彙』でも同様なわけですが、先程も触れたように、日常での使い勝手が違います。

字書などというものは、使ってこそ意味があるのですから、使いやすい事に越した事はありません。

その点、机上で他の字書と並べて使うことの出来る大きさであるというのは、実際の作業を考えた時、決して無視出来ない点だと思います。

収録内容についても、日常使う分には全く問題ありません。


私自身、この本を使うようになってから、『清人篆隷字彙』の方を使う回数がめっきり少なくなってしまいました(笑)

私は個人的にかなり気に入っているので、字を調べるだけでなく、ただ単にその中身を見ているだけでも面白いので、ふと気付くと検字の最中であった事を忘れているほどです(笑)

これも気軽に机上で使えるからこそだと思います。


という事で、使い方は人それぞれでしょうが、お薦めの一冊ですよ。


それではまた。

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2008年04月01日

普及版

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先日、本当に久しぶりに大型書店に行ったんですが、出てたんですね、普及版。



字統新訂 普及版

最近、アクセス解析の検索ワードでやけに「字統」とか「普及版」といったものが挙がっていたので不思議に思っていたのですが、成程納得です。

改訂版が出た時点で既にさらっとチェックしてあったのですが、実物を目の前にすると普及版も「どうせ中身は同じでしょ」と思っていても、やっぱり見てしまいますね(笑)

しかも、意味も無く欲しくなる(笑)


以前「字統」を紹介した時にも書きましたが、机上で一日何十回何百回と引く事を考えると、やっぱり普及版の方が断然オススメです。


因みに「字訓」も出てましたよ、普及版。



字訓新訂 普及版


それにしても、本当に久しぶりに大型の書店に行ったんですが、Amazonもいいけど、やっぱり本当の本屋の方が楽しいですね。

書道関係の本のコーナーが随分と狭くなっていたのには寂しくなりましたが・・・


あ〜あ、久しぶりに神保町の本屋巡りしたいなぁ・・・

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2008年03月16日

書道講座

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今回は二玄社『書道講座』を紹介したいと思います。

この本については以前にも一言だけ触れた事がありました。

『書道講座』という名前から、よくある初心者向けの技法書の類かと思うかもしれませんが、その内容たるや極めて高い水準を誇り、一般的な技法書とは明らかに一線を画しています。

執筆陣も、書壇が所謂讀賣系と毎日系とに分裂して久しい今となっては信じられない顔ぶれです。

もっとも今となってはその殆んどが鬼籍に名を連ねてしまいましたが。


楷、行、草、かな、篆、篆刻、隷と、各編毎に一冊になっていて、全7巻です。

当初は第8巻として前衛書編も企画されていたようですが、結局未刊のままになってしまったようです。

その辺りの経緯、どなたか御存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えていただきたいのですが、趣味の悪い野次馬ですかね(笑)


西川寧氏編ですから、一筋縄ではいかないのも納得ですが、それにしてもこの本、恐らく初心者の方が読んでも殆んどの部分が

「?????」

だと思います。

それなのに何故ここで紹介するのでしょうか。


この本にはお手軽でインスタントな

「書道のコツ」

など出てきませんし、

「字が上手になる秘訣」

が出てくるわけでもありません。


しかしこの『書道講座』、全てを通して読んでいくと、そこに

「書とはどういうものなのか」

「書を学ぶとはどういうことなのか」

といった言葉にするのがなかなか難しい問題に対する答が、ある種の世界観として立ち現れてくるからなのです。


例えば草書編では『書譜』についての解説がありますが、初学者はもちろんの事、随分と書を学んできたつもりの人ですら、あのような捉え方が出来る人などそうそういないでしょう。

そこにあるのは極めて冷静で分析的でありながらも、それ以上に書に対する深い愛情を持った視点です。(具体的な内容については実際に読んでみて下さい)

臨書の姿勢としてこれ以上の指針は無いでしょう。


或いは篆刻編では、『石鼓文』ついての考察がありますが、これを読むと、「字を調べる」という作業が本当はどういうものなのかがよく分かります。

そこには「字の調べ方」についての言及など全く有りません。

しかし、「字を調べるとはこういうものなのだ」ということを、無言のうちに示しているのです。


この本はざっと目を通すだけのような読み方ではなく、事ある度に繰り返し読んで欲しいと思います。

何故なら、この本は読む度に、読む側のその時点での水準によって、毎回違う箇所が自分に響いてくるからです。

前回読んだ時には何とも思わなかったような箇所に

「成程」

と大きく頷かされたりするのです。


私もこれまでに一体どれ程繰り返し読んできたのか分かりませんが、その度に自分にとっての新しい発見があります。

つい先日も、今回の記事を書くにあたり読み返してみたのですが、先程の『石鼓文』についての文中に、楊沂孫と大篆についてのほんの2〜3行のくだりが出てきます。

それを読んだ途端、

「成程っ」

と思わず大きく頷かされました。

当然そのくだりは今までにも何度も何度も読んでいたはずなのにです。

私自身がようやくその2〜3行に対して、本当の意味で反応出来るような水準になったからなのだと思います。

ですから私はこの本を、自分が成長してきたかどうかのバロメーターにしています。


古い本なので一般の書店の店頭では見つからないかもしれませんし、ネットでも同様かもしれませんが、書道関連の書籍を扱っている書道用品店ならまだ在庫が眠っているかもしれません。

因みに今回二玄社のHPも確認しましたが、篆刻編以外は在庫切れになっていました。(ホントに売る気が有るのか、二玄社よ!)

自分の興味のある巻だけでも構いませんし、気合を入れて一気に全巻揃えてもそれ程高価な本ではありませんし、一生ものと考えれば絶対に損はしないと思います。(二玄社のHPでは現在の定価は各巻1,890円となっていました。)


ということで、今回は二玄社『書道講座』を紹介しました。

それではまた。

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2008年03月02日

これって何ていう字?

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「この字は草書でどう書くのかな?」

と思った時にはいわゆる字形字典を調べますが、反対に

「この字、草書で書いてあるみたいだけど何ていう字?」

という時、どうしますか?


すかさず

「先生に訊く!」

と考えた人もいるでしょうが、今回は先生抜きで(笑)


草書で書かれたものは草書体を知らないと読めませんし、分からないからといって普通の字形字典を端から探すというのも大変ですよね。

そんな時に役に立つのが今回紹介する本です。


『草書の字典』講談社学術文庫




実はこの本、随分前(10数年前になるでしょうか)から店頭で目にする度に

「買おうかなぁ」

と思いながらも、ず〜っと買わずに先延ばしにしていたのですが、そんな事を繰り返すうちに、いつしかこの本の存在自体すっかり忘れてしまっていました。


この手の本が役立つという事は、草書の勉強不足を自ら白状するようなものですから、それに対する抵抗感もあったのかもしれません(苦笑)

ところが最近、ふとこの本の事を思い出し、書店に行く度にまた探してみるようになったのですが、これがちっとも見つかりません。

「あれ〜?あんまり売れそうにないから置かないのかな?」

くらいに考えていたのですが、ネットで探してみたところ、何と!

私の知らないうちに絶版になってしまっていたらしいのです(泣)

それじゃ店頭にあるわけがないですよね。


無いとなると余計に欲しくなるのが人情というものです(笑)

ネットで色々探しましたよ。

で、結局ネットオークションで古書を買いました。

かなり安かったので、状態はあまり期待していなかったのですが、嬉しい事に新品同様でした。


という訳で、ここで紹介しておきながら、店頭では買えません。

「そんなぁ!?」

と言われそうですね(笑)

でも、この本以外にも似たような内容の字書がいくつかあるようですから安心して下さい。

最近では古文書の解読を趣味にしている人もけっこういるそうですから、草書体から調べられる字書にも需要があるのでしょう。

使ってみると、とても便利ですよ。


それではまた。

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初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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2008年02月02日

文庫本の実力。その4

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文庫本といえば、この本を紹介していませんでした。



千字文は本当に色々な人が書いているので、ここで一々紹介する気にもなりませんが、その中でも智永の『真草千字文』は最も有名かもしれません。

これについては、そのうちに「臨書のすすめ」か「試食」ででも採り上げるつもりです。


さて、それ程有名な千字文ですが、その解説書と言えば、先ずはこの1冊だと思います。

例えば智永の書いた千字文を臨書したことがある人でも、千字文自体についての事は余り良く知らない、という場合も少なくないでしょう。

そんな人にこそ、この1冊だと思います。


というわけで、今回もあっさりと(笑)、本の紹介でした。

それではまた。

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2008年01月31日

文庫本の実力。その3

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先日、本屋でこんな本を見つけました。




『孝経』の文庫本です。

以前、文庫本で入手出来る四書について紹介しましたが、『孝経』も文庫本になっていたとは知りませんでした。

2007年6月に出ていたようですね。

「大文字版」なので寝床で読むにも読みやすいですよ(笑)


書の世界で『孝経』というと、何と言っても賀知章の草書で書かれたものが有名ですね。

あとは呉大澂が金文で書いたものも有名です。


せっかく文庫本で買えるのですから、皆さんも読んでみては如何ですか?

前にも書きましたが、

「やっぱりどうしても白文はダメ」

という事でしたら、書き下し文と現代語訳だけでも良いと思います。

書き下し文もダメなら現代語訳だけだとしても、それでも読まないよりはずっとずっと良いと思います。

というわけで、今回はあっさりと(笑)文庫本『孝経』の紹介でした。

それではまた。

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2007年10月19日

補々

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以前、「文庫本の実力。その2の補足」として、この本を紹介しました。




この本を紹介した時点では、私は未読だったのですが、その後、紹介しておきながら未読のままでは無責任のような気がしたので、私も読んでみました。

ということで、補足の補足です。


内容については、一言で言えば、サブタイトルの通りでした。

つまり、問題史としての視点から書かれています。

ですから、歴史をそのまま年代を追って記述してあるような一般的にイメージされる歴史書のようなものとは少々趣を異にしています。


私自身はとても面白く読んでしまいましたが、中国史を通観する、という目的には最適とは言い難いかな、とも思います。

中国史について殆んど知識の無い状態の人がいきなりこの本を読んでも、「何があったのか」という最も基本的な部分が明確にはなりにくいと思うからです。


それとは反対に、中国史の大まかな流れについては既に分かっている、というような人には、一歩進んだ、もしくは少々違った点から、自分の中の中国史を見直すきっかけとして、この本が役立ってくれるかもしれません。


薦めているのか否か、よく分からない話になってしまいましたが、買っても決して損はしない本であることは間違いありません。

仮に、中国史について殆んど知識の無い状態でこの本を読んだ人が、

「何だかよく分からないな」

と感じたとしても、それならそれで、しばらくの間、つまりはこの本が本当に自分に役に立ってくれる程に自分の中国史に対する知識と理解が蓄積されるその時まで、本棚に寝かせておけばよいのですから。


いずれにしても、以前にも書いたとおり、歴史関係の本と言うのはなかなか「それ一冊だけあれば充分」というわけにはいかないものなので、数ある中の1冊として考えていただければ、と思います。


ということで、補々でした。

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2007年03月12日

科挙

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これまでこのブログでは『文庫本の実力』『文庫本の実力。その2』として数冊の文庫本を紹介してきましたが、今回も文庫本です。

今回は次の本を紹介したいと思います。

『文庫本の実力。その3』としても良かったのですが、1冊だけを紹介するのに『その3』とするのも大げさな気がしたので、今回は単発として紹介します。





中国史上、極めて重要な意味を持つ科挙制度ですが、「官吏を登用するための試験」というくらいの知識はあっても、更に具体的にどのようなものであったのかという事については、知らない人が多いと思います。

そんな科挙について、極めて詳細でありながら、とても読みやすい内容として書かれているのがこの本です。

科挙にまつわる裏話や逸話がふんだんに盛り込まれていますので、最初から最後まで退屈せずに読むことが出来ると思います。


米元章も董其昌も、あれほど縦横無尽な字を書いた王鐸ですらも、これほどの試験を受けたのだと思うと、彼らの根底に敷衍されていた知識水準について、改めて考えさせられます。

勿論、科挙に求められた知識の内容が極めて偏ったものである事は言うまでもない事実ですが、宋代であろうと明代清代であろうと、時代を越えた前提条件としての知識水準を保持する役目を担っていたのが科挙であることは間違いありませんし、それが中国文化の根底の一端を厳然として支え続けていた事もまた事実です。

そこに求められた知識水準を前提とした上で、彼らの書が実現されてきた事を考える時、

「漢文はどうも・・・」

などと逃げ腰になってしまう我々は、彼らの書の表面を軽く撫でる事すら出来ていないのではないか、という思いに晒されます。

狂草で謳われた祝允明の小楷があれ程の品位を放つのも、科挙に求められた知識の裏付けと、答案を書く際に必要不可欠となる小楷の鍛錬があった事は間違いありません。


私は何も「彼らと同等の知識を持たなければならない」などと言うつもりなのではありません。

只、彼らの根底は、我々が想像しているよりも遥かに深く広いのだという事だけは、知っておいても無駄にはならないと思います。


今回はここまで。

それではまた。

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2007年03月10日

文庫本の実力。その2の補足

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以前「文庫本の実力。その2」として、中国史の本を数冊紹介しました。

その中で

「中国通史に関する文庫本は未見」

といった内容の事を書きましたが、その後、改めて調べてみたら、ありました。



「未見」と言ったくらいですから、私自身この本は読んでいません。

どの程度の内容なのかについては紹介しようがないのですが、amazonのレビューでは、なかなかお薦めとの事でしたので、興味のある方は、まずこの1冊を選んでみるといいかもしれませんね。

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2007年03月06日

文庫本の実力。その2

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以前、「文庫本の実力」として数冊の本を紹介しましたが、今回はその2回目です。


書を学んでいると、どうしても歴史の知識が必要になってきます。

ところが、日本史ならまだ何とかおぼろげにでも分かる、という人でも、中国史となるとさっぱり、という場合も少なくないはずです。

歴史の知識など無くても字は書けますが、例えば書関連の本を読んでいて「北宋」という時代が出てきた時に、それがいつの事なのか全く分からないというよりは、やっぱり分かっていた方が良いでしょう。


そこで、今回は中国史に関する本を集めてみました。

中国通史について記述された文庫本は残念ながら私は未見ですが、各時代毎についてのものであれば、古代から清代まで、一通り揃える事が出来ます。
























ここに紹介した本は、中国史をざっと一覧したいという人には記述内容が詳細に過ぎると思うので、これらを読む前に1冊何か中国史についての本を読んでおいて、物足りないと感じたら、これらの本を読んでみるというのも一つの方法かもしれません。

さすがに全てを一度に揃えて一挙に読破というわけにはいかない分量ですから、とりあえず興味の持てる時代のものから買ってみるというのも良いかもしれませんね。


歴史の本というのは基本的に執筆者の私見を抜きに出来るだけ客観的に書かれてあるべきものですが、それでも執筆者によって、同じ歴史的事実であってもそれに対する重要性の認め方について差異が生じます。

ですから、出来る事ならただ1冊だけを読んで済ませるのではなく、異なる執筆者によるものを数種類読んでおくと、こちら側の視点をより客観的にしておくことが出来ると思います。

今回紹介した文庫本も、その1冊として考えて下さい。


最後に、中国通史の本として、文庫本ではないのですが、1冊入手しやすいと思われるものを紹介しておきます。




今回はここまで。

それではまた。

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2006年10月02日

字書(篆書の前に。補足)

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前回まで「字書(篆書の前に。)」として、篆書を扱う際に必要な字書の話をしてきました。

興味の無い方にはさぞ退屈な話だった事と思いますが、それも今回で終わりそうですよ(苦笑)


今回はこれまで話をしてきた中では取り上げなかった本について、いくつか紹介してみたいと思います。

予告したままになっていた

「もう少し簡便な字書」

についても、いくつか取り上げましょうね。




最初はこれ。

この本の優れたところは、『甲骨文編』や『金文編』のページ数が書いてある、という点です。

つまり、この本からそれぞれの字書を辿っていけるので、この本で調べた上で更に調べたい時にはとても便利だと思います。

実はこの本、私は持っていません。

以前、書店でこの本を始めてみた時

「やられた!」

と思いました。

というのも、前回の話のとおり、私の持っている字書には他の字書の該当ページが全て書き込んであって、どの字書から調べても、他の字書も簡単に辿れるようになっています。

しかし、それらの字書を便利に使っているうちに

「どうせここまでやったのなら、自分自身で索引を作って、いっそ自分自身で自分の為の字形字典を作っちゃおうかな」

などと考えるようになっていました。


ソフトウェアの設計やプログラムを組む仕事をしていた経験があるので、

「どのようなデータベースを構築すれば、自分のイメージどおりの索引を作ることが出来るのか?」

そんな事を少し真剣に考え始めた時、この本に出会ったのです。


自分でやろうと思っていた事に非常に近いアイデアで作られた本であることはすぐに分かりました。

その途端、何だか急にやる気がなくなってしまったのです(苦笑)


話が逸れてしまいましたね。

とにかくこの本は、本気で篆書を学び始めようとする人達にとって、その導入として手にするにはとても良心的に作られていると思います。

ただし、字形そのものの収録数はあくまで最低限度でしかないので、全てをこの1冊で済ませるというよりも、この本をきっかけに、これまでこのブログで紹介してきた字書を自分の視野に入れていく、という姿勢が良いかもしれません。

恐らく著者自身も、そうなってくれる事を願いつつ、この本を上梓したように思います。





次はこれ。

この本は、

「難しい話など聞きたくないから、とにかく篆書でどう書くのかを手っ取り早く調べたい」

という人にはお手軽です。

ただしこの本は、著者によって造字された文字について、いちいちその事を明示していない点など、気軽に使えるその分だけ、本来であれば篆書学習の途中で気付くであろう問題点が見えにくくなっています。

この本だけを使い続けても、本当の意味での篆書の知識は身に付かないと思いますので、その事だけは承知しておいて下さい。

ちなみにこの本には、姉妹版として、篆刻の布字に便利なように、篆書が最初からミラーリバースになって書いてあるものがあったと思います。

確かに便利でしょうが、鏡文字で布字する程度の事を面倒臭がっているようでは、いつまでたってもまともな印など彫れないと思いますよ(苦笑)





次はこれ。

この本は『字統』を一般向けにしたような本です。

この本も私は持っていませんので、店頭で内容を確かめた程度ですが、一般的なレベルで使うには、全く問題無いと思います。

が、しかし・・・

私の記憶違いでなければ、この本はそのタイトルどおり、常用漢字について書かれた本ですから、篆書についてちょっと本気で調べようとするには明らかに役不足だと思います。


以前、教室に来ている一人の男性に

「字源について調べられる本はありませんか」

と相談を受けた事がありました。

私は白川氏の著作を中心に、数種類の本を挙げておいたのですが、後日、その男性が買ってきたのはこの『常用字解』でした。




標準清人篆隷字典新装版

標準清人篆隷字典

標準清人篆隷字典』については、私はまだ未見なのですが、『清人篆隷字彙』という大型の字書を再編した本のようです。


清人篆隷字彙』は、清代の諸家に焦点を絞った内容の字書ですが、索引を含めて字書の体裁としての完成度は、恐らくこれまで紹介した本の中で最も高いと思います。

篆書の基準となる小篆を調べる際や、清人の具体的な揮毫例を見るには極めて有用です。

ただし、大型本であり、価格も重量級ですので(苦笑)、全ての人にお勧め出来るわけではありません。


標準清人篆隷字典』が『清人篆隷字彙』の完成度を踏襲しているとすると、内容がとても気になる本ですね。

近いうちに書店で見かけたら、内容をチェックしてみたいと思います。



白川静氏の著作の中で、『説文解字』についての詳細な検討を行ったものが『説文新義』です。

これは『白川静著作集』の別巻として上梓されたものです。

全8巻にも及ぶ大著で、その内容は『字統』を更に詳細に専門的にしたものと思って下さい。

篆書の勉強を始めて暫くの内は、余程の事がない限りこの本の出番は無いと思いますが、参考までに挙げておきました。

白川氏の著作集には、この他にも非常に魅力的で有用なものが多いのですが、あまりに専門的に過ぎるものも多いので、ここでの紹介はこのくらいにしておきます。

興味がある場合でも、購入する際には、出来る事なら自分の目でその内容を確認してからにした方が良いでしょう。



『説文解字』についての研究は、それだけで「説文学」と呼ばれる分野が存在するほど奥の深いもので、我々素人がそう簡単に手を出せるような世界ではないのですが、その雰囲気だけでも知るには『説文入門』という本がお薦めです。

『説文解字』の諸本についての説明などは、我々にも十分に役立つ内容です。

ですが、ここまで行くと「文字学」の領域とはまた違う世界ですので、外からチラッと覗いておくだけにしておいた方が賢明だと思います。


さて、ここまで数回に亘って「字書(篆書の前に。)」として、長話を続けてきましたが、それもあと僅かになりました(笑)

これまで紹介してきたような本のことを、中国では「工具書」と呼びます。

色々な事を調べる際の工具として使う本、という意味です。

私が紹介してきたものは、基本的な工具書の中でもほんの一部に過ぎません。

ところが、我々素人にとっては、どのような工具書があるのかを知る事自体、難しい問題となってしまうのが現実です。

そこで、「字書(篆書の前に。)」の最後として、次の本を紹介しておきたいと思います。


中国書法史を学ぶ人のために

中国書法史を学ぶ人のために


この本は、その題名どおり、中国書法史を学ぼうとする人達が知っておくべき問題を解説した本なのですが、その中に、中国書法史を学ぶ際に必要となる工具書について説明した箇所があります。

紹介されている工具書の種類やその範囲は極めて広く、圧倒されてしまうかもしれませんが、そのような本があるということを知っているだけでも良いと思います。


今の日本でこのような本が存在しているというだけでも、正直驚きです。

この本を読むと私は、自分自身が「書道教室の先生」という呼び名の上で胡坐をかいているだけの「何も知らない大馬鹿者」のように思えてきます。

何もしらないままでも「書道教室の先生」は出来ますし、実際、世の中の「先生」達は、その殆んどがその呼び名の上で胡坐をかいているだけ、というのが現実でしょう。


でも、このブログでも何度か似たような事を書きましたが、分かっている人間はちゃんと分かっています。

どれが本物でどれが偽者なのかを。


これまで紹介してきた字書についても、こんな字書など無くても篆書は書けます。

でも、分かっている人間が見れば、すぐに分かります。

本当に篆書が分かった人間の書いたものかどうかが。


私は自戒の意味を込めて書いています。

ほんの少しでも本物に近づくために、私達に出来る事。

それは一つしかありません。

手間を惜しまない事。

それだけです。



さて、「字書(篆書の前に。)」と銘打った私の長話もこれで終わりです。

お付き合いいただき有難う御座いました。

みなさんの参考になれば、こんなに嬉しい事はありません。


さて、次回は何の話にしましょうか。

それではまた。

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2006年09月30日

字書(篆書の前に。その5)

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前回は、私が『金文編』を使い始めた途端、挫折した、というところまででしたね。


「篆書の前に」

と銘打って始めた話も、今回で既に「その5」になってしまいました。


以前

篆書は話が極めて厄介なので

と書きましたが、少しはその理由を感じていただけたでしょうか?


今回も退屈な話が続きますが、お付き合い下さい。


実際の金文銘の文字を一文字ずつ、『金文編』と『字統』で確認していくことにした私は、二玄社『中国法書選』をテキストにして、先ずは銘文をノートに一行おきに書き写しました。

最初に取り掛かったのは、文字数が多くて拓本で見る字画が比較的鮮明に感じられた『大盂鼎』だったように記憶しています。


一行おきに書き写してから、一文字ずつ『金文編』と『字統』でその字を探し、空けておいた一行にそのページが何ページなのかを書き込みました。

それと同時に、『金文編』には『字統』のページ数を、『字統』には『金文編』のページ数を書き込んでいきました。


こんな作業を丹念に進め、その間に、「その1」「その2」「その3」で紹介したような字書を、必要に応じて次々に揃えていったのです。


二玄社『中国法書選』に集録されている銘文全てを調べ終わった頃には、随分とそれらの字書を使う要領が掴めていました。


現在の私の字書がどうなっているかをお話しすると、これまで紹介してきた字書全てに、それぞれのページ数が書き込んであります。

つまり、例えばある文字を『字通』で調べると、その文字が『字統』では何ページなのか? 『金文編』では何ページなのか? 『段注』では何ページなのか? それらが全て『字通』に書き込んであるのです。

反対に、『金文編』から調べたとしても、当然全ての字書のページ数が『金文編』に書き込んであるので、すぐにどの字書のページにでも辿り着くことが出来ます。

極めてアナログな方法ではありましたが、全ての字書に於ける全ての収録文字に関して、一つ残らずリンクを張り巡らした、と言えば想像が付きやすくなるでしょうか。


その1」の中で

「『説文解字』を2冊、用途によって使い分けている。」

と書きましたが、それは、『字統』のページを書き込んであるものと、『字通』のページが書き込んであるものと、2冊あるからなのです。

ページ数を書き込むと言っても、当然それらは欄外や余白に小さく書き込むわけですから、書き込める量には限度があります。

『説文』の場合、そのスペースが僅かしかなく、仕方なく「字統用」と「字通用」を2冊別々にすることになってしまったのです。


「全ての字書にそれぞれのページ数を書き込む」

この作業をどうやって進めたかと言えば、話は単純で、『字通』に収められている文字を最初から一文字ずつ、他の字書でも探してそのページ数をそれぞれに全て書き込んでいったのです。

話は単純ですが、実際にやろうとすると、想像以上に地道で手間の掛かる作業でした。

でも、その手間を掛けたおかげか、全ての字書にページが書き込まれた時には、『説文』にも慣れ、他の字書もほぼ問題無く使いこなせるようになっていました。


このように書き込みだらけになった私の字書ですが、普段は『字通』を検索エンジンとして使い、そこで調べたページ数でそれぞれの字書のページに辿り着く、という方法で使っています。

これは『字通』の索引が最も充実しているということと、収録文字数が最も多いということが理由です。


篆書に対する感覚というのは、常日頃からその世界に触れ続けていないと、なかなか一朝一夕では自分の中に蓄積出来るものではありません。

篆書を扱う難しさとその苦労の大半は、実は

「書く以前の準備段階」

もっと具体的に言えば、

「字書を使いこなして字を調べる」

という部分にこそあると言って良いでしょう。


しかし、その難しさこそが、篆書を扱う面白さでもあるのです。


私が辿った道筋をみなさんにお薦めする気などありません。

もっと効率の良い方法もあったのかもしれませんが、私は私なりに試行錯誤しながら積み上げて身に付けた方法でした。

みなさんもみなさんなりの方法を探し出してみて下さい。


さて、「字書(篆書の前に。)」もようやく一通りのお話が出来ました。

次回では補足としてもう少しだけお話しさせて下さい。


それではまた。 

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2006年09月29日

字書(篆書の前に。その4)

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我ながら、

「これほど地味で、しかも読んでて退屈なブログもそうは無いよなぁ・・・」

などと思いながら書いているのですが、それでもアクセス解析によると、ポツポツと覗きにいらっしゃっている方達がいるようでして、とても嬉しく、心より感謝したします。

何と言ってもこのような内容なので、なかなか毎日はアップしきれないのですが、タイトルどおり、のんびりと続けていきたいと思っていますので、これからも宜しくお願いします。


さて、前回は

字書(篆書の前に)その3

として、字形字典までお話しました。

今回は、これまで紹介してきた字書を実際に使ってみる話です。

これらの字書を揃え始めた頃の私が、一体何から始めたのかをお話してみたいと思います。


私が最初に揃えたのは『金文編』と『字統』でした。

『金文編』を使って、漢詩を金文にしてみようと考えたのです。

ところが、始めて1時間もしないうちに悟ります。


「今の自分の力ではこの字書はとても使いこなせない」



漢字には「初文(しょぶん)」と「繁文(はんぶん)」という概念があります。

詳細には触れませんが、その文字が生まれた当初の形が「初文」。

その文字が使われていくうちに言葉が多義化し、それに伴ってそれぞれの用途のための文字が作られ、初文と分化していった文字を「繁文」と思っておけば良いでしょう。

例えば、「白」は初文で「伯」は繁文です。


『金文編』という字書は、あくまで実際の金文銘から文字を集めた字書ですから、実際の金文銘に存在しない字は、当然の事ながら『金文編』の中にも存在しません。

例えば五言絶句の文字を『金文編』で調べようと思っても、その文字が繁文で、しかもその繁文が金文には存在しない場合、『金文編』でいくら探しても見つからない、ということになってしまいます。

逆に言えば、金文に存在しない繁文は、その初文で書かなければなりません。

それは、個々の文字について、初文、繁文についての認識がなければならない、という事に他なりません。


実は、この時点ではまだ、そこまで具体的に、古代文字を扱う難しさや自分自身の力の無さを把握出来ていたわけではないのですが、それでも、

「ただ闇雲に字書を引けば何とかなる」

などという話ではないどころか、

「字書を引くことすらまともに出来ない」

という事だけははっきりと分かりました。


私は発想を変えました。


実際の金文銘の文字が、『金文編』と『字統』のどこに載っているのかを一文字一文字確認していくことにしたのです。


初めのうちは、

「たった一文字を探し当てるのに半日かかった」

なんて事もよくありました。


それでも諦めずに、一つ一つ、丹念に調べていくうちに、徐々にではありますが、要領が掴めてきたのです。


今回も話が長くなってしまいそうです(苦笑)

続きは次回にしましょう。

それではまた。

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2006年09月28日

字書(篆書の前に。その3)

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前回は

字書(篆書の前に)その2

として、字源字典までお話しましたので、今回はその続きからです。


今回は本題とも言える字形字典についてお話します。

「我々素人向きの篆書の字書が無い」ということで、ここまでお話してきましたが、最も問題なのがこの字形字典です。

未だに決定版と呼べるようなものが存在しない為、お薦めするのも難しいのですが、ここでは私が普段から使っているものをいくつか紹介してみたいと思います。

ちなみに、簡便な内容のものについては別途あらためて紹介しますので、今回は我慢して下さい。


今回は全て一般の書店では入手出来ないものばかりです。

入手したい場合には「字書(篆書の前に)その1」で紹介した東方書店や内山書店のような、中国書籍を扱っている書店でお求め下さい。


1、『甲骨文編』孫海波
2、『続甲骨文編』金祥恒
3、『金文編』容庚
4、『金文続編』容庚
5、『古文字類編』高明
6、『漢語古文字字形表』徐中舒

『甲骨文編』『続甲骨文編』は書名のとおり甲骨文の字書です。

『続甲骨文編』は書名からすると『甲骨文編』の続編のようですが、全く別の本です。

『金文編』『金文続編』は名前どおり本編と続編に相当する内容で、この2冊を合冊したものもあったと思いますが、私は別々に揃えました。(揃えた当時、合冊されたものがあることを知らなかった)

ちなみに今回紹介している字書の中で、私が最初に買ったのは『金文編』でした。


以上は甲骨文や金文についてそれぞれそれだけを専門に扱ったものですが、『古文字類編』『漢語古文字字形表』は、甲骨文から金文までを扱っています。

「それなら『古文字類編』か『漢語古文字字形表』だけで十分じゃないか」

と思われるかもしれませんが、『古文字類編』『漢語古文字字形表』は、1〜4までと比較すると、収めてある字形が非常に少なく、内容的には

「取りあえず一通り」

程度でしかありません。

甲骨文から金文までの変化に於ける大まかな全体像を把握するには便利ですが、もう少し細かく調べようとするとすぐに役不足になります。

とは言え、最初から1〜4を揃えるのも大変でしょうから、取りあえず『古文字類編』か『漢語古文字字形表』を揃えてみて、使っているうちに物足らなくなったり不便を感じるようであれば、1〜4を揃えるというのも一つの方法かもしれません。(私の場合は反対に5、6を最後に揃えました)


これらの字書は、今日使われている一般的な漢和辞典などと違い、使うのにも慣れが必要です。

というのも、文字学関連の字書の場合、字の配列が『説文解字』の順になっている場合が多いので、『説文』に触れたことが無い人の場合、どこにどの字があるのか全く分からないからです。

『説文』の部首は現在の漢和辞典の部首とは全く異なるものなので、慣れるまでは、その字がどの部首に収められているのか、という見当がなかなか付かないのです。

慣れてしまいさえすれば、どの字書も同様の配列になっているので、反対にとても便利になるのですが、初めはかなり戸惑うと思います。


それでも大抵は索引(検字)が付いていますから、何とか調べることは出来るとは思いますが、この索引というのが実は厄介で、画数索引などはあまり信用できません。

信用できない、などと言うと語弊があるので補足しましょう。

画数索引を作るためには無理矢理全ての文字を楷書化する必要があります。

ところがこの際、どういった形で楷書化するのかのよって、画数が異なってしまいます。

自分のイメージにある楷書と違う形で画数索引に収められている場合、いくら探してもその字は見つからない、ということになってしまいます。


更には字書によっては見出し語が楷書ではなく小篆になっていますので、小篆を知らないと

「やっと索引で目的の字を見つけたのに、該当ページの中のどれが目的の字なのかが分からない」

なんて事にもなりかねません。


これまたいつもどおり

「習うより慣れろ」

の世界なのですが、それではあまりに不親切でしょうから、次回は、これらの字書を揃え始めた頃の私が、一体何から始めたのかをお話してみたいと思います。

それではまた。

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2006年09月27日

字書(篆書の前に。その2)

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前回は

「字書(篆書の前に)その1」

として、篆書学習に必要な字書について話し始めました。

そして『説文解字注』、所謂『段注説文』までお話しましたので、今回はその続きからです。


次は字源字典です。

字源字典とは文字の成り立ちを説明した本のことです。

そもそも『説文解字』自体が字源の書なのですが、何と言っても今から1900年ほど昔の書ですので、今日ではその全てをそのまま信用している人はいません。


字源字典と呼ぶことの出来る本はいくつかありますが、ここでは白川静氏の著作を挙げておきます。

白川氏の説については賛否両論あって、2ちゃんねるでも随分と紛糾していたのを見たことがありますが、ここでは詳しくは触れません。

白川説は一度触れると首までどっぷり浸かってしまいたくなるほど強力なので、つい、他の説を頑なに拒絶してしまいがちになりますが、冷静に「賛否両論ある」という事だけは忘れずに認識しておいた方が良いでしょう。




白川氏の著作は日本の出版社から出されているので、一般の書店でも扱っています。

『字統』は数年前に改訂版が出されました。

ここに紹介したものはその改訂版ですが、私の使っているものは旧版の普及版です。


改訂前の『字統』の場合、大型本も普及本も、字の大きさを小さくしてあるだけで内容は全く同じだったはずです。

普及版の方が価格はずっと安いというのは勿論の事、机上で使い続ける事を考えると、大型本は扱いにくくて厄介ですね。

私は両方の中身が変わらないということを確認した上で、迷わずに普及版を選びました。

この改訂版もそのうちに普及版が出ると思います。




『字通』は『字統』とは少し着眼点が異なっていて、字源についての解説もありますが、主に熟語について書かれた本です。

この本は内容が極めて膨大で、「大型本でも細かい字でびっしり」、といった内容のためか、普及版は出なかったようです。

この本も近いうちに改訂版が出るのでしょうか?


大型本だけあって値段は高めです。(普及版があればそちらを紹介したのですが・・・)

「一度に両方はきついなぁ」

という人は、先ずは『字統』を揃えて、『字通』は後回しでもいいと思います。


今回はここまでにします。

白川学説について、

「とりあえずどんなものなのか知りたい」

という人は、一般向けの著作も数多く出版されていますので、興味の持てそうな一冊を読んでみるのもいいかもしれません。

私は「白川学説に触れるのは初めて」という人には、以下の一冊を薦めることにしています。

参考にしてください。

それではまた。



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