2008年05月30日

同筆圧同速度。その2

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前回は「同筆圧同速度」についての話をしていく中で

「ところで、そもそも何故私がこれ程までに「同筆圧同速度」と繰り返すのかと言うとですね・・・」

という、いかにも思わせぶりなところまででした(笑)


さっそく続きですが、何故かと言うとですね、それは

「バネの効いた線」

を理解体得してもらう為です。


「バネの効いた線」とはどのような線なのでしょうか?

これを文章で説明するのは非常に難しいのですが、実は珍しくも何ともないもので、早い話が、古典古筆と呼ばれるものは大抵は皆、「バネの効いた線」になっていますから、ここでは皆さんが見てきた古典古筆のような線をイメージして下さい。

この「バネの効いた線」、楽器演奏に例えるなら、バイオリンのようにまともに音を出す事自体が難しい楽器に於ける所謂「まともな音」に相当するものと言う事が出来ます。


これまでの話と矛盾するようですが、「同筆圧同速度」を覚える目的はあくまでも「バネの効いた線」を理解体得する事にあります。

決して「同筆圧同速度で書けるようになる事」なのではありません。

「同筆圧同速度」とは、「バネの効いた線」を理解体得する為の方法の一つに過ぎないのですから。


「え〜っ!?そうなの?」

と思われるかもしれませんが、ここは誤解しないように気を付けて下さい。


たとえ「同筆圧同速度」で書けるようになったとしても、「バネの効いた線」が理解体得出来ていないのでは、本当の目的を達した事にはなりません。

極端な話、「バネの効いた線」が理解体得出来るのであれば、「同筆圧同速度」という方法に固執する必要などないのです。


話が戻ってしまいますが、それでは何故、「同筆圧同速度」なのでしょうか?

もう少し考えてみましょう。


巷には書の技法書の類が多種様々溢れていますが、その中で「基本」として説明されているものとは、一体どのようなものでしょうか。

大抵の場合、そこで扱われているのは「はね」とか「はらい」とか、そういった筆使いであることが多いようです。


しかし、本当にそれって基本なのでしょうか?


車の運転をされる方なら分かると思いますが、車の運転を覚えようと教習所に通い始めたとして、縦列駐車やらクランクやらを練習する以前の問題として、先ずは何よりクラッチのつなぎ方(つまりは半クラッチ)を体で覚えてしまわなければいけませんよね。(今はAT限定で免許を取る人も多いのかな?)

それと同じ事で、いきなり「はね」とか「はらい」とかの話をするというのは、半クラッチの練習を全くさせないまま、いきなり縦列駐車やクランクの練習をさせるようなものだと思うのです。


尤も実際には、半クラッチを完璧に体に覚えこませてからというよりも、縦列駐車などの具体的な練習をしながら徐々に半クラッチを体に覚えこませていくという事になりますよね。

それと同様に、「バネの効いた線」を完璧にマスターしてから「はね」や「はらい」の練習をするというよりも、様々な具体的な練習をしながら、徐々に「バネの効いた線」について理解体得していくという事になるわけですが、「バネの効いた線」の存在を最初の段階からはっきりと意識しながら進んでいくのと、そうでないのとでは、ここで再び「20年間」の例を持ち出すまでも無く、進み具合に極めて大きな差が生じると思うのです。

最初からこんなややこしい話を聞かされるなんて、遠回りをしているように感じる人もいるかもしれませんが、一見遠回りに見えるその道こそが、実は一番の近道なのだと私はこれまで信じてきましたし、今でもそう信じているからこそ、こうして繰り返し話し続けているのです。


しかしこのブログの読者の皆さんの中には、

「『同筆圧同速度』なんて話、見たことも聞いた事もないよ。」

と思われていた方も多いでしょう。

実はそれもその筈で

「世の中で『書の基本』とされているものの更に一つ前の段階として、『基本の基本』とでも言うべきものを、もっとはっきりとした形として提示する必要があるのではないか。」

という考えの下に、余計な装飾を可能な限り削ぎ落とし、単純化した結果として私が導き出した結論としての方法こそが

「同筆圧同速度」

なのです。

ですからこれはあくまで私の考える「基本の基本」という概念に基づく話ですから、技法書を見ても似たような話は出てこないかもしれませんし、人によっては全く違う考え方を持っていたとしても不思議ではありません。

先程も言いましたように、私はこれが一番の近道だと信じていますが。



さて、「バネの効いた線」を理解体得する為の「同筆圧同速度」ですが、これをもう少し具体的な内容として検討してみると、ある1つのテーマに辿り着きます。


それは「起筆」です。


私は普段、教室に通い始めた人に対して暫くの間はこの「起筆」の話しかしないと言っても過言ではありませんし、このブログの通信添削を受けている方々に対しても「起筆」については繰り返し何度もしつこいくらいに言い続けています。

ですから本当はここで、「起筆」についての具体的な説明をしてみたいところなのですが・・・


実はこれ以上話を具体的にすると、このブログの原則として私が考えている

「一般化した内容」(「自分の書を載せない理由」の回参照)

といったものから大きく逸脱してしまいます。


ですからここでは残念ながら、「起筆」というのが「バネの効いた線」を理解体得する為に極めて重要なポイントである、という事までしか申し上げられないのですが、

「『バネの効いた線』を引くことが出来るかどうか?」

とは、換言すれば、

「起筆で『筆のバネが効いた状態』を作り出し、それを維持したまま送筆出来るか否か?」

という事であり、私がよく言う

「すっぽ抜けた」

という状態とは、

「起筆で作り出した『筆のバネが効いた状態』から『バネがすっぽ抜けた』」

という意味なのだとお考え下さい。


どうにも肝心なところがぼやけたままになってしまいましたが・・・

「同筆圧同速度」については今後も幾度となく話題に上ると思いますし、その度に説明し続けていきたいと思っています。



「納得いかないっ!」

「わけがわからない!」

「起筆って何!」

という方は、あらためてメールで御質問下さい。

可能な限り個別に回答させていただきます。


ということで、2回に亘り「同筆圧同速度」についての話でした。

理屈っぽい話が続いてしまいましたね(苦笑)


それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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