2008年04月13日

人気。その2

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今回は前置き無しで早速前回の続きです。


「最もよく学ばれている」

という事は、裏を返せば指導する側の人間が

「最もよく学ばせている」

という事です。

長い道程の最初の一歩としてそれを選ぶというのでしたらそれでも良いでしょうが、問題は

「字が上手になりたい」

と思って筆を持っている人達です。

この人達にとっては羲之も古典も関係無いわけで、王書の持つバランス感覚など何の意味も持ちません。

それなのに、ただ何となく

「典型だから」

という理由だけで習わされてしまっているとしたら、それだけの理由で習わせてしまっているとしたら、お互いにとって決して幸せな事ではないと思うのです。


繰り返しますが、『集字聖教序』は痩せても枯れても羲之の書です。

ですから、質的には本来そう簡単に学べるようなシロモノではありませんから、学ぶ側はもちろんの事、それ以上に指導する側の人間にもそれ相当の力が必要なはずです。

古典の臨書とは言っても、書道教室等での実際は、学ぶ本人が影印本などを直接見ながら臨書するというよりも、先生が折帖などに書いたものを見て練習するという形が多いと思われますが、この場合、当然の事ながら、折帖を書く先生の力量に全てがかかってくるのですから尚更です。(この場合、厳密には臨書とは言えないとは思いますが、今はそれには触れません。)


しつこいようですが、羲之の書は簡単なものではありません。(筆使いが難しいと言っているのではありません。)

「典型」という言葉の響きから、教える側が「簡単なもの」のようにイメージしているとしたら、それはとんでもない大間違いなのです。


もしも『集字聖教序』を使って学ばせるにしても、仮にそれを

「字が上手になりたい」

と思っている人達にそのままあてがって単純に臨書させてみても、恐らく殆んど役に立たないでしょう。

何故なら、先にも書いたとおり、王書そのままでは、一般的にイメージするところの所謂「上手な字」には成り得ないからです。


となると、それなりのアレンジが必要になるのでしょうが、それはつまりは王書の特色を抑えて分かりやすいものにするという事ですから、そこまでするのであれば、もとより王書を取り上げる意味が無くなってしまいます。


これは私見ですが、「字が上手になりたい」と思っている人達や初学者のテキストとして考える場合、その人達にとって本当に適当なものを考えるのであれば、王書などよりも、唐高宗や趙子昂、文徴明などの字の方が余程適していると思うのです。

それらを先ず学んだ(学ばせた)上で、更に先に(奥に)進みたい(進ませたい)というのであれば、それから王書を学んだ(学ばせた)としても決して遅すぎる事はないと思うのですが・・・

実際にはそれらは2番手3番手、更には問題外の選択肢とされ、ついつい敬遠されがちです。


教える側の人達の中には未だに

「時代の下ったものは習うべきではない」

というような考えを持った人も少なくないのかもしれませんし、

「最初から深遠なものに触れておいた方が良い」

という考え方もあるのかもしれませんが、字が上手になりたくて筆を持っている人や初学者の人に対して、最初からそんな理屈を無理矢理押し付けるというのでは、教える側の姿勢としてやはり少々乱暴に過ぎるように思うのですが、そう思うは私だけなのでしょうか。


「臨書のすすめ 行書」は『集字聖教序』1本を紹介したまま、それっきりになってしまっていますが、それも実はこの辺りの事が気にかかり、何を紹介するべきなのか私自身が悩んでしまっているからなのです。


教える側が「人気」や「定番」といった響きにもたれかかるのは簡単な事ですが、その選択の実態に中身が伴っていないのだとすれば、これ程無意味なものはありません。

教える側の人間の一人として、検索ワードを見ながら今日も思い悩むのでした。


と、2回に亘り妙な話になってしまいましたね(苦笑)

それではまた。


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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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