2008年03月27日

白黒反転

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最近どうにもまた愚痴っぽくなっている事に気が付きました。(反省)


そこで今回は愚痴は一切無しで!(当たり前ですよね)


早速これを見て下さい。

吾友帖その1少し前に米元章の『蜀素帖』を紹介しましたが、同じ米元章の『吾友帖』です。

蜀素帖』とこの『吾友帖』とでは、同じ人間が書いたとは思えない程にその趣が違いますね。

それでも左への前のめりが強く横画の右上がりが強いところなどは、彼の特徴そのままです。

その辺が孫過庭などとは違うところですが、「真を乱す」とまで言われた彼の事ですから、もっと魏晋そのままに書こうと思えばいくらでも書けたでしょう。


彼は、ある時知り合いから借りたものを模書し、模書の方を返したにも関わらず、知り合いはそれに気付かなかった、という逸話を持っています。

きっと魏晋の書に対しては絶対的なまでの自負があったと思われますが、それにしても北宋の時代にあって、これ程までに魏晋に則った書を書いてしまうのですから驚きです。

しかも尺牘ですからね。

非常に強い自負と自意識とでも呼ぶべきものが無ければ、尺牘でわざわざこのようなスタイルでは書かないでしょう。


「?チンプンカンプン?」

と思った方、ごめんなさい。

前回の話を蒸し返せば、実はこの辺の話こそ、好きなように書きたい部分の最たるものだったりするのですが、始めると間違い無く当分の間戻ってこれなくなるので、今回はここでストップです(泣笑)



さて、もう一つこれを見て下さい。

吾友帖その2これ、実は1枚目の画像を加工して、白黒反転させたものです。

言うまでもなく、拓本の雰囲気を再現してみようと試みたわけですが、如何ですか?

ガラッと印象が変わりますね。

パソコンとスキャナと簡単な画像加工ソフトさえあれば誰にでも同様の事は出来ますので、一度やってみると色々と面白いですよ。


魏晋の書を学ぶ時、拓本というある種の幻の中に肉筆のイメージを想定するのは、今更ここで阮元の「北碑南帖論」を持ち出すまでも無く、なかなか難しい話です。

その難事の直接的な手がかりとしては、ほぼ同時代の『李柏文書』のような肉筆資料や『喪亂帖』などの搨模本があるわけですが、間接的な手がかりの参考としてよく引き合いに出されるものとしては、智永の『真草千字文』や孫過庭の『書譜』などがありますね。

そこで、その間接的な手がかりの中に米元章も加えてみてはどうでしょう。


「え〜っ?」

と思う方もいるかもしれませんが、その書が持っている活きの良さで言えば、『真草千字文』のようにかしこまったものよりも米書の方が数段勝っています。

どうせ模糊として掴み切れない幻なら、出来るだけ活きの良いものを参考にしてみても、悪い事はないと思うのですが。



話が飛躍しますが、そもそも智永にしろ孫過庭にしろ、どれ程魏晋に則った書を書いていると言っても、そこにあるのはあくまでも彼らの体を通した上での魏晋の姿に過ぎません。

その意味では、米元章に留まらず趙子昂や文徴明、董其昌といった時代の下ったところまで見ていくと、少なくとも、中国書道史の中で魏晋という幻がどのように感受されてきたのかが浮かび上がってくるはずです。

この点は魏晋以後の中国書道史を理解する上で極めて重要な部分だと思いますが、極論すれば、それへの理解無しに唐突に王鐸や傅山の中から羲之のエッセンスを抽出してみようとしても、それこそ意味が無いと思うのです。


ストーーープッ!!

飛躍し過ぎてしまいました(汗)



話を白黒反転に戻しましょう。

ややこしい話は抜きにしても、こんな遊びのような事でも実際にやってみると、少しは拓本の見え方が違ってきたりするものです。

今回は肉筆を白黒反転して拓本風にしましたが、反対に、何かの拓本を反転して字の部分を黒くしてみると、これまた非常に面白いですから、是非一度試してみて下さい。

と言うよりも、そのうちそれも改めて取り上げましょうかね。(忘れなければの話ですが・・・)


今回はここまで。

それではまた。

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あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。


ラベル:書道
posted by 華亭 at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 試食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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