2008年03月07日

歩けないのに

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知らなかったんですが、最近教育テレビで書道講座をやってるんですね。

先日たまたまチャンネルを回してたらやってて、ちょっと見てみました。


で、感想です。

「う〜ん…」


講師の石飛博光氏は著名な書家で、いわゆる毎日展系の人ですが、日展等でも活躍されていますし、書家の中ではメディアへの露出も高いので、毎日展系以外の方でも御存知の方も多いと思います。

最初に誤解のないように言っておきますが、石飛氏の話に嘘はありませんし、番組の内容も間違った事をやっているわけではありません。


ただですね


正直に言うと、

「う〜ん・・・そうは言っても現実はなぁ・・・」

とも思ってしまうのです。


「何が?」

と言うと、筆を動かす速度です。


このブログではこれまでひたすら

「同速度、同筆圧」

を基本として話をしてきました。

それすらままならないうちに、速度や筆圧に変化をつけようとしてみたところで、どうにもならないからです。


歩くことすら出来ない赤ちゃんに

「リズミカルに踊れ」

と言っても無理な話ですし、誰もそんな事を求めたりはしないでしょう。

「先ずは歩けるように」

ですよね。


筆を使うにしてもそれと同じ事だからです。


ところがです。

番組では石飛氏はリズミカルに速度や筆圧に変化をつけながら書いてみせ、生徒にもそれを前提とした添削指導を施すのです。


もちろん石飛氏自身は歩く事も走る事も、そして踊る事も自由自在に出来るように修練を重ねてきていますから、変化をつけながら書いても何の問題も起きません。

しかし、生徒はそうはいきません。

出来たものは悲しい程にまでしどろもどろです(苦笑)

しかも、恐らくは生徒自身が自分の書いたものがどれ程までにしどろもどろなのか、分かっていないまま番組は進行してしまいます。


確かに将来的には、自由自在に変化をつけながら書けるようになる、というのが理想ですし、それを目指す事自体には何の問題もありませんが、今、目の前にある現実は

「まだ歩けない」

のですから。


先ずはしっかり歩けるようになる事に何よりも時間をかけるべきなのに、これではいきなり踊らされてしまうようなものです。

しかも、書の厄介なところは、全く歩けていないような状態でも、実際に転ぶわけではありませんから、痛くも痒くもないので、本人には全くと言ってよい程にその自覚が無いのです。

ですからそのような状態がそのまま放置されると、実際には転びまくって傷だらけの血だらけの姿になっているというのに、

「私の踊り、素敵でしょ?」

と悦に入って自信満々でいるような、勘違いの塊のような人になってしまうのです。(『まがいもの』『20年間』の回を参照)


番組の性格上、視ている人の多くはまだ歩けないのでしょうし、番組自体そういった人達を対象として企画されているのだと思いますが、だからこそ、問題なのです。


もっとも、これを石飛氏の責任としてしまうのは余りに酷と言うものでしょう。

番組はいわば短期連載ですから、その短い期間で何とか格好をつけなければなりません。

となると、私の言うような地道な話をしている暇など有りませんからね。

結果として、初歩段階に於ける一番大切な部分がすっかり抜け落ちてしまうのです。


過去にもいわゆる書道講座のような番組は何度も放送されてきましたが、今回お話している問題に関してはいつも同じ事で、講師が誰になろうとも、話は全く変わりません。


となると、一体誰の為の番組なんでしょうか。


「う〜ん・・・」

と今日もため息なのでした。


今回は愚痴で終わってしまいました(苦笑)

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 07:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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