2008年02月19日

自分の書を載せない理由

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今回は少し話が脇道に逸れます。

先日メールで質問をいただきました。


質問の内容を要約すると

「色々な話をしているけど、どうして自分の書いたもの(作品)を載せないの?」

というものでした。


この方にはすぐにお返事させていただきましたが、恐らく読者の皆さんの中にも似たような疑問を抱かれている方がいらっしゃると思いますし、早い話が

「偉そうな事ばっかり言って、自分の書いたものはちっとも見せようとしないなんて、そんなの卑怯じゃないか。」

と感じていらっしゃる方もいるでしょうから、今回はその理由についてお話します。


大きな理由は二つあるのですが、一番大きな理由は

「私の書いたものを見るくらいなら、古典名跡を見てもらった方が遥かに為になる。」

という単純なものです。


そもそも私はこのブログを自分の作品の発表の場として開設したのではありません。

もしそうなら、理屈臭い長話など書いたりしません。

黙って作品だけ見てもらいます。

時々HPやブログ上で自分の臨書作品とやらをズラッと並べ、たいそうな能書きを書き連ねているものがありますが(「まがいもの」の回参照)あれは私が最もやりたくない事なので。


そんな事をするくらいなら、その分ここで紹介する古典名跡を見てもらった方がずっとずっとその人の為になると思うのです。



それからもう一つの大きな理由について。


私の書いたものを載せてしまうと、「書風が違うから」という理由で私の話を受け入れ難くなってしまう人がいると思うからです。


このブログをいつも読んでいる方ならお分かりかと思いますが、私は書体や所謂「書風」の違いを越えた、と言うよりも、それらの根底に共通して存在する問題について、なるべく一般化した内容として話したいと考えています。

「雑談」や「考え方」のカテゴリーとして書いた内容については特にその気持ちが強いです。


私がこのブログで繰り返し述べている

「筆を持つ前の段階の意識」

についての話となれば尚の事です。


ところが私の書いたものを見る事によって、一般化した話の内容よりも、私の書いたものに対するその人なりの感じ方が先行してしまうと思うのです。


「書風」という考え方は実はとても厄介で、大抵の場合、

「自分が見慣れないものに対して、好き嫌いを越えた客観的な良し悪しの判断がつけられないから(判断出来るだけの見る力が無いから)、とりあえず単に拒絶して、分かったような気になって自分を納得させる。」

という為の逃げ口上になってしまっている、というのが実情です。

「私とは書風が違うから。」

と。


一般化した話というのは、一般化の度合いが強まった分だけ誰にでも当てはまる内容になるわけですが、それと反比例して、内容に具体性が乏しくなり表現に曖昧さが生じます。

ですから私の書いたものを見た事によって受けた印象が先行してしまうと、

「そんな事言われても、私とは書風が違うから、私には関係無いや。」

と思われてしまう恐れがあるのです。


これでは

「書風の違いなど関係の無い話」

として伝えようとしている私の意図と正反対の結果となってしまいます。


そこで、私の書いたものはなるべく提示せずに、皆さん各々に問題を自分自身の事として自分に引き付けて当てはめて考えてもらう、という形をとっているのです。


ですから今後も基本的には私の書いたもの(作品)を載せるつもりはありません。


以前、今回御質問をいただいた方とは別の方から

「何か手本になるものを掲載して欲しい」

という御要望をいただいた事もありましたが、それも同じ理由からお断りさせていただきました。


自分の作品を載せずに偉そうな事ばかり話し続ける事で、読者からは卑怯だと思われてしまうだろうという事は、このブログを開設した時から承知しています。

承知の上で出した結論ですので、皆さんにどのように受け取られたとしても仕方無いと思っていますし、このやり方に対する批判については甘んじてお受けするつもりです。

それでも何とか御理解いただけたら嬉しいのですが…


というわけで、今回は私が自分の書を掲載しない理由についてお話しました。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

nonbirishodo@mail.goo.ne.jp


定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。



ラベル:書道
posted by 華亭 at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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