2007年11月30日

ずれてる?

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今回の試食は王羲之『喪亂帖』です。

とても有名なものなので、御存知の方も多いでしょう。


今更言うまでもありませんが、王羲之の肉筆というのは一文字も現存しません。

この『喪亂帖』も極めて精巧に作られた双鈎填墨です。


王羲之の書の実像とは一体どのようなものであったのか?

という点については余りにも難しい問題なので、このブログでは扱いきれません。

そこでここでは、王羲之の書としてではなく、あくまで『喪亂帖』そのものとして扱うことにしましょう。


早速これを見て下さい。

喪亂帖『毒』その1

この「毒」の字、どう思いますか?

「別に何とも…」

とか言わず、よ〜く見て下さい。


この字、上半分と下半分とで、ずれていませんか?

分かりやすく線を引いてみました。

喪亂帖『毒』その2

上半分と下半分、それぞれの中心に赤い線を引きました。

上半分の赤い線をそのまま延ばすと、青い線の位置を通る事になり、下半分の中心を通りません。

ほら、ずれてるでしょ。


下半分がずれているのなら、というわけで、下半分を上半分の真下にくるように、ちょっと加工してずらしてみました。

そうすれば、真っ直ぐになってくれる筈ですよね。

喪亂帖『毒』その3

どうですか?

真っ直ぐになりました。


ところが・・・なのです。


真っ直ぐになった筈なのに、何だか落ち着きません。

どうしてでしょう?


次を見て下さい。

喪亂帖『毒』その4

上半分と下半分とを真っ直ぐに並べた筈が、字全体を見ると、赤い線のように重心(中心ではありません)が傾いてしまいました。

具体的に言うと、一番下のはねている部分が、左に顎を突き出したようになってしまいました。


もう一度さっきの画像に戻ります。

喪亂帖『毒』その2

実はこの字、上半分と下半分、それぞれの中心は一見ずれているかのように見えますが、字全体の重心は上半分の赤い線から下半分の青い線へとしっかり通っているのです。

一番下のはねている部分が字全体の重心をしっかりと受け止める位置にあることが分かるでしょう。


このように、一見すると上下がずれているかのように見えるバランスの取り方というのは、この字だけではなく『喪亂帖』のあちこちで、更に言えば、王羲之の書として伝えられているものの中のあちこちで見られます。


話が長くなってきたので、今回はここまでにして、次回、同じく『喪亂帖』から、もう一つ別の例を挙げてみたいと思います。

それまで、加工前と加工後の画像をよく見比べてみて下さい。

喪亂帖『毒』その1 喪亂帖『毒』その3

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 臨書
posted by 華亭 at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 試食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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