2007年06月26日

理屈って本当にいらないの?その2

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前回から「理屈って本当にいらないの?」ということでお話しています。


前回、

「私が書く時にはいちいち理屈なんて考えていない。」

と言いました。

これは嘘ではありません。


ですが、私の場合がそうだからと言って、皆さんが書く時にも理屈は本当にいらないのでしょうか?


そもそも理屈など抜きにしてもちゃんと書けるだけの感覚が自分の中で蓄積醸成されているのであれば、今までにそれだけの修練が成されてきているのであれば、理屈などというものは出る幕は無いわけですし、一切必要ありません。(何を以って「ちゃんと」かどうかを判断するのかはここでは触れません。)

書というのは本来、断じて「理屈ありき」などではないのですから。


しかし、理屈抜きで書こうとしても、ただ闇雲に書くことしか出来ないのであれば、闇雲に書き散らしたものがただのデタラメにしかならないのであれば、

「先ずは理屈として理解しておいて、その上で、理屈など意識しないでも書けるようになるまで練習を繰り返す」

という手順の方が、一歩ずつでも確実に前へ進む事が出来ると思うのです。


以外に思われるかもしれませんが、私自身は私がこれまでお話してきたような理屈を今まで師匠に教えられたという事は全くありません。

これまたどこかの回で書いたような気がしますが、私にとっての師とは、分からないところを説明してもらう為の存在などではないからです。

冷たい言い方になるかもしれませんが、全ての答えは目の前の手本にあるわけで、それはいちいち理屈として説明などされなくとも、自分の目で気付く事が出来るはずのものです。

もちろん、その時点での書に対する理解度によって、気付く事が出来る深さには限界があるわけですが、その理解度の段階毎に、その段階に於ける限界までは、少なくとも自分で気付く事が出来るように精一杯努力しなければなりませんし、努力するのが当然です。


しかし、理想はそうであれ、皆さんの場合、実際にはそれがなかなか難しい事であるのも事実でしょう。


そういう人に向かって

「言葉や理屈で説明出来るものではない。答えは手本にあるのだから、自分で気付くまで頑張りなさい。」

とだけしか言わないのでは、余りに酷でしょうし、そもそもそんな教え方では皆さんすぐに辞めてしまいます(苦笑)


少々話が逸れますが、

「言葉や理屈で説明出来るものではない」というのは確かに事実です。

ですが、書道界が教室に通ってくる全ての人達に対して一様にこのような態度を取り続けてきてしまった事が、結果として、書道教室の敷居を必要以上に高くしてしまった一因となっているような気がしてなりません。

言葉や理屈として取り出すことの出来る最大公約数の部分を可能な限り抽出し、それを説明する為の理屈として再構築した上で、書を学ぶ人達が書を具体的に理解していく為の一助とする。

私のような立場の人間は、その為の工夫や努力を怠ってはならないのだと思っています。

そう思っているからこその、毎度毎度の理屈っぽい話なのです。

閑話休題。


別の視点から考えてみましょう。

書と言うと、一般的にはすぐに安易な精神論や才能の有無が取り沙汰されてしまう傾向が極めて強いですが、「向き不向き」の回でも似たような話をしたとおり、教室に通われている人達の場合、ただ単に「書けるようになるまで書いたか否か?」という問題なのであって、精神論や才能の有無など全くと言って良い程に関係がありません。

精神論や才能の有無などという掴みどころの無い逃げ口上を並べずとも、出来る事はいくらでもあるはずです。


ただし、繰り返しになりますが、

「書けるようになるまで書く」

とは言っても、ただ闇雲に書いていたのでは全く意味がありません。

問題点をどれだけ「具体的に」意識して「具体的な」練習へと展開させていく事が出来るのか?

その手がかりとなるのが理屈なのです。

理屈がただの理屈のままで終わってしまっては困りますが、理解する為の手がかりには出来るはずです。


ですから、結論を言えば、

「理屈を軽んじてはいけない」

のです。


ところが厄介なもので、この理屈というものは正に諸刃の剣。

薬にもなれば毒にもなるものでもあるのです。


これについては次回に。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。
ラベル:書道
posted by 華亭 at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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