2007年06月03日

最初の一歩。その3

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前回は前々回の補足で終わってしまいました(汗)

今回こそ、前々回の話の続きです。

書いたものが手本よりも大きくなってしまうもう一つのパターンについてでしたよね。


正確に言えば、前回までの話から派生する問題ですので、全く別のパターンではないのですが、それは

「手本と同じ大きさに書いたのに、手本よりも大きくなってしまう」

というパターンです。


このパターンはある特定の状況に於いて起こります。

ある特定の状況とは、「にじみ」の存在です。


紙の種類にもよりますが、墨をたくさん付けて書けば、書いたものはにじみますよね。

ところが、手本ににじみがあった場合、それは当然の事ながら

「にじみきってから乾いた状態」

として皆さんの目の前にあるわけです。


この「にじみきった」状態の大きさを、そのまま同じ大きさとして書こうとすると、どうなりますか?

当然、そこから更ににじむわけですから、にじみきった時には手本よりも大きくなってしまっています。


言葉にするとややこしいですが分かりますでしょうか?


仮に、手本の字がにじむ前の大きさを100とします。

それがにじみきって乾いた時には120の大きさになっていたとしましょう。

皆さんが手本として目にする時には、当然120の大きさとして目の前にあるわけです。

この手本を見て書く時に、目の前にある120の大きさとして書いてしまうと、そこから更ににじむのですから、にじみきった時には必ず120以上の大きさになってしまいます。


結果として

「手本と同じ大きさに書いたのに、手本よりも大きくなってしまう」

という事になってしまうわけです。


もうお分かりでしょうが、このパターンの場合、手本を見て書く際に、100の大きさで書かなければいけません。

にじみきった手本を見て、にじむ前の姿、核とでも言うべきものの姿を想定して書かなければいけないのです。


これは初学者の方には相当難しいようですので、私は普段こう教えています。


「手本ににじみがあった場合、見た目の大きさの70%の大きさで書く」


どの程度小さく書けばよいのかというのは、実際にはにじみの強さによってそれぞれですから、とても一概には言えない話ですし、経験として体得するしかないのですが、話を出来るだけ単純に、そして具体的にするために私は70%として教えてしまいます。

70%という数字に何かの根拠があるわけではありません(笑)

このくらいに話しておくと、皆さん大抵の場合は手本の見た目の大きさよりも一回り小さく書こうとしてくれるからです。

「一回り小さく」

などという曖昧な言い方しかしないと、皆さんなかなか小さく書けません。

70%という具体的な数字を挙げておけば、少なくとも70%の大きさに書こうとはしてくれます。

前回の話のとおり、なるべく「具体的」に意識してもらうために、70%という数字を挙げているのです。


話を戻しましょう。

どうして今回このパターンを採り上げたのかというと、前回までの話に深く関わっているからです。

潤渇を伴って書く場合、最初の1文字目というのは筆に墨がたくさん付いている状態で書かれるのが普通ですから、結果としてにじみが強くなる場合が多くなります。

ということは、前回までの話の流れで言えば、

「1文字目の1画目から、手本よりも大きくなってしまう危険性が高い」

という事になります。

1文字目の1画目が手本よりも大きくなってしまったとすると、その後どうなるのかは、前回までの話のとおりです。

これは半紙だろうが半切だろうが二尺×八尺だろうが同じ事です。


「手本と同じ大きさに書く」

というのは、実は

「乾いた時に手本と同じ大きさになっているように書く」

という意味なのです。


今回まで3回に亘って「最初の一歩」としてお話してきましたが、如何でしたか?

「どうして手本と同じ大きさに書かなければいけないの?」

という根本的な疑問を持った方もいらっしゃるでしょうが、それについては「形臨をすすめる理由」の回に、答えになりそうな話が出てきますので、そちらを読んで下さい。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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