2007年05月31日

最初の一歩

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ちょっと忙殺されているうちに、すぐに10日ぐらい経ってしまいますね(汗)

気付くと最近全然アップしていませんでした。


さて、今回は普段私が書を教えていて、特に初心者の方によく見られる場面について考えてみたいと思います。


それは

「手本と同じ大きさに書きたいのに、同じ大きさに書けない」

というものです。


この「同じ大きさに書けない」というのは、実際には

「手本よりも大きくなってしまう」

という場合が殆んどですが、手本よりも小さくなってしまうのだとしても話は同じですので、自分がどちらに当てはまる事が多いか、普段の自分の練習を思い返してみて下さい。


結論から言います。

手本と同じ大きさに書く為には、何が何でも、1画目を手本と同じ大きさに書いて下さい。

その為には、1画目の入筆の大きさを手本と同じにすることが何よりも大切です。


これだけではよく分からないと思いますので、もう少し詳しく考えてみましょう。


字の形を決定する要素には

1、線の始まる位置
2、線の進む方向
3、線の進む距離(線の長さ)

という3つがありますが、毛筆の場合、これらに加えてもう一つ、

4、線の太さ

という要素が加わります。


厳密に言えば、毛筆以外の筆記具で書いた線にも太さはあるわけですが、毛筆で書いた場合のように線の太さ自体が字の形と密接に関係しているわけではありませんので、便宜上ここでは4の要素は毛筆独自のものとして話を進めます。


4の線の太さを決定するのは、入筆時の筆の置き方、つまりは点の大きさです。

少々分かりにくいかもしれませんが、例えば楷書を書く場合で考えてみましょう。

入筆(起筆と置き換えてもかまいません)が終わった時点で筆を紙から離してしまうと点が出来ていますね。

その点の大きさが手本よりも大きくなってしまったとすると、ほぼ必然的に線の太さも手本よりも太くなってしまいますが、こうなると殆んどの場合、送筆した線の長さは手本よりも長くなってしまうのです。

(反対に、その点が手本よりも小さくなってしまったとすると、殆んどの場合、線は短くなります。)

つまり、字形を決定する4つの要素の内、たとえ1と2が正しかったとしても、4が異なってしまうと3もそれにつられて狂ってしまうのです。


何故なのか?

それは、自分で書き始めた点の大きさ(線の太さ)に合わせた長さを、言い換えれば点の大きさ(線の太さ)に見合った長さを、無意識のうちに書こうとしてしまうからです。

そして2画目はこれまた無意識のうちに、1画目の長さに合わせて書こうとしてしまいますから、1画目が手本よりも長めに書かれてしまうと、手本よりも長めに書かれた1画目に合わせて2画目以降が書かれてしまいます。

以下、このような繰り返しで書き進むと、結果としてその文字全体は手本よりも大きくなってしまうのです。

更に言えば、1文字目がそうやって手本よりも大きくなってしまうと、その1文字目の大きさに合わせて2文字目以降が書かれてしまいますから、結果として、2文字目以降も手本よりも大きくなってしまうのです。


これは、書いている本人が意識しているか否かに関わりません。

どれ程に手本を見ながら書いていたとしても、入筆時の点の大きさが手本よりも大きくなってしまった時点で、例えば半紙に6文字書くのでしたら、その6文字全てが手本よりも大きくなってしまう事はほぼ決定してしまうのです。


「そんなバカな」

と思うかもしれませんが、これは少し書けるようになった人こそ逃れようがありません。

初心者の場合、手本よりも長くなってしまうはずのところが、手が動かないがために長くならずに済んだりすることがありますが、少し書けるようになった人の場合、そういった偶然は起こりにくいですから、自分の書いてしまった1画目の太さや長さに引きずられやすいのです。


「何だか信じられないな・・・」

と思われる方もいるでしょう。

そこで一つ、例を挙げてみます。

最も分かりやすい例は

「口(くち)」

という字かもしれません。

1画目の縦画が手本よりも太く長くなってしまったとすると、2画目の横画は必然的に1画目の縦画に見合った長さで引かざるを得なくなりますし、転折後の縦画も、1画目の縦画の長さに合わさざるを得ません。


ほら。

書き上がった「口」は、手本よりも大きくなっているでしょ。


どうですか?

私の話が少しイメージしていただけたでしょうか?


「手本よりも大きくなってしまう」

という人は、これと同様の事が全ての字に於いて起こっています。

ちなみに

「手本よりも小さくなってしまう」

という人は、今回の話の太細と長短を反対にすればそのままあてはまります。


最後にもう一度繰り返します。

手本と同じ大きさに書く為には、何が何でも、1画目を手本と同じ大きさに書いて下さい。

その為には、1画目の入筆の大きさを手本と同じにすることが何よりも大切です。


お試し下さい。


さて、今回はここまでにしますが、手本よりも大きくなってしまうパターンには、実はもう一つあります。

長くなりそうなので、それについては次回に。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

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誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。


ラベル:書道
posted by 華亭 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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