2007年04月27日

何で篆刻?

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「篆刻のすすめ」というカテゴリーを作ってみました。


「『臨書のすすめ』がちっとも進んでないのに何やってんだ!」

と叱られそうですが(苦笑)


篆刻(てんこく)と言うと、書を長年学んでいる人ですら、全くの門外漢を決め込んでしまっている場合が少なくないようですが、それは余りに勿体無い話です。

「だって何だか難しそうだし・・・」

と二の足を踏んでいる人も多いのでしょうが、それは書でも同じ事だったと思うのですが。


実は、印の押し方一つでその人の実力が透けて見えてしまうものなんですよ。


作品自体は立派に書けているのに、作品と不釣合いの印が押してあったり、押してある場所が悪かったりして、作品全体が台無しになってしまっている。

というのは良く見る光景ですが、それに気付いていないということは、それがその人の感覚の実力だからです。


書の部分は、恐らく先生にもらったお手本を見ながら何百枚も書いたのでしょうから、まぁ、上手にはなっていますよね。

ところが、作品が書きあがったところまでで安心してしまうのか、印の事にまで気が回らないのか、いずれにしても訳も分からないまま

「とりあえず押しておかなくっちゃ」

みたいな感じになってしまっています。

その結果、その人の感覚の本当の実力が顕れてしまうのです。

怖いですねぇ。


篆刻を学ぶようになると、書に於いても今まで見えなかったものが見えてきます。


私は時々「線の深さ」「筆の食い込み」といった表現をしますが、平面上に書かれているはずの書の線に「深さ」や「食い込み」を感じるというのは、初学者にはなかなか難しいのも事実でしょう。

篆刻もツ印されたものを見ているだけだと、やはり平面上の世界のように感じるかもしれませんが、実際に石を刻している段階では紛れも無く立体であり、そこには文字通りの「深さ」や「食い込み」が存在します。


このブログで繰り返してきた

「同じ筆圧」

という表現は、篆刻の場合に置き換えると、

「同じ深さ」

と言うことが出来ます。

立体を対象とする刻印という作業を繰り返す事によって、平面上であるはずの紙面上の筆線における線の深さや食い込みの強さといったものをイメージしやすくなるのです。


篆刻はその名の通り、基本として篆書を刻したものですが、この感覚をしっかりと持っておくか否かは篆書に限らず、隷書や楷書、更には他の書体を学ぶ上でも、極めて重要です。


こんな事を言うと、またすぐに

「欧陽詢は篆刻など学んでいないはずだ。それなのに『九成宮醴泉銘』を書いたじゃないか。」

などと、屁理屈を言う人がいますが、凡人である我々の才と彼の巨大なそれとを持ち出して比較してみたところで、何の意味も無いでしょう(苦笑)


閑話休題。

篆刻というのは極めて微細な世界ですから、その微細な世界の中で感覚を磨いていくことによって、それまで見過ごしていた自分の書の粗さに気付く事が出来るようになります。

そもそも、篆刻の世界ほど眼前の一文字に対して感覚を研ぎ澄ませて対峙し続けるものって他にあるでしょうか?


まぁ、学んだ上での効果をもくろんで篆刻を始めるなんて、それこそ俗というものでしょうが、結果として色々な効果が顕れてくれるのは事実です。

そんな皮算用を抜きにしても、始めてみればまた違った世界が広がって楽しいですよ。

とにかく始めてみませんか。


今回はここまで。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。
ラベル:書道 篆刻
posted by 華亭 at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 篆刻のすすめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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