2007年03月29日

高野切第一種

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また、お久しぶりのアップになってしまいました。

実は3月に入ってからのインフルエンザの流行で、家族が次々とかかってしまい、大変だったのです(汗)

やっと元気になったので、これからまたのんびりとやっていきますね。


さて、今回は「臨書のすすめ 仮名」として『高野切第一種』です。

テキストは今回も二玄社『日本名筆選』を挙げておきます。

それにしても、今は誰でも簡単にこれほどのテキストを入手出来るんですから、幸せですよね。

ある仮名の大家の若い時の話ですが、『関戸本古今集』に注目してはみたものの、良い本がなかなか見つからない。

困っていたところ、たまたま上京した際に立ち寄った神保町の古書店で、コロタイプの良い本を見つけた。

値段を聞くとびっくりするような値段だったのだが、上京中でたまたま手持ちがあったので、それを全額はたいて入手した。

それ以来、『関戸本』一点張りになった。

といったような話をしていた事がありました。

今の我々は拓本にしても古筆にしても、いとも簡単に優れた影印本を入手出来てしまいますが、その分、その本に対する思い入れが希薄になってしまっているように思います。

こうなると何が幸せなのか、分かりませんね。


話を戻しましょう。

これまでこのブログ中、仮名では、典型として『粘葉本和漢朗詠集』『高野切第三種』を取り上げてきました。

仮名の典型という意味では、今回の『高野切第一種』は、それら二本を遥かに凌ぐもので、これ以上のものはありません。

仮名の典型といったものを想定した時、その全ての要素を含んでいると言っても過言ではないでしょう。

一般的な学書者の場合、極論をすれば、この一本をとことんやり通せば、仮名については一生それで充分なのではないでしょうか。


『粘葉本和漢朗詠集』や『高野切第三種』と比べて、墨継ぎによる墨色の変化や、線の太細、空間の粗密など、非常に変化に富んでいます。

しかもその書格は極めて高い。

正に仮名の中の仮名と呼ぶべき一本でしょう。


さて、臨書する際の注意点ですが、先述のように、この書は色々な意味で変化に富んでいます。

見ているだけならこれらの変化はとても嬉しいものなのですが、いざ臨書するとなると、変化に富んでいる分だけ困難になります。


初学者が最も注意しなければならないのは、線の太さの変化です。

特に太い線から細い線への変化、ここが一番の難所です。

細い部分になると急にヒョロヒョロとした力の抜けた線になってしまう。

という事になりやすいですから、注意しましょう。


このブログで紹介したとおり『粘葉本和漢朗詠集』と『高野切第三種』で線の強さをしっかりと鍛えてきた人であれば、ここに書いたような弊には陥らずに済むと思いますが、それ無しにいきなりこの『第一種』に取り掛かろうとする人の場合、余程注意しないと必ずヒョロヒョロになりますので、そのつもりで。

と言うよりも、書いた本人がいつまで経っても

「ヒョロヒョロとした力の抜けた線になってしまっている事に気付かない」

と言った方が正しいかもしれません。

そして、言うまでもなく、気付かないという事それ自体が何よりも大きな問題です。

いつも以上に客観的な視点を忘れないように注意して臨書しましょう。

この本の変化にきちんと付いていけるようになれば、これから後、どのような古筆にあたっても、手が付けられない程困り果てる、という事にはならない筈です。

慌てる事はありません。

じっくり取り組んで下さい。


今回はここまで。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 16:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨書のすすめ 仮名 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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