2007年01月25日

史晨前後碑

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ほぼ3ヶ月ぶりのアップになってしまいました。

ごめんなさい。

実は昨年10月に子供が産まれたため、色々と多忙になり、正直な話、ブログのアップにまで手がまわりませんでした。

恐らく殆んどの読者の皆さんが

「このブログ、止めちゃったらしいな」

と思って離れてしまったと思いますが、また一から出直すつもりでやっていこうと思っていますので、よろしくお願いします。


さて、久しぶりのアップのテーマは「臨書のすすめ 隷書」ということで、『史晨前後碑』です。

テキストは今回も二玄社『中国法書選』として話を進めます。

『史晨前後碑』については、「何から始めれば?隷書の場合」の回でも少し取り上げたので、内容が重複してしまう部分もありますが、お許し下さい。


このブログではこれまで、「臨書のすすめ 隷書」として、『曹全碑』と『乙瑛碑』を取り上げてきました。

皆さんの中には

「今度こそ『禮器碑』でしょ」

と思われた方も少なくないと思いますが・・・

まだです(笑)


ついつい派手なものに飛びつきたくなるのが人情ですが、そこは敢えて後回し、派手なものは後回しです。


左右に伸びやかに大きく広げた『曹全碑』、力強くどっしりと構えた『乙瑛碑』、これまでに取り上げたこの二つの碑に比べると、今回の『史晨前後碑』は何とも地味な印象を持つかもしれません。

伸びやかさにしても、力強さにしても、いかにも中庸な感じがして、一見したところパッとしないですよね。


ところがここがポイントです。


中庸でいながらも、それでいて唯一無二の世界観を放つ、というのはそう簡単に出来る芸当ではありません。


皆さんが実際に臨書をした場合、『曹全碑』『乙瑛碑』『史晨前後碑』の中で、最もサマにならないのは、恐らくこの『史晨前後碑』でしょう。

『曹全碑』や『乙瑛碑』のように特徴が明確なものは、その特徴さえ真似する事が出来れば、自分で書いたものも一見何となくそれらしく見えてしまいます。

実際にはそれらしく見えてしまっているだけなのですが、その特徴に自分の臨書の甘さが誤魔化されてしまうのです。


ところがそういった際立った特徴が無いこの碑の場合、誤魔化しが効きません。

線自体の強さや結体の確かさなど、本来求められるべき点がそのまま自分の書いたものとして映し出され、それらの弱さを誤魔化してくれるものがありません。

臨書に少しでも甘さがあれば、それがそのまま結果として出てしまうのです。

正確に言えば、『曹全碑』の臨書でも、『乙瑛碑』の臨書でも、同様の事が起こっている筈なのですが、さっきも書いたように、それらの場合、目につきやすい際立った特徴に誤魔化されて、気付きにくくなっているのです。


そう言った意味では、この『史晨前後碑』は自分の臨書の弱さ、認識の甘さを自己判断するための材料になってくれる、と言えるかもしれません。


この碑の臨書が

「何だかサマにならないなぁ・・・」

と感じるようであれば、それは間違いなく、

「自分自身では気付いていなくても、『曹全碑』や『乙瑛碑』での臨書でも同様の問題点を抱えている。」

という事を意味している筈ですから。


この碑は銘文自体がそれほど長いものではないので、慣れれば一日で一回全臨出来るでしょう。

その名のとおり、『前碑』と『後碑』の二碑から成り、『後碑』の文字の方が『前碑』のそれよりも少し大きくゆったりしています。


「ゆったり」と見せている理由はどこにあるのでしょうか。


書では、この「ゆったり」という形容がよく使われますが、それを敢えて具体的に説明しようとするならば、それは字の内部の空間が広く取ってある、と言えるかもしれません。

字の大きさはその字の外郭線によって決定されるわけですが、字の大きさ自体が同じなのであれば、その内部の空間を広く取った方が、見た目には大きくゆったりと見えます。

これとは反対に、内部の空間を狭く取れば、その字は引き締まった姿となります。

これは「求心性が高い」などという形容をされる姿ですね。


勿論、話はそれほど単純ではないのですが、この認識は『前碑』と『後碑』とを比較してみる場合の一助になると思います。


私の中で、八分隷の字形の典型として捉えているものは、他でもないこの碑の字です。

前回の『乙瑛碑』の時の話と違うようですが、字形の典型として捉えているのはこの碑です。

この碑を典型としてイメージした上で、それとの比較の上で『曹全碑』や『乙瑛碑』などの他の碑のイメージを自分の中で位置付けています。


『史晨前後碑』、一筋縄ではいきませんから、地味だからといって甘く見てかからないで下さいね。


次回は何の話にしましょうか。

というよりも、次回はいつになるのか、という方が問題ですよね(苦笑)

なるべく間が開き過ぎないように頑張ります。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
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posted by 華亭 at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨書のすすめ 隷書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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