2012年06月24日

アプローチの違いに関する考察。その4

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さぁ、やっと本題です(汗)

今回も頑張れ俺〜。


本題を展開する為のネタは前回までに全て散りばめておきましたので、

「話が長過ぎて最初の方なんて忘れちゃったよ」

という方は、「アプローチの違いに関する考察。その1」から読み直しておいて下さい。(面倒とか言わないで〜)


前回まで3回に亘ってA、Bの違いについて考えてきました。

ここまではどちらかと言うと両者の違いの中でも表面化しやすい部分について見てきたわけですが、今回はもう少し本質的な部分の違いについて考えてみたいと思います。

様々な違いがあるAとBですが、その根底にあるのは重要とする事の優先順位の違いであるように思います。


Aにとっては何よりも

「書を楽しむ」

という事が優先されます。

それは

「書を楽しみながら書を学ぶ」

という姿勢であるとも言えますから、優先順位としては

1・書を楽しむ
2・書を学ぶ

となるでしょう。


その際のポイントは、ここでの「書の楽しさ」というものが、初学者にとっても最初から実感出来る楽しさである、という点です。

その1で書いたA先生の

「のびのび書きましょう」

という台詞は、この姿勢を象徴したものです。


一方Bの場合には、

「書を学ぶ」

という意識が全ての前提です。

「書を学んでいくその中で、書を学ぶ楽しさや、更には書そのものの面白さや楽しさを見付けていこう。」

という姿勢です。

優先順位としては

1・書を学ぶ
2・書を楽しむ

となります。


言うまでもなく、ここでの「書の楽しさ」とは、初学者が最初から実感出来るような類いのものではありません。

B先生の

「ただがむしゃらに書けば良いというものではない」

という台詞も、ただがむしゃらなだけでは、B先生が学ぶ側に伝えたい「書を学ぶ楽しさや書そのものの面白さや楽しさ」に気付く事が出来ない、という考えから出ています。


さて、ここまでで分かる事は、AとBとでは、学ぶ側が感じる「書の楽しさ」の内容が異なっている、という事実です。


前回までに見てきたように、Aの楽しさとは初学者にとっても最初から実感出来るものですから、書の世界への導入に際してはその楽しさが有効に作用します。

一方Bの楽しさとは初学者が最初から実感出来るような類いのものではありませんから、導入に際してはそれが高いハードルとなります。


しかし、です。


「書道ってものをほんのちょっと体験してみたいな。」

という事ならまだしも、多くの方はもっと長期的な関わりを想定して書を始めたはずです。(長期的とはいってもその長さや内容には当然個人差がありますが)

長く書と関わっていこうとする中での楽しさが、「すぐに手には入るが底が見えてしまうのもまた早い」、というようなもので、皆さん本当に良いのでしょうか?


書の楽しみをどこに見出だすのかは人それぞれですから、それについて私がとやかく言うのは余計な御世話というものでしょう。

私の教室に入ってくる人達の中でも、「お手軽」に得られる楽しみを求めてくる人が少なくない、という事もまた事実です。

それらを承知の上で敢えて言えば、Aの行き着く先に、Bが手にするような楽しみを見付ける事など、殆ど不可能だと思うのです。(皆さんの練習量には限度があるのですから。)


私の仕事は書を教える事ですが、それは私にとっては、皆さんが書を学ぶ、そのお手伝いをさせて頂く、という事に他なりません。

このブログでも、その思いは同じです。


ブログというのは基本的にはこちらからの一方通行の媒体ですから、私とこのブログの読者の皆さんとが相互的に繋がる場面は、コメントやメールや通信添削などのごく限られた場面です。

改めて言うまでもなく、このブログは開設当初から完全にBの路線で続けてきていますが、それは、Bの価値観の中で書を続けてきた読者の皆さんに対して、「次の1段」の為の様々なヒントを示したい、と考えてきたのと同時に、Aの価値観の中で書を続けてきた読者の皆さんに対して、「本当に今のままでいいの?」という疑問を投げかけたい、と思い続けてきたからです。

Aの価値観の中で書を続けてきた人達が、「今のままで本当にいいのだろうか?」と、自分自身に問いかけ始めるきっかけくらいは、一方通行のブログでも与えられるかもしれない、と思い続けてきたからです。


そもそも今回の話を改めて記事として書こうと思ったのには理由がありまして。

読者の皆さんの中で

「これまで数ヶ所の教室で何人かの先生に教わった事がある」

という経験がある人は少ないでしょうし、一般的には

「1つの教室でずっと1人の先生に教わってきた」

という人が大多数でしょうから、そうなると、良くも悪くも1人の先生の1つの価値観のみが刷り込まれるわけで(「刷り込み」の回参照)、他の価値観が存在している事すら知らずに過ごす事になります。

今回はA、Bを両極端な形として説明しましたが、Aの進め方しか経験した事がない人にとっては、自分の知らないところで自分が教わってきたものとは正反対のBの進め方というものが存在している、という事自体、全く知る由も無いままに時を重ねています。

当然私はその事実も弊害も知っているわけで、知っているにもかかわらず、それについてこのブログで書かないのは

「やっぱりイカンでしょ。」

と思ったからです。


皆さんが見出だした楽しみが、私の言う楽しみとは異なるものであったとしても、それを否定するつもりなどありませんし、Aのような進め方についても「間違っている」と言うつもりはありません。

しかし、皆さんがひとたび「学ぶ側」として私と関わる事となったのなら、私としてはAしか知らない人を黙って見過ごすわけにはやっぱりいきませんからね。


尤もBの私も実際の教室での話となると、教室に入ってきたばかりの人にB全開というだけでは、それこそハードルの高さばかりが前面に出過ぎてなかなか馴染んでもらえないという事にもなりますので、そこは様子を見ながらバランスを取りながら、という感じになりますが。

それでも私が基本的にBであるというのは今後も変わらないでしょうし、当然このブログはこれからもB全開のまま続けていきますよ(笑)


ひゃ〜、疲れた(汗)

久し振りに長い話を書いたらえらく疲れました。

でも、やれば出来るじゃん俺!

書けば書けるじゃん俺!

よく頑張った俺!(ならもっとアップ率上げろよ)


あ・・・

まだ大事な事を書いていません・・・

独学の皆さん、本当にお待たせ致しました(大汗)

これまでの話を踏まえて、独学の皆さんについて考えてみたいと思います。

次回に続きます。(また持ち越しかい)

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

nonbirishodo@mail.goo.ne.jp


定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 22:27| Comment(4) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
連日の連投、しかも長文懇篤のご教示どうも有り難うございます。次回、独学編も気長に鶴首してをります。
Posted by holy at 2012年06月25日 14:40
holy様

実は現在心身ともにボロボロなのですが、そんな時にもかかわらず、よせばいいのに半分やけくそでむきになって記事を書いています。
私はやっぱり頭悪いんでしょうね。(苦笑)

コメント欄での連絡になり申し訳ありませんが、添削分到着致しました。

澄懐堂の報告、有難う御座います。
特に王虚舟の話は大変面白いと思います。
今は、「立った線の向こう側」にも、まだholy様が御存知無い世界がある、という事だけ申し上げておきます。

記事の続き、躍起になって書いていますので、アップまでもう暫くお待ち下さい。
Posted by 華亭 at 2012年06月25日 15:29
心身ともに大変の折、後進への御指導痛み入ります。「立った線の向こう側」・・・
まだその先がありましたか。例へば、世に喧伝されてゐる会津八一なども、早稲田で何度も見ましたものの、どう見ても「立ってる線」には思へず・・・いつかわかる日が来ることを目指しますので、今後ともご指導のほど、宜しくお願ひ申し上げます。
Posted by holy at 2012年06月26日 08:50
holy様

只単に要領が悪くて忙しさの配分が出来ないだけです(苦笑)
「向こう側」については今後少しずつにでもお話出来たらと思います。

添削もう暫くお待ち下さいませ。
Posted by at 2012年06月26日 09:19
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