2012年06月22日

アプローチの違いに関する考察。その2

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話全体の見通しが立たないままに見切り発車で始めてしまった前回でしたが、ものの見事に前振りだけで終わってしまったので(汗)、早速その続きです。


A、Bは全く正反対ですから、その長所短所についても丁度表と裏の関係になります。


書が持つ様々な側面の中で、初学者が先ず最初に書を「楽しい」と感じるのは、「筆で書くという行為自体」という一面からである事が少なくないと思われますが、その点で言えば、初学者にとっては「最初はあまり細かい指摘まではしない」Aの方が嬉しいでしょうし取っ付きやすいでしょう。

裏を返せばBは(Bの私が言うのも何ですが)取っ付きにくいに違いありません。

最初から細かい点まであれこれ言われてしまうと、

「何だかそれだけで書く気が失せてしまう…」

という人もいるかもしれませんし、そんな事になるくらいなら、先ずは

「のびのび書かせてよ。」

と思うのが自然でしょうからね。

書の世界への導入としては、入りやすいに越した事は無いのですから、この点では完全にAに軍配が上がります。


「と言うか、いっその事Bはいらないんじゃない?」

と思う人もいるでしょう。


ところが話はそれ程簡単ではありません。

問題は、前回触れた

「書いていくうちに」

という前提です。


Aの場合、どれ程に線や形が暴れても、それは「書いていくうちに」収まり、Bの求める詳細な視点についても、「書いていくうちに」獲得出来る、という考え方でした。

ところが、です。

これを実際に当てはめようとした場合、この「書いていくうちに」という前提、どうにも怪しくなってくるのです。


問題は皆さんが書く量、つまりは練習量です。

皆さんの実際の練習量というのは、Aが「書いていくうちに」という前提として想定している量に比すると、圧倒的に少ない、というのが殆どの人に於ける実情です。

つまり、「書いていくうちに」という前提で期待されている線や形の暴れ方の収束も、詳細な視点の獲得も、(練習量が少ないが故に)その段階に至る事自体が極めて難しい注文となってしまうのです。


早い話が、Aというのは学ぶ側の練習量頼みになってしまうんですよ。


その結果、書いていくうちに至る事を期待された段階には全く到達出来ないまま、当の本人の中には

「のびのび書けば(のびのび書きさえすれば)良い」

という歪曲された認識のみが植え付けられる。

只の「暴走」を「勢いがある」などと勘違いしたまま、それに気付かない。(気付く為に必要な視点を獲得出来ない。)

いつまで経っても代わり映えのしないものを、それとは気付かないままに書き続ける。

という、何とも厄介な状態に陥ってしまう事にもなりかないのです。


これまで私はこのブログで「量よりも質」を重視すべきだと言い続けてきましたが、それは皆さんに期待出来る「量」にはそもそも限度があるからであり、その限度ある「量」のみを先行させた意識の中で「質」を追随させるというのは、極めて困難であると考えるからに他なりません。


先程、Aは学ぶ側の練習量頼みになってしまうと書きましたが、だからといって、闇雲に学ぶ側に練習量の増加を求めるわけにもいきません。

書との関わり方というのは人それぞれなのですから、

「とにかくもっとたくさん練習しなさい!」

と言ってみたところで、

「そんなにたくさん練習出来ないし、そもそもそこまで大変な思いをしてまで書を続けたいとは思わない。」

と言われてしまえばそれまでですから。

となると、結局本人の練習量頼みという状態は変えようがないわけで、話が行き詰まってしまいます。

この状態が続けば、本人の進歩は遅かれ早かれ必ず停滞膠着してしまいますので、その停滞の中でいつの間にか書に対する興味も熱意も冷めてしまい、書そのものをやめてしまう、という結末にすらつながってしまいます。

言うまでもなく、最も残念な結末です・・・


何だか重〜い雰囲気になってしまいましたが(汗)、先ずはAについて考えてみました。

次はBについて考えてみたいと思いますが、話がひたすら長くなってきたので、続きは次回に。(やはり御蔵入りにしておいた方が良かったのかも・・・)

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

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あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 22:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
楽しみにしていました。^ー^

AとBの例え すごく分かります。
先生の教え方というかそのお教室の方向性がAであった場合、
Bの気持ちでしたい人にとって苦痛だな・・と思っていました。

目的地を知らなくても楽しく走るようにとコーチがいつも近くから指示をしているマラソンのよう。
(きっとそのほうが楽しく走れるんでしょうが・・)

私はこれがマラソンなのか、ジョギングなのか短距離走なのかも知らないと
走り方が違うのでは?と思ってしまうので、楽しく楽しく!という雰囲気のA教室は辛かったです。

書く量の差も生徒の意識によって開きがありますよね。A教室の先輩の公募展用に書く量を聞いたとき、
私の1/5以下だ・・とびっくりして自分のを言えなかったことがあります。

自分で何をしているか認識をしてないと、もっとこうしてみようと試し続けることはできないかもしれませんね。

このテーマの話 私こそ熱く語ってしまいそうです。
次回も楽しみです。^ー^
Posted by 和 at 2012年06月23日 00:38
和様
コメント有難う御座います。

今ここでうっかりお答えすると話の続きをバラしてしまいそうで(笑)
ですがとりあえず、A、Bについての例えが分かって頂けたようでホッとしています。

余りにも話がまとまらず、幾度となく内容をいじくりまわしてきたので、自分で読み返してみても、果たして本当に読んだ人にちゃんと伝わるのか、自信が無かったものですから。

なるべく早く続きもアップ出来るよう頑張ります。
Posted by 華亭 at 2012年06月23日 09:24
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