2012年05月07日

元を辿ろうにも

これまでの記事の一覧はこちらへ
記事の一覧です

通信添削についてはこちらへ
通信添削について』

メールによる御質問はこちらのアドレスへ
nonbirishodo@mail.goo.ne.jp

----------------------------------------------------------
早速前回の続きですが、前回の話というのは、実は指導する側の極めて楽観的な前提の上にしか成り立ちません。(これが前回の最後に触れた「難点」です。)

書いた本人が「大きくなり始めている部分」を自分自身で見付け出せる。

という前提です。

ところが残念な事に、この前提はあまり(と言うか殆ど)期待出来ません。

何故でしょうか。


初学者の場合(実際には初学者に限った話ではないのですが)、そもそも自分が書いたものが手本よりも大きくなっているのかどうかの判断が付かない、という事が少なくないからです。

自分が書いたものが手本よりも大きくなっているのかどうかが分からないのだとすると、前回の理屈に沿って「そもそもの原因」を探り出そうという私の提案自体、無理な相談という事になってしまいます。

「大きくなっているのかどうかが分からないなんて、そんな事はないだろう。手本と見比べれば分かる事じゃないか。」

と思われるかもしれませんが、ちょっと待って下さい。


例えば私がAさんの書いたものを添削する際、

私「この1画目が長くなっていますね。」

A「はぁ…」

私「(長過ぎる部分に朱墨で印を付けながら)このくらい長いですよ。」

A「う〜ん…そうですか…」

と、こんな感じで指摘されても尚、長過ぎている事が実感出来ない人、ホントに多いんですよ。

「そんな話、信じられないよ!」

と思うかもしれませんが、考えてみればこれは至極当然の話で、書いた本人にしてみれば、それを書いた時には「手本と同じ長さ」にしようと思いながら、自分が「手本と同じ長さ」と感じた長さを書いたのですから、「手本と同じ長さで書いたはず」のそれを見て、「長過ぎる」と自分自身で気付くというのは、実はそう簡単な事ではないのです。


さぁ困りました(苦笑)

このままでは私の得意な屁理屈も、ただの机上の空論に終わってしまいますね〜(笑)


さっきのAさんとのやりとりというのは普段教室で日常的に見られる場面の再現ですが、このやりとりには続きがあります。

A「う〜ん…そうですか…」

私「あんまりピンときていないようですね。それならこうすればどうですか?」

A「あ〜ホントだ!随分長いですね。」


さて、私は何をしたのでしょうか?

答は簡単です。

Aさんが書いたものを手本と重ねてみたのです。

離れている両者を見比べているうちはなかなかその違いに気付かないAさんも、重ねてみればその違いは正に一目瞭然。

「なるほどね〜!」

となるわけです。

ただ見ているだけでは分からないというのなら、書いたものを適当に折って自分が書いた1画目が手本の1画目のすぐ側に並べられるようにしたり、両者を定規で測ってみたり、とまぁ、具体的な方法は何でも良いのですが、とにかく両者の違いが一目瞭然で分かるような、つまりは自分自身でも客観的な判断が出来るような工夫が必要なんですね。

ついでに言えば、その工夫によって、私の話も机上の空論とならずに済みますし(笑)

「なぁ〜んだ。そんな単純な事か。」

と思った人もいるはずですが、それなら皆さん、普段本当に「そんな単純な事」を当たり前の事としてやっていますか?

ホラ、怪しいでしょ?


確かに「工夫」などと大袈裟に言う程の事ではありませんし、

「こんな事までいちいち言われないと思い付かないのかなぁ…」

といった感じで少々ウンザリなのが私の本音です。

本音ではあるのですが、本人を目の前にしては言えませんし(苦笑)、多くの人が「そんな単純な事」をちっともやっていないというのが私の見てきた実情だったりするのです。

さぁ、皆さんも早速手本と重ねてみましょう。

ただ見ているだけでは気が付かなかった様々な事が見えてくるかもしれませんよ。

何だか最後は愚痴混じりになってしまいましたが、こんな話でも皆さんのお役に立てば幸いです。

それではまた。
----------------------------------------------------------
初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

nonbirishodo@mail.goo.ne.jp


定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:通信添削 書道
posted by 華亭 at 22:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
希望的観測でついつい筆をすすめてしまいますもので・・・連休あけのご多忙のなか、さらなるご指導に感謝申し上げます。
Posted by holy at 2012年05月09日 18:03
Holy様
こんにちは。

今回の話、当たり前に思える事を本当に当たり前の事としてやっているかどうか、といういつもの話の一例だと思います。

当たり前に思える小さな事が積もり積もって大きな違いになるのではないかと。

澄懐堂のお話、そのうちお時間のある時にでもお聞かせ下さい。

それでは。
Posted by 華亭 at 2012年05月10日 12:54
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック