2006年09月30日

字書(篆書の前に。その5)

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前回は、私が『金文編』を使い始めた途端、挫折した、というところまででしたね。


「篆書の前に」

と銘打って始めた話も、今回で既に「その5」になってしまいました。


以前

篆書は話が極めて厄介なので

と書きましたが、少しはその理由を感じていただけたでしょうか?


今回も退屈な話が続きますが、お付き合い下さい。


実際の金文銘の文字を一文字ずつ、『金文編』と『字統』で確認していくことにした私は、二玄社『中国法書選』をテキストにして、先ずは銘文をノートに一行おきに書き写しました。

最初に取り掛かったのは、文字数が多くて拓本で見る字画が比較的鮮明に感じられた『大盂鼎』だったように記憶しています。


一行おきに書き写してから、一文字ずつ『金文編』と『字統』でその字を探し、空けておいた一行にそのページが何ページなのかを書き込みました。

それと同時に、『金文編』には『字統』のページ数を、『字統』には『金文編』のページ数を書き込んでいきました。


こんな作業を丹念に進め、その間に、「その1」「その2」「その3」で紹介したような字書を、必要に応じて次々に揃えていったのです。


二玄社『中国法書選』に集録されている銘文全てを調べ終わった頃には、随分とそれらの字書を使う要領が掴めていました。


現在の私の字書がどうなっているかをお話しすると、これまで紹介してきた字書全てに、それぞれのページ数が書き込んであります。

つまり、例えばある文字を『字通』で調べると、その文字が『字統』では何ページなのか? 『金文編』では何ページなのか? 『段注』では何ページなのか? それらが全て『字通』に書き込んであるのです。

反対に、『金文編』から調べたとしても、当然全ての字書のページ数が『金文編』に書き込んであるので、すぐにどの字書のページにでも辿り着くことが出来ます。

極めてアナログな方法ではありましたが、全ての字書に於ける全ての収録文字に関して、一つ残らずリンクを張り巡らした、と言えば想像が付きやすくなるでしょうか。


その1」の中で

「『説文解字』を2冊、用途によって使い分けている。」

と書きましたが、それは、『字統』のページを書き込んであるものと、『字通』のページが書き込んであるものと、2冊あるからなのです。

ページ数を書き込むと言っても、当然それらは欄外や余白に小さく書き込むわけですから、書き込める量には限度があります。

『説文』の場合、そのスペースが僅かしかなく、仕方なく「字統用」と「字通用」を2冊別々にすることになってしまったのです。


「全ての字書にそれぞれのページ数を書き込む」

この作業をどうやって進めたかと言えば、話は単純で、『字通』に収められている文字を最初から一文字ずつ、他の字書でも探してそのページ数をそれぞれに全て書き込んでいったのです。

話は単純ですが、実際にやろうとすると、想像以上に地道で手間の掛かる作業でした。

でも、その手間を掛けたおかげか、全ての字書にページが書き込まれた時には、『説文』にも慣れ、他の字書もほぼ問題無く使いこなせるようになっていました。


このように書き込みだらけになった私の字書ですが、普段は『字通』を検索エンジンとして使い、そこで調べたページ数でそれぞれの字書のページに辿り着く、という方法で使っています。

これは『字通』の索引が最も充実しているということと、収録文字数が最も多いということが理由です。


篆書に対する感覚というのは、常日頃からその世界に触れ続けていないと、なかなか一朝一夕では自分の中に蓄積出来るものではありません。

篆書を扱う難しさとその苦労の大半は、実は

「書く以前の準備段階」

もっと具体的に言えば、

「字書を使いこなして字を調べる」

という部分にこそあると言って良いでしょう。


しかし、その難しさこそが、篆書を扱う面白さでもあるのです。


私が辿った道筋をみなさんにお薦めする気などありません。

もっと効率の良い方法もあったのかもしれませんが、私は私なりに試行錯誤しながら積み上げて身に付けた方法でした。

みなさんもみなさんなりの方法を探し出してみて下さい。


さて、「字書(篆書の前に。)」もようやく一通りのお話が出来ました。

次回では補足としてもう少しだけお話しさせて下さい。


それではまた。 

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

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誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。
ラベル:書道
posted by 華亭 at 09:04| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
書のことは全くわかりません。

でも時々読ませていただきます。

初めてSeesaaへ参加させていただきました。
私は洋画の紹介をしております。
よろしくお願いします。
情報の交換をさせて頂けましたらうれしいです。
よろしかったら下記のブログもご覧ください。
http://megami8.seesaa.net/
http://mixi.jp/home.pl
Posted by いごっそう at 2006年09月30日 10:58
こんにちは。

コメントありがとうございます。

私の洋画の知識は、「東洋画との比較対象として」程度しかありません(苦笑)

いごっそうさんのブログ、拝見させていただきましたが、私のとは大違い。

とてもキレイで、気が引けました(笑)

退屈な長話ばかりのブログですが、また覗きにいらっしゃって下さい。
Posted by 華亭 at 2006年09月30日 11:26
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