2006年09月28日

字書(篆書の前に。その3)

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前回は

字書(篆書の前に)その2

として、字源字典までお話しましたので、今回はその続きからです。


今回は本題とも言える字形字典についてお話します。

「我々素人向きの篆書の字書が無い」ということで、ここまでお話してきましたが、最も問題なのがこの字形字典です。

未だに決定版と呼べるようなものが存在しない為、お薦めするのも難しいのですが、ここでは私が普段から使っているものをいくつか紹介してみたいと思います。

ちなみに、簡便な内容のものについては別途あらためて紹介しますので、今回は我慢して下さい。


今回は全て一般の書店では入手出来ないものばかりです。

入手したい場合には「字書(篆書の前に)その1」で紹介した東方書店や内山書店のような、中国書籍を扱っている書店でお求め下さい。


1、『甲骨文編』孫海波
2、『続甲骨文編』金祥恒
3、『金文編』容庚
4、『金文続編』容庚
5、『古文字類編』高明
6、『漢語古文字字形表』徐中舒

『甲骨文編』『続甲骨文編』は書名のとおり甲骨文の字書です。

『続甲骨文編』は書名からすると『甲骨文編』の続編のようですが、全く別の本です。

『金文編』『金文続編』は名前どおり本編と続編に相当する内容で、この2冊を合冊したものもあったと思いますが、私は別々に揃えました。(揃えた当時、合冊されたものがあることを知らなかった)

ちなみに今回紹介している字書の中で、私が最初に買ったのは『金文編』でした。


以上は甲骨文や金文についてそれぞれそれだけを専門に扱ったものですが、『古文字類編』『漢語古文字字形表』は、甲骨文から金文までを扱っています。

「それなら『古文字類編』か『漢語古文字字形表』だけで十分じゃないか」

と思われるかもしれませんが、『古文字類編』『漢語古文字字形表』は、1〜4までと比較すると、収めてある字形が非常に少なく、内容的には

「取りあえず一通り」

程度でしかありません。

甲骨文から金文までの変化に於ける大まかな全体像を把握するには便利ですが、もう少し細かく調べようとするとすぐに役不足になります。

とは言え、最初から1〜4を揃えるのも大変でしょうから、取りあえず『古文字類編』か『漢語古文字字形表』を揃えてみて、使っているうちに物足らなくなったり不便を感じるようであれば、1〜4を揃えるというのも一つの方法かもしれません。(私の場合は反対に5、6を最後に揃えました)


これらの字書は、今日使われている一般的な漢和辞典などと違い、使うのにも慣れが必要です。

というのも、文字学関連の字書の場合、字の配列が『説文解字』の順になっている場合が多いので、『説文』に触れたことが無い人の場合、どこにどの字があるのか全く分からないからです。

『説文』の部首は現在の漢和辞典の部首とは全く異なるものなので、慣れるまでは、その字がどの部首に収められているのか、という見当がなかなか付かないのです。

慣れてしまいさえすれば、どの字書も同様の配列になっているので、反対にとても便利になるのですが、初めはかなり戸惑うと思います。


それでも大抵は索引(検字)が付いていますから、何とか調べることは出来るとは思いますが、この索引というのが実は厄介で、画数索引などはあまり信用できません。

信用できない、などと言うと語弊があるので補足しましょう。

画数索引を作るためには無理矢理全ての文字を楷書化する必要があります。

ところがこの際、どういった形で楷書化するのかのよって、画数が異なってしまいます。

自分のイメージにある楷書と違う形で画数索引に収められている場合、いくら探してもその字は見つからない、ということになってしまいます。


更には字書によっては見出し語が楷書ではなく小篆になっていますので、小篆を知らないと

「やっと索引で目的の字を見つけたのに、該当ページの中のどれが目的の字なのかが分からない」

なんて事にもなりかねません。


これまたいつもどおり

「習うより慣れろ」

の世界なのですが、それではあまりに不親切でしょうから、次回は、これらの字書を揃え始めた頃の私が、一体何から始めたのかをお話してみたいと思います。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

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誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

posted by 華亭 at 06:35| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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