2012年01月08日

禁止令

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今回は、普段私が教室で初学者の方に教えている時によくある話です。


私の教室では、その日教室で練習した事を次回までに自宅でも練習してきてもらいます。(普通かな?)

その際に私がよく言うのが、

「筆の使い方について『あれっ?』と思ったら、必ずそこで練習を止めて、それ以上は絶対にやらずに次回まで放ったらかしにしておいて下さい。」

という話です。

つまり、「練習禁止令」です。

先生が「練習するな」と厳命するのですから、いつもながら極論ですよねぇ(笑)


例えば楷書の筆法、まぁ何でも良いのですが、例えば転折の部分の筆使いが分からなくなってしまったとします。

ここでの「分からない」とは「分かっちゃいるけど上手くいかない」という状態の事ではなく、「あれ?どうやるんだっけ?」と本当に分からなくなってしまった状態の事です。


この状態で分からないまま無理矢理「こんな感じだったかな?」と練習を続けてみても、初学者は大抵の場合、全くの見当違いの自己流で筆をこねくり回してしまうのがオチですし、更にそのまま間違った練習を続けてしまうと、その自己流が悪癖として体に染み付いてしまいます。

悪癖というのは染み付いてしまうまではあっという間ですが、一度染み付いてしまったそれを払拭するのは容易な事ではなく、それは皆さんが思っているよりも遥かに困難なものだという事を肝に銘じておいた方が良いでしょう。


こうなると話は極めて厄介で、正しい筆法を覚えようとしても、染み付いてしまった悪癖が邪魔をしてなかなか話が進まない、という難題を抱えてしまう事になります。


これはこのブログでお馴染みの(笑)勝手な自己判断(本人にはその自覚が無いのですが)をしてしまいがちな人の場合、特に起こりやすい問題と言えるでしょう。

そんな事になってしまわない為にこその

「練習禁止令」

なのです。


当然の事ながら、初学者には自分が正しい練習が出来ているかどうかの判断が付きません。

正しい練習が出来ているかどうかの判断が付かないという事は、裏を返せば、間違った練習をしてしまっているかどうかの判断も付かないという事であり、仮にそのまま間違った練習を続けてしまったとしても、本人はそれを自覚する事が出来ません。(間違った練習をしているという自覚を持ったまま間違った練習を続ける人などいないでしょう。)


「間違った練習をしているという自覚が無い」

というのは、実は最も危険な状態なんですよ。


ですから、「あれっ?」と思った時にはいっその事、練習自体をストップしてしまう方が賢明なのです。


「あれっ?どうやるんだっけ?」

という感覚は、間違った練習に足を踏み入れてしまうかどうかの分かれ道に立ったという事を知らせてくれているサインなんですね。


ところがですねぇ…

私の言う事を聞いてくれない人、少なくないんですよねぇ(苦笑)


「もっと練習しなさい」と言われると、何だかんだと言い訳ばかりでちっとも練習しないくせに、「練習しちゃダメ」と言われると練習してくるというのは、一体どういう事なのでしょう(笑)

尤も、そもそも勝手な自己判断をしがちな人というのは、基本的にこちらの話に対して馬耳東風なので(これまた本人にはその自覚がありません。)、私の言う事を聞いてくれないのはいつもの事なのですが。


このブログで度々書いてきましたが、私は正しく(この場合の正しいの概念についてはここでは触れません。)書けているかどうかではなく、正しい練習が出来ているかどうか、についてしか問題視しません。

間違った練習をいくら重ねてみても、正に百害あって一利無し。

「間違った練習ならしない方がまし」

というのが私の考え方ですし、間違った練習をしているという自覚の無いままに無駄に筆を持つ時間を費やして

「いや〜、今日も練習頑張った!」

と誤った自己満足に浸って「練習したような気分」になってしまうくらいなら、

「分からない」

と、自分が出来ていないという現状をはっきりと認識出来ている方が、遥かに健全な学習状態です。

その意味では今回の「練習禁止令」はその健全性を保つ為の典型的な処方箋と言えます。

この処方箋、私の指導方針を端的に示したものかもしれませんが、皆さんにとってはなかなか納得し難いもののようですね。


実はここ2〜3カ月、教室である人にこの辺りの話をさんざん口を酸っぱくしながら繰り返し繰り返し話して聞かせているのですが、その人ときたらいまだに

「はぁ…そうですか…」

と、何とも歯切れの悪いリアクションしかないまま、間違った自己流の練習を続けてきてしまいます。


「も〜っ!イライラするっ!!何回繰り返し同じ事話せば分かるんだっての!!アホかっ!!」

と、まさか本人を目の前にして言うわけにはいかないので、実のところ今回はその憂さ晴らしなのでした(笑)

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 04:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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