2006年09月15日

まがいもの

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今日、ネットで何気に『孔子廟堂碑』を検索していたら、嫌なものを見た。

「まがいもの」

つまりはにせものである。

しかもこれ程のまがいものをみたのは久しぶりだ。


このまがいものは自分のことを一人称代わりに「書家○×」と呼ぶ。

そして、「楷法の極則」と自分の書とのつながりを朗々と書き連ね、自分の「臨書作品」とやらをブログに公開している。

ブログだけではない。

このまがいものは御丁寧にもたいそうなHPも開いていて、そこには更に大量の「臨書作品」とやらを並べ、その素晴らしさとやらを喧伝し、悦に入っている。


正直、吐き気がした。


このブログを最初から読んで下さっている方ならば、たとえブログやHPにアップされているような小さな画像であっても、その「臨書作品」とやらが、まがいものであることが分かっていただけるはずだ。

この場でそのブログやHPを暴露するのは簡単だが、この「書家○×」氏一人を糾弾してみたところで、世の中にはこんな輩は掃いて捨てるほどいるのだろう。


「本当に本物かどうか」

なんてことよりも

「本物であると周りに信じ込ませることが出来るかどうか」

の方がよっぽど重要になってしまっている世の中である。

「自分が本物であると周りに信じ込ませること」が上手い人間が、「本物」としてまかり通る。

そんな世の中だ。


恐らく、この「書家○×」氏自身、自分がまがいものである事に、全く気付いていないのだろう。


哀れなことに、こんなまがいものにも、それを本物と信じて先生と呼び、「書」とやらを教えられている門下の人達が大勢いるらしい。

そんな門下の人達には、まったく同情するしかない。

「同情」とは言ったが、私なりの正直な意見を言えば、こんな「まがいもの」を「本物」であると見誤った側にも問題はあるわけで、自分自身の見る目の無さを恨むより他はないだろう。

「馬鹿を称える大馬鹿者は、世に絶えることなし」

という言葉を聞いたことがあるが、残念ながらまったく言い得て妙である。


ところが世の中というのは上手く出来たもので、こういうまがいものを信じてしまう人間というのは、自分がまがいものを掴まされているということには最後まで絶対に気付かない。(まぁ、途中で気付くような目があるのならば、最初から見誤ったりしないのだろうが・・・)

そして気付かないまま、気持ち良く「勉強している」ような気になりながら、時が過ぎていく、といった感じである。


「そんなこと言っても、最初に入門する時は誰しも書の素人なんだから、見極めなんて付くわけがないでしょ」

と思うかもしれないが、話は書に限ったことではないのですよ。

例え書の素人であろうと、目の前の人間が本物かどうか、それを見極める目があれば、それで済むのだから。


人でも物でも、本物が放つ「匂いのようなもの」というのは、全て共通している。

「匂いのようなもの」という言葉を「雰囲気」という言葉に置き換えると、少し想像しやすくなるだろうか?


このブログで数回「博物館、美術館に行こう」と題した記事を書いた。

私自身、書に限らず様々な分野に亘って、暇を作ってはあちこちの博物館や美術館に足繁く通い続けてきたのだが、それは、この「匂い」を嗅ぎ分ける嗅覚とでも呼ぶべき感覚を磨くために他ならない。

そして、このブログを読んで下さっている方達にとって、自分自身の嗅覚を磨くための一助になれば、と思ったからこそ、このブログを始めたのです。


悲しい事だけど、世の中からまがいものを無くす事など出来ないのだろうと思う。

しかし、そんなまがいものを本物と見誤ってしまわないように、そして、自分自身がそんなまがいものになってしまわないように、自分の嗅覚を磨き続けることは出来るはず。

そう思いながら今日まで筆を持ち続け、生きてきた。


みなさん、一緒に磨き続けませんか。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。
ラベル:書道
posted by 華亭 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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