2006年09月03日

博物館、美術館に行こう。その4

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前回は『書道博物館』でした。

今回は『三井文庫』です。

『三井文庫』

と書きましたが、収蔵品の展示を行っていた『三井文庫別館』は平成17年、『三井記念美術館』と名前を変えて、西武新宿線の新井薬師から日本橋へと移転しています。

但し本体自体が『三井文庫』であることには変わりがないので、ここでは『三井文庫』としてお話します。

ちなみに私は新しい『三井記念美術館』にはまだ行ったことがありませんので、ここでは収蔵品についてお話します。


ここはその名前どおり、旧三井家の収蔵品を収めた施設です。

旧財閥系の収蔵品をもとにした施設としては『三井文庫』の他に、三菱系の『静嘉堂文庫』や、住友系の『泉屋博古館』などがありますが、どこも素晴らしい内容を誇っています。


余談になりますが、個人の収蔵品をもとにしている美術館・博物館は数多くありますが、中には所謂成金趣味を感じてしまうような施設もあります。

優れた施設の収蔵品には、例え収蔵品の分野が多岐に渡っていたとしても、その根底には収集者の一つの共通した価値観のようなものが垣間見えるものですが、成金趣味を感じさせるような施設の場合、そのようなものは皆無で、「本当の価値もよく分からずに、金にものを言わせて手当たり次第にあれこれ買い集めた」という印象が滲み出てしまっています。

ここで具体例を挙げてしまうことは避けますが、私はそういう施設には二度と足を運ばないことにしています。

その点、旧財閥系の施設の場合、そういう感覚は皆無なので、とても気持ち良く観覧出来ます。

一言で言えば、「見せびらかす」という雰囲気が全く無いのです。

この違い、根っからのお金持ちだからこその余裕なのでしょうか(笑)


話を戻しましょう。

『三井文庫』は拓本好きの人にはたまりません。

『孔子廟堂碑』の唐拓弧本や、『石鼓文』の拓本として恐らく最も有名な三本である『先鋒本』『中権本』『後勁本』をはじめ、多くの弧本や善本を収めています。

移転前の『三井文庫別館』はとても小さな施設だったので、これらの拓本がガラス越しにほんの20センチ程の距離で見ることが出来ました。

『三井文庫別館』の当時は常設展示施設ではなかったのですが、これらの拓本が展示されていた期間中には幾度と無く足を運んで、その質感を目に焼き付けたものでした。


拓本以外のコレクションも極めて優れています。

国宝に指定されている『藤原定家筆 熊野御幸記』をはじめ、日本書道史上の名品も数多く揃えていますから、「中国物はあんまり・・・」という人でも楽しめると思います。


書道関係以外では茶道具のコレクションなども楽しめるのではないでしょうか。

私は『三井文庫別館』で国宝の志野茶碗『卯花墻』を見たことがありました。

以前このこのブログで書きましたが、私の場合、日本人と中国人の造形感覚の違いをはっきりと認識できるようになったのは、書からではなく、陶磁器からでした。

その違いを認識区別出来るようになった後、自分の中にも日本人としての造形感覚が強く根付いている事に気付き、それに反発するように中国人の造形感覚への強い憧れを抱くようになりました。

その頃に目にしたのが『卯花墻』でした。

一目見た途端、その美しさに引き込まれるとともに、その美しさがすぅ〜っと自分の中に馴染んでいく自分自身の感覚にやりきれなくなったことを良く覚えています。

「この美しさを何の違和感も無く感じることの出来る自分」にうんざりしたのです。

『卯花墻』は日本人の美意識の一部分を凝縮したような茶碗です。

機会があったら是非一度見てみてください。


今回は脱線が多くなりましたがこの辺で。

次回は今回も少しだけ触れた『静嘉堂文庫』です。


それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。
posted by 華亭 at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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