2011年10月12日

非日常への思いやり

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書とは全然畑違いの長話です。

今年の5月頃、仕事で長年使っていたノートパソコンが遂に壊れてしまいました。(ホントに長い話なので、興味が無いと思った方はここで止めておいて下さいね。)

もう随分長い間使っていたパソコンで、搭載OSがWindows95からバージョンアップした98だったと言えばどれ程古かったか分かると思います。

一応ダメ元でメーカーに持ち込んでもみましたが、交換部品の保持期間などとっくに過ぎている事を理由とした「直しようがない」という予想通りの回答。


まぁ、早い話が再起不能ですよ。

以前からあちこちガタがきていたのは承知してはいたものの、本当に駄目となると大ショック・・・

正直途方に暮れました。


このパソコンでは、教室の会員の住所や電話番号などの基本的な情報の管理は勿論の事、競書の段・級位や昇級の管理、更には青色申告の為の税務会計処理などを行っていました。

問題は、それらを行っていたのが「市販のソフトウェア」ではなく、Access97をデータベースエンジンとしてVBAで自分でコーディングした「自作のソフトウェア」だった事です。(チンプンカンプンの人、ごめんなさい。)


幸い、いつか来てしまうであろうこの時の為にこまめにバックアップは取ってあったので、自宅用のパソコンに最新バージョンのAccessを入れて(仕事用のパソコンを新しく買うお金など無いので)、その上でバックアップしてあった自作のプログラムが走るようにデータと共に移植する事にしたのですが、何と言っても元のプログラムはAccess97で書いたものですから、最新のAccess2010とではバージョンが違い過ぎます。

果たしてそのまま移植可能なのかどうかすら分かりません。

かと言って最新のAccessでまた1から作り直すのでは、今の私にとって心身共に余りにも負担が大き過ぎます。


で、あれこれネットで調べたところ、何とAccessのバージョンの問題の前に、Windowsの問題がある事が判明。

問題の詳細はバッサリ割愛しますが、結局、先ずは自宅用のパソコンのWindows7にXPモードをインストールし、その上でAccess2010にAccess97のファイルを読み込ませてバージョンをコンバートしてから、プログラムコード上で修正が必要になる部分を書き直す、という何とも面倒臭い手順を経る事で、何とか解決出来るのではないかと見当を付けました。

この時点ではAccess2010にAccess97のファイルを読み込ませる事が出来ると確信していたわけではなく、あくまで希望的観測にしか過ぎませんでしたが、出来ると仮定しないと話がどうにも進まない事に苛立ち、「やってみるより仕方がない」といった感じで見切り発車する事にしたのです。


さて、おおよその見当を付けたところで実際に作業を進めてみたところ、ここに書いた以外にもハード面ソフト面共に様々な問題が次から次へと重なり合ってしまった為、厄介極まりない状態を一つ一つ慎重にクリアしていかざるを得ず、しかも通常の仕事や日常の用事の時間をこの問題解決の為に割くわけにはいきませんから、睡眠時間を削って毎日フラフラになりながら少しずつ作業を進めるはめになりました(泣)

不幸中の幸いだったのは、多少の設定の変更こそ必要だったものの無事にAccess2010にAccess97のファイルを読み込ませる事が出来た事と、最も心配していたコード上の修正が覚悟していたよりも遥かに少なく済んだ事でした。


それでも移植したプログラムとデータがようやく以前と同じように仕事で使えるような状態にまでなった時には、何と既に9月ですよ。(一体何度徹夜した事か。ホントにウンザリです。)

但し、申告関係の方のソフトについてはまだ殆ど手付かずで、ちょっと見たところそちらの方はかなりの修正が必要になりそうです(汗)

まだまだ悪夢は覚めそうにありません・・・


ところでこの悪戦苦闘の間、私を最も悩ませたのが、「頭の使い方」の感覚がなかなか取り戻せない、という問題です。

コンピュータに関わる事で、しかも内容がプログラムにまで及ぶような場合、現在の普段の私とは「頭の使い方」が大きく異なります。

記憶の引き出しの使い方が違うと言えば良いかもしれません。

私は元々頭の使い方が器用ではないので、プログラムをいじるとなると、自分の中での感覚が切り替わらないと駄目なんですよ。


これまでにも自作のプログラムにバグ(不具合)が見付かった時には、自分で書いたプログラムを自分で修正するという事が時々あったのですが、その度に「頭の使い方」の感覚を取り戻すのに苦労してきました。

ある専門的な世界から何年も離れていると、久し振りにその世界に触れようとした時に知識や技術がひどく錆び付いているのは当然の話ですが、私の場合それ以前に、「頭の使い方」の感覚を取り戻すのに四苦八苦する事になります。


具体的に言えば、頭の使い方の感覚が戻らないと、自分で書いたプログラムなのに何をやっているのかチンプンカンプンなんですね〜(苦笑)

作った当時は知識も技術も今の私程には錆び付いていませんでしたし、とにかくそっちモード全開でかなり気合いを入れて作ったものですから、今の私がたまにちょっと覗いた程度ではち〜っとも理解出来ません。

一時的にであれ、頭の使い方の感覚をその世界にどっぷり浸らせてしまわない事には、全くと言って良い程に内容が頭に入ってこないのです。

散々苦労して内容を思い出し、理解し直しては、

「俺ってよくこんなややこしい事をスラスラやってたよなぁ。」

と他人事のように心底感心するのですから困ったものです(笑)


そんなこんなでようやく「コンピュータ用の頭の使い方」に馴染んできた頃には、大抵の場合何とかバグも潰れて(修正されて)います。

バグさえ潰れてしまえばこっちのもの、それ用の頭の使い方を維持しておく必要など無くなってしまいますから、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」の如く、頭の使い方の感覚もすぐに元に戻ってしまいます。

結果、バグが見付かる度に毎回同じような苦労を繰り返すという、至極残念な私なのでした。

今回のトラブルはその苦労の度合いがとんでもなく桁外れだったんですね。


さて、ここから急に(無理矢理)話を書に振り向けます(笑)

今回の騒動(私にとっては正に騒動以外の何者でもありませんでした)の間、ふと、ある考えが頭に浮かびました。

それは

「教室に来ている人達にとっては、書の世界に触れるという事はこれに近い感覚なのかもしれない。」

というものです。


久し振りにその世界に触れた今回の私と、普段は馴染みの無い書の世界に時々触れる皆さんと、状況的には似ているのではないか。

そう思ったのです。

つまりは「日常」と「非日常」との違いです。


だとすると、私の場合は少なくともある時期その世界に暮らし、それが日常となっていたのですから(初耳でしたか?)、話はまだ「思い出せない」とか「思い出した」で済みますが、皆さんの場合、思い出すも何も、そもそも思い出せるだけのものが無いのですから(酷な言い方でごめんなさい。)、状況としては余計に難しいものとなるはずです。


今回長々とパソコンのトラブルについて書きましたが、皆さんにとってはそれを延々と読まされるのと、王鐸についての話をあれこれ聞かされるのと、感覚としては大差無いのではないかと。

もしそうならば、これまでの私は皆さんに対して少々辛口に過ぎたのではないか?

馴染みの無い(薄い)非日常的な世界に触れた時に感じる違和感や戸惑いについて、もっと思いやりがあってしかるべきだったのではないか?

と思い始めたのです。


その昔、大学を卒業後、パソコンになど指一本触れた事のないままソフトウェア開発関連の会社に就職するという暴挙にでた私は、入社後の新人技術研修で大きな衝撃を受けました。

それは私に「ここは地球とは違う惑星か?」とすら思わせる程に強烈極まりないものでしたが(苦笑)、あの時に私が感じた違和感と戸惑いと居場所の無さとが混沌としたような息苦しいまでの感覚を、もしも皆さんも感じる時があるのだとしたら、どうにかしてそれを払拭する事こそが、私の役目なのでしょうし、その為にも、私はあの時の感覚をこれから先も決して忘れてはいけないのでしょう。(本当は思い出したくもないのですが。)


とは言うものの、そもそも何をどう思いやれば良いのやら、それが分からず、そんな事を考えていたら、段々と自分がひどく馬鹿に思えてきて、どうにもやりきれなくなりました(苦笑)

それでも今の心境をここにこうして記しておく事によって、自分への宿題としての意識を自分の中に少しでも定着させる事が出来るのではないかと思い、皆さんにとっては退屈な長話になる事を承知の上でダラダラと書いてみました。


「それなら別にパソコンのトラブルについての話まで長々と書く必要は無かったんじゃないの?」

と思うでしょうが・・・


どれだけ大変な目に遭ったのか、それをとにかく誰かに聞いて欲しかったんです!(笑)

皆さんには何の役にも立たない話でごめんなさい。


今回はここまで。

次回はちゃんと書に関係した話にしましょうね。

それではまた。


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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 01:12| Comment(3) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
パソコン故障による御苦労、ただただ遥かにお察し申し上げます。そして先生の御健康をひたすらに案じます次第。
ところで記事によりますと、先生はもともとパソコン好きな方ではなかったのですね。わたしは、ウィンドウズが導入されるまでは、パソコンといふかワープロに抵抗活動を行ってましたもので。(当時、高校ob先生のワープロ・横書き反対の論陣がことさらに頼もしく思へました!)
日常にいち早く無事に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。
Posted by holy at 2011年10月17日 13:33
holy様
いつもコメント有難う御座います。

入社するまでパソコンはおろか当時のワープロ専用機にすら全く触れた事がありませんでしたよ。
私にとってはパソコン初体験イコール仕事でしたから、いまだにパソコンは「仕事の道具」という感覚ですね〜

因みに、元々は非常に感覚的で感情的だった私が今の私のように理屈っぽくなったその原形を作ったのは、恐らくは子供の頃からのシャーロックホームズ好き(笑)ですが、その朧気な原形を決定的に具体化したのがソフトウェア開発の仕事だったのは間違いありません。
仕事とは恐ろしいものですね(苦笑)

Posted by 華亭 at 2011年10月18日 02:08
お忙しいなか、お返事頂戴し、どうも有り難うございます。お話によれば少年時代、シャーロックホームズ好きでいらしたとのこと。わたしは、大学の頃、江戸川乱歩の耽美的世界に憧れてゐました。文字通り、非日常世界といふことで。今はただただ、現実に生きるのみ。(書道もまたわたしにとっては、職業柄、日常世界です)
Posted by holy at 2011年10月18日 10:14
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