2006年08月26日

技術って本当にいらないの?

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今回は技術について考えてみたいと思います。

これまた話は書道に限ったことではありませんが、技術とは一言で言えば、

「自分の中にあるイメージを具現化するための道具」

ということだと思います。


「今の書道は技術偏重が行き過ぎて、書いている人の個性、顔が見えてこない」

というような批判がありますが、実はこのような批判は何十年も前からあります。

この批判自体は間違ったものではないと私も思いますし、私自身も肝に銘じておかなければいけない話だとも思っています。


どうしてこのような状態になってしまったのか、ということについては、話がそれたまま戻ってこれなくなってしまうので、今回は触れません。


今日、問題にしたいのは、上記の批判と一緒に語られることの多い、

「たとえ技術的な部分は破綻していたとしても、もっと自分の思うがままに、感じるがままに書くべきだ」

という考え方です。


この考え方自体についても、私は頭ごなしに否定するつもりはありません。

それでは何が問題なのか。


それは、このような考え方を、習い始めて間もない人達にまで当てはめて語ろうとすることです。

メディアに登場しているような立場の書家が、このような考え方を口にしている場面を今までに何度か目にしていますが、これは、私の考えとしては絶対に間違っています。


彼らは既に一般的に書道を学んでいる人達には到底習得不可能なレベルの技術を身に付けています。

前回も書きましたが、一般的に教室で学んでいる人達が、本気で練習を積んできた人間の技術的レベルに追い付くなどということは、一生かけても出来るものではありません。

それ程大きな差があるのが現実です。

おかしな例えですが、九九を覚えたての小学生と数学者ほどの差がある、と言えば想像がつくでしょうか。


それほどの極めて高い技術を習得した人間が、その上で更に

「重要なのは技術ではない」

と言っているのです。


ところが、一般的な人達がこの言葉だけを単純に捉えてしまうとどうなるでしょうか。

「技術なんてどうでもいいんだ。好きなように書きさえすれば、それが書なんだ。個性なんだ。」

という、非常に短絡的な答えになってしまいがちです。


このブログで以前、一本の線の重要性を、バイオリンの音に例えた事がありましたが、まともな音を出すことすら出来ないまま、

「技術なんて必要ない。これが音楽だ。これが個性だ。」

と、好き勝手にギーギーやられたら、どうですか。


たしかにギーギー騒音を立てているだけの中にも、無理やり個性を探し出そうとすれば出来ないことではないのかもしれません。

おとなしい性格の人はおとなしめにギーギーやるでしょうし、思い切りのいい人は思い切りギーギーやるでしょう。

でも、そんなものは音楽ではありません。


書もそれと全く同じことです。

技術は絶対に必要なんです。


今回はここまでにします。

次回もこの問題について引き続き考えてみましょう。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。
posted by 華亭 at 09:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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