2011年05月22日

考えてみれば単純な字間の話。

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今回の話は前回何となく保留にして終わってしまった字間についてもう少し考えてみましょう。

具体的には字間が詰まり過ぎてしまうという状況について考えてみます。

内容的には前回の右上がり不足の話と非常に近い部分がありますから、前回を未読の方は先にそちらをお読み下さい。


とりあえず分かりやすい例として漢数字の「十」という字を挙げてみます。

「十」は横画から書きますが、その入筆位置が問題です。

先ず1画目横画を書いたとして、次の2画目縦画の入筆位置は当然の事ながら1画目横画の入筆位置よりも高くなりますよね。

そしてその縦画の入筆位置が「十」の外形で最も高い位置にもなります。

つまり、2画目縦画の入筆位置が、上の字との字間を決定する事になります。

話にすると何だかやけにややこしいですが、要は1画目横画の入筆位置が高過ぎると、2画目縦画を書こうとした時に、否応なしに上の字との字間が詰まってしまうのです。

つまり、1画目横画の入筆位置を決める時、2画目縦画の入筆位置と、更には上の字との字間をしっかり見越した上で、十分に下がった位置に入筆しなければならないのです。


ここまでの話を読んで

「当たり前でしょ。」

と思う人は少なくないのかもしれませんが、「十」なら当たり前と思えても、全ての字に於いても同様に「当たり前」として済ませられますか?


今回の問題が起きるのは、1画目入筆位置以外の部分が、その字の外形で最も高い位置になる字の場合です。


例えば「時」では、外形で1番高い位置になるのは旁の「寺」部分の2画目にあたる縦画の入筆位置ですが、ここでもやはりその位置をしっかり見越した上で、偏の「日」の1画目縦画の入筆位置が決められるかどうか、という話です。

偏と旁で構成されていて、1画目入筆位置よりも旁の最上部の位置の方が高いような字の場合、今回の問題は初学者でなくとも極めて頻繁に起こります。

偏と旁で構成されていなくとも、いくらでも例は挙げられますが、それこそキリがないので後は自分で考えてみて下さい。


今回の話も結局は前回の右上がり不足の場合と同様に、「書く前に」書き上がった字の全体像をしっかりとイメージせずに、何となく書き始めてしまう事がそもそもの原因ですね。


ところで今回の問題、手本を見ながら書く場合にはもう1つ、もっと単純な問題があります。
初学者には多いでしょうが、例えば半紙に6文字大で書く時に、手本も最初から半紙6文字大になっていて、そのままの大きさで書けば良いようになっている場合を考えてみて下さい。

今回の字間の問題を難しくややこしく考えたりする前に、すぐ隣に置いた手本の入筆位置と全く同じ高さに入筆すれば良いはずですよね。


ところがですね。

この単純な事が出来ない人が実に多いんです。


自分の場合を思い返してみて下さい。

大丈夫ですか?

ホントに大丈夫ですか?(笑)


これなどは「書く前に」よく手本を確認しておけば済む事の典型です。

初学者の場合、手本をよく見ているつもりでいても、実際にはただ見ているだけでなかなか本当の意味では見えていないものなのですが、「見えていない」というよりも「気付かない」という方が妥当かもしれません。

何れにしても、今よりもほんの少しだけ注意すれば気付く事が出来る部分というのもたくさんあるはずでし、その為にもいつもお話しする「書く前の意識」の密度を高める心構えが必要なのだと思います。

皆さん、しつこいようですが「書く前に」ですよ。

今回はここまで。

それではまた。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:通信添削 書道
posted by 華亭 at 20:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。
小学生の時以来の書道に触れ始めて1年ちょっとが経ちました。
今、ちょうど、練習している言葉が
『五風十雨』というものです。
五も斜めの線が曲者です。十にも引っかかりを
感じていました!!
このブログを読んでなるほど!!と思いました。
Posted by のの at 2011年08月12日 14:43
のの様

コメント有難う御座います。
返事が遅くなり申し訳ありません。(現在パソコンが故障中でして)

書の練習には、「同じ課題をじっくり何度も繰り返し練習する」という方法と、「色々な字を次々と書いていく」という方法と、その両方が必要になります。

この2つの方法のバランスが極めて重要である事は言うまでもありませんが、一般的な実情からすると、「次々と」という方法を実践するのはなかなか難しいのかもしれません…

自分では次に進むタイミングが分からないでしょうから。

ともあれ、「この課題を完璧に書けるようになってから次に」とは考えない方が良いですよ。

この辺の話、いつか改めて記事に書いてみますかね。

「ブログ放置してるくせに、いつかっていつだ?」と言われそうですが(汗)

酷暑が続きますので御身体御大事に。

それではまた。

Posted by 華亭 at 2011年08月15日 15:51
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