2011年04月27日

ブログを再開する前に

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是非とも書かねばならない事があります。


うんざりするような忙しさが続く中、何ヵ月もの間、このブログをアップ出来ずにいました。

「そろそろ再開させないと…」

と思いつつ、日々に忙殺され、ついつい先延ばしにしているうちに、あの日がやってきました…


そう、3月11日です。


先に申し上げておきますが、幸いにも私自身を含め私の家族や親類友人は皆無事でした。

私は東京に住んでいますので、震災後のガソリン等を始めとする一部の品物の極度の品薄状態や計画停電は一通り経験しましたが、それ以外の直接的被害は受けていません。


あの日以降、恐らく多くの人がそうであったように私も

「今、自分に何が出来るのか?」

という事を何度も自問し続けましたが、私に出来る事と言えば、せいぜい節電を心掛けるとか、買い物のお釣りの小銭を義援金の募金箱に入れるとか、その程度の事でしかなく、被災地で尽力され続けている方々の様子をテレビで見ては自分の無力さに情けなくもなりました。


そんな時、ある方からメールを頂いたのです。


その方はイギリス在住の日本人女性で(ここでは仮にNさんとお呼びします。)、以前からこのブログの読者として御感想のメールを頂いたりしていた方です。

そのNさんが、

「私に出来る事は何かを考え続けて、決めました。書のワークショップをやります。そしてそのワークショップへの参加費として頂くお金を全額寄付する事にしました。」

と言うのです。

Nさん自身、書の経験はあるものの、書を人に教えた事などありません。

そして

「ところが今の私には華亭さんしか知っている書の先生がいません。手本として適当なものを何か教えて頂けませんか?」

と訊ねられたのです。


私はNさんのこの話に飛び付きました。

「私が書いたもので良かったら、手本を書いて添付ファイルとして送りたいのですが。」

Nさんは私のこの申し出を快く引き受けて下さいました。

私はNさんと手本の内容について相談した後、早速書いて送りました。


つまり、私はNさんの志とその行動力に「便乗」させて頂いたのです。


「協力」などという言葉を使ったのでは、彼の地にありながら実際の行動の全てを起こしたNさんの志に申し訳が立ちません。

それでもNさんは

「あなたもこのワークショップの一員なのですよ。」

と仰って下さいました。


日本にいながら何も出来ずにいた私にとって、彼の地のNさんのお手伝いをさせて頂けた事で、「救われた思いがした」というのが本音です。

被災してもいない私が「救われた思い」というのも図々しい話ですが、本当にそうだったのです。

結果としてそのワークショップは大成功に終わり(実際には今でも続けていらっしゃいます。)、多くのイギリスの方々の善意が集まったとの事です。


書に携わる人生を選んだ者にとって、今回程に自分の書いたものが誰かの役に立てたと思えた事など一度たりともありませんし、それが今回程に嬉しく思えた事もありません。

Nさんには心から感謝しています。

勿論、ワークショップに集まってくれた多くのイギリスの方々逹にも。

本当に、本当にありがとう。


これからこそが、この国が本当に頑張らなければならない時なのだと思いますし、今回たまたま被災せずに済んだ私達こそが、その頑張りの主役になるべきなのだとも思います。

「今、自分に何が出来るのか?」

という自問は、これからもずっと忘れてはいけないと思います。


最後にNさんが送ってくれたワークショップの参加者の写真の一部を載せます。

ワークショップ1

ワークショップ2

被災地の皆さん。

イギリスにも皆さんの事を心から心配し、心を痛め、少しでも皆さんのお役に立ちたいと思っている人達が大勢いますよ。

今の皆さんに簡単に「頑張って下さい」などとは申せません。

頑張るのは私達の役目ですから。

只一つ、日本中どころか世界中の人達が、皆さんの事を思い、その思いをそれぞれの方法で形にしたいと願っているという事を、少しでもお伝え出来ればと思い、今回の内容としました。

このワークショップの事を書かないうちは、このブログを再開するわけにはいかないように感じていたので。


次回からはいつもの内容に戻ります。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

nonbirishodo@mail.goo.ne.jp


定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

posted by 華亭 at 10:30| Comment(11) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ、
久々の更新、とっても楽しみにしておりました。
そして読みなが胸がいっぱいになりました。

わたしものんびりと、そして気持ちを込めてお習字を続けたいなと思います。
Posted by COCO at 2011年04月27日 13:31
COCO様

コメント有難う御座います。

そして長い間、再開をお待ち頂き有難う御座います。

やっと再開出来そうです。

尤もこれまで以上に「のんびり」ペースになってしまうかもしれませんが、何とか細々とでも続けていきたいと思っていますので、宜しくお願いします。
Posted by 華亭 at 2011年04月27日 15:10
とてもいい話を紹介してくださり、ありがとうございます。
皆さんの笑顔を見て元気が出てきました。

そしてブログ更新、お待ちしていました。
のんびりと読ませていただきますので、
続けてくだされば嬉しいです。
Posted by 芝風 at 2011年04月28日 13:39
芝風様

コメント有難う御座います。

今回の記事、共感して頂き嬉しく思います。

このブログ、再開をお待ち下さっていた方々がいらっしゃった事を今回改めて知りました。

地味ながらでもしつこく続けますから(笑)

これからも宜しくお願いします。
Posted by 華亭 at 2011年04月28日 14:10
いきなり質問で申し訳ありません。
縦書きの起源について調べたんですが、納得できる説明が見当たりません。先生は縦書きについて何か考察を持っていらっしゃいますか? 
Posted by at 2011年05月03日 18:08
御質問有難う御座います。

早速ですが、物理的な問題ではないかと思います。

甲骨文字の殷代まで遡った時、亀甲や獣骨に文章(文字ではなく文章)を刻む際、卜占の内容上から左右対象に刻む事も多く行われましたが、亀甲の場合特に、見た目に左右対象とするには亀甲自体を縦向きにした方が理に適っていますし、縦にして縦書きする方が行を長く使えるという意味からも適していたでしょうから。

私見としては、甲骨文字や西周金文の時点ではまだ文字(文章ではなく文字)そのものの造形に縦書きを志向する姿をはっきりと見る事は出来ませんので、文字そのもののから縦書きの起源を考えるには少々無理があるかと思います。

といったところですが、如何でしょうか?

納得いかない場合にはまた御質問下さい。

Posted by 華亭 at 2011年05月03日 18:38
3・11以降、どうしたらいいんだろう。何ができるのか。何をするのが正しいのか。
私も焦りました。

素晴らしい写真と記事ありがとうございます。

この頃は日常に戻ることができましたが、先月ほどの焦りや悲しみを感じていないので、
人間とはどうしても慣れる生き物だなぁ。と感じております。

ついに書道始めました。
今後半年は毎日筆を持つつもりです。
楽しいです。同じ太さでさえ、なかなかひけない〜
「一」と「永」を毎回ウォーミングアップで書くようにしていますが、奥深いですね〜
Posted by みゆき at 2011年05月05日 12:47
みゆき様

コメント有難う御座います。

これから先、私達は日常をしっかり取り戻すべきなんだと思います。

そうしなければ頑張れないですから。

只その時、決して今回の事を忘れないように、という事なのではないでしょうか。

みゆき様も御自身なりの日常を元気に取り戻して下さい。

また御感想などありましたらどうぞ。
Posted by 華亭 at 2011年05月05日 16:25
お久しぶりです!!

素敵なお話をありがとうございます。

私はあれから、書道を義母に教えていただきながら少しずつやっています。
まだまだ、半紙に四文字の楷書を書いている
状態です。
お手本は5個くらい進んだかな?
というところです。
書道は楽しいですね。

また、少しずつ、記事を読ませていただきます。
Posted by のの at 2011年07月26日 08:07
のの様

お久しぶりです。
妹さんのお子さんは元気にお誕生日を迎えられましたか?

書は楽しんで続けて頂くのが何よりだと思います。

このブログはアップ出来ない状態が続いていますが、
近々再開出来たらと思っています。

記事の内容について御質問などがありましたら、
どうぞ御遠慮無く、コメントやメールでお知らせ下さい。
Posted by 華亭 at 2011年07月26日 19:21
妹の子供のことまで覚えていてくださったのですね。
ありがとうございます。
誕生日を迎えて、妹は復職となりました。
子供は楽しそうに保育園に行っているようです。
もう、歩くようになっていました。
Posted by のの at 2011年08月12日 15:01
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