2010年11月20日

大失敗

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1ヶ月程前の話なのですが、娘が通う中学校にちょっとした用事があったので行ったところ、廊下の少し離れた所を歩いていた校長先生が私に気付くなり、

「あっ!!丁度良かったわぁ!実は御相談したい事があるんですぅ!」(女性の校長です。)

と小走りにやってきました。(先生、廊下は走ってはいけませんよ。)


「何だ何だ!?何事だ?」

と戸惑う私の心中などお構いなしに、校長は私をそのまま校長室に連れて行こうとします。


私は用事があって来た事を告げ、用事を済ませた後で校長室で相談の内容をお聞きする事になったのですが、その話によると、その学校のPTAが何十周年だかの記念として(細かい話は興味が無かったので忘れてしまいました。)、校訓を書いた大きな額を学校に寄贈する事になったのだそうです。

そのような話になった時、校長の頭にふと私の顔が浮かんだらしく、近いうちに私に作品揮毫を依頼しようと思っていたところに、丁度良く(私にとっては運悪く)私が現れたらしいのです。


その時は超多忙な上に超厄介な問題を抱えていた時だったので、とにもかくにもお断りしたかったのですが、娘の事では日頃色々と御世話になっている事もあってそういうわけにもいかず(校長はそこまで見越した上で私に依頼してきたに違いありません。)、仕方無く更に具体的な話を聞く事にしました。


「ちょっとこちらに来て下さい。」

と校長室を出て

「あそこに掲げたいんです。」

と校長が指し示した場所を見ると、どうやら最低でも二八(二尺×八尺)を横にした程度の大きさが必要のようでした。

校訓というのが5文字なので、二八の横なら丁度良く収まりそうでもありました。


大体のイメージは浮かんだので、

「二八の紙ならこの前使った残りがまだ数枚あったはずだよな。それ以上の大きさの紙は今はうちに無かったような気がするし…二八に書くかな。」

などと考えながら、

「分かりました。近いうちに小さく書いた草稿を2〜3種類お持ちしますので、その中から選んで下さい。」

と、(渋々)お引き受けして帰ってきたものの、直ぐになど書く気も暇も全く有りません。

忙殺されているうちにそのまま2週間程が過ぎてしまいました。


「いつぐらいまでにお願いしますって言ってたっけかな?」

などと思いながらも更に数日過ぎてしまった頃、今度は副校長から電話がかかってきました。

「あのぅ、その後の状況はどのような具合でしょうか?」

早い話が催促の電話です(苦笑)

「ヤバッ!(汗)」

と内心焦りながらも、

「丁度こちらからお電話差し上げようと思っていたんですよ。そちらの御都合が宜しければ明日にでも草稿をお持ちしようかと思いまして。」

って、大嘘で〜す(笑)


「あぁ、そうでしたか!お忙しいところ申し訳ありません(喜)」

と明らかに安堵の声の副校長でしたが、まさか

「まだ全然手を着けていません。」

とは言えませんしねぇ(苦笑)


学校に来る皆が見る校訓という性格上、オーソドックスな方が良いだろうと考え、翌日楷書と行書の2種類の草稿を持っていきました。(電話の大嘘を本当にすべく、翌日持っていったんですよ。)

結果、校長の好みで(笑)行書に決まり、後は書くだけとなりました。

校長や副校長の雰囲気からして期日の猶予はもう殆ど無いようでしたから、どうせ書かなければいけないのであれば、ホントはその日の夜に書いて、翌日届けて

「ハイ終了!」

としたかったのですが、

「そんな簡単に済ませちゃって大丈夫なの?」

みたいに思われても癪なので、有り難みを持たせる為にも(笑)、敢えて数日待ってもらう事にしておきました。


さて、その日の夜、漸く(仕方無く)書く気になった私でしたが、先述のとおり二八の横に5文字ですから、この手のものは我が家の住宅事情から考えても、次から次へと何枚も書いてみるというようなわけにはいかないのです。

何と言ってもそれだけの大きさの字ですから、乾くまでには時間がかかります。

つまりは乾くまで何処かに掛けておくなり置いておくなりしなければならないわけですが、二八を何枚も広げたまま乾かしておけるような場所、我が家には何処探したってありゃしませんよ(苦笑)

しかもそのような大きさの字の場合、枚数を書けば書く程余計な事を考え過ぎたりしてどんどん字が萎縮していきがちです。

更には手元に有る二八の紙の枚数にも限りがありました。(紙の用意が充分に出来ていないなんて自慢になりませんが。)

出来れば1枚目で決めてしまいたいところです。

カッコつけて言えば、渾身の1枚を最初の1枚目で書かなければなりません。


「エイヤッ!」

とばかりに気合いを入れて書いた最初の1枚。

すると、なかなか良い感じではありませんか(喜)


狭い室内では遠くから眺めてみる事が出来ず全体のバランスが良く分からないので、デジカメで撮ってみて確認してもみましたが(そうすると遠く離れた位置から見た場合の様子がよく分かるからです。)、もうバッチリですよ。


「よっしゃっ!出来た!終了!」


今思えば、その時に気を抜いたのが失敗でした…

何が失敗だったのかって?



あのですね…



今書いた1枚を乾くまでそのまま置いておく事にして、作品を汚したりしないように周りの硯や筆を片付けようとしたその時!




蹴っ飛ばしちゃったんです…


硯を…



「あぁっっ!!?」

と思った時には正に「時既に遅し」、飛び散った墨で作品は台無しです(泣)


子供の頃、小学校の先生が遠足の度に

「家に帰るまでが遠足だからね。気を付けて帰るんですよ。」

と話していた事が脳裏をかすめます。

この時の私は正に、遠足を無事に終えた後の帰宅途中に不注意で事故に遭ったようなものでした。


とにかくこうなるともうダメです。

1度完全に切れてしまったテンションを再びカリカリに上げるのは容易な事ではありませんし、何より渾身の1枚を台無しにしてしまったショックが大き過ぎました。


それでも仕方無しに2枚目を書いてはみたものの、明らかに失敗でダメ。

3枚目は上手くまとめようとし過ぎて字が萎縮して全然ダメ。


「ヤバイぞぉ、これは…完全にハマりまくって脱け出せなくなるパターンだぞ…」

そう思った私は

「よしっ!次で最後だっ!」

と気合いを無理矢理入れ直し、4枚目に向かいました。


結果から言えば、その4枚目が何とかものになったので、それで終わりにしたのですが、それでもやはり最初の1枚には遠く及びませんでした。


その後、2日程してから学校にその作品を届け、額装についての表具店への指示をお願いし、私の役目は無事終了となりました。

恐らく今頃は額装も済んで壁面に掛けられているでしょう。

そのうちに何かのついでに仕上がりを見てこようと思っています。


それにしても今回は本当にバカな失敗をしてしまいました。

失敗も失敗、大失敗です。

人の失敗ならこれまでにも、せっかく書き上がった作品に印の向きを間違えて押してしまった人を教室で何人も見ています。

その度に

「あ〜あ、せっかく書き上がったのに。不注意だねぇ。」

などと思っていたのですが、まさか似たような、いや、それ以上の不注意による失敗を自分がしてしまうとは思ってもみませんでした。

皆さんもくれぐれも気を付けて下さいね。

作品が書き上がったからと言っても油断は禁物ですよ。


それではまた。


あ、そう言えば校長先生。

揮毫料、まだ頂いてないんですけど…

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。
ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 01:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
連日の更新、嬉しく拝見しています。
今回のことは大変でしたね。。。
でも最終的にはおさまったようで何よりです。

お父さんの作品が学校に飾られるって、
娘さんにとって誇らしいでしょうね☆
Posted by 芝風 at 2010年11月21日 19:34
芝風さん。
コメント有難う御座います。

今回は本当に参りました。
いつもこのブログでは偉そうな事ばかり書いていますが、実態はこの程度なんですよ(笑)

これからもなるべくアップ出来るように頑張りますので、また覗きにいらして下さい。
Posted by 華亭 at 2010年11月22日 10:13
☆祝!?再開!!☆

以前、メールをさせて頂いた事がありましたが、コメントは今回初めて書き込みました! 

私も今、丁度、所属している会の小作品展用の作品を書いています。先生から仮名用の素敵な紙を少し頂いたので、それを使って書こうと色々、試行錯誤中なんですが・・・ 
まさに限られた枚数。気をつけなきゃと思いました!
とっても旬な話をありがとうございました!(笑)

体壊さない程度に、"こまめに"更新頑張ってくださいね〜!!(プレッシャーーーー!?)
楽しみにしてま〜す☆




Posted by Kim-si at 2010年11月23日 01:57
kim-siさん。
コメント有難う御座います。
メール同様、コメントも大歓迎ですよ。

図らずも旬な話だったようで、反面教師として頂ければ幸いです。

こまめに更新、とまではなかなかいきそうにもありませんが(汗)、
何とか皆さんに忘れられてしまわない程度には頑張っていきたいと思いますので、
宜しくお願いします。

Posted by 華亭 at 2010年11月23日 07:10
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