2009年12月19日

体幹の重要性

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いや〜、またやってしまいました…

話を途中にしたまま随分とサボりましたね(汗)

「アップしなきゃ…」

と思いつつ、ついつい明日に先伸ばし、気にはなりつつもそのまんま。

まるで山積みの夏休みの宿題をやらないまま毎日を過ごしている小学生のような心境でしたよ(笑)


さすがにこのままでは年を越えてしまう、と焦りだし、今日のアップとなりました。


さて、言い訳はこのくらいにして本題にいきましょう。

前回まで「字の体幹」についての話をしていたんですが、皆さん覚えてますか(汗)

忘れちゃった人は前回までを読み返して思い出して下さいね。

それを踏まえた上でこれを見て下さい。

いきなりハイレベルな例ですが、徐々にいくよりも話が早いと思ったので。

『憶旧遊詩巻』ズレ無し


これは以前「試食」のカテゴリでも取り上げたことのある黄庭堅の『李白憶旧遊詩巻』からの一部です。(「空間交錯」の回参照)

この1行、1つとして真っ直ぐに書かれている字がありませんよね。


「確かにみんな曲がってる・・・」

という程度なら初学者の皆さんにもすぐに感じてもらえると思うのですが、分かりやすくそれぞれの字の体幹に赤い線を引いてみました。

『憶旧遊詩巻』線有り


この赤い線をよく見てもらうと、行前半は字の体幹が右に傾く事によって行が左に張り出すように流れ、「霞」の体幹の湾曲を境にして、行後半では字の体幹が左に傾く事によって行が右に流れ、その結果として行全体が湾曲しています。

水色の線が行全体の湾曲の流れを表したものです。


そして、その湾曲した行全体の流れを受け止める位置に、「上」が書かれているのです。

この「上」の位置が実に絶妙である事が分かるでしょうか?

これ以上右であっても左であってもダメで、それでは上からの流れを受け止める事が出来ません。


試しに「上」の位置をずらしてみたので比較してみて下さい。

『憶旧遊詩巻』左ズレ  『憶旧遊詩巻』右ズレ


上図2図のうち、左が「上」を左にずらしたもの、右が「上」を右にずらしたものですが、どちらも「樓」までの行の流れから外れてしまっていて、それまでの流れを受け止める事が出来ていないという事が分かるでしょうか。

行の流れが行き場を失っていると言っても良いかもしれません。

それ程にこの行に於ける「上」の位置は重要なのです。


今回の例の様に行を自由自在に湾曲させる為には、どうしても字の体幹が見えていなければなりません。

でなければ「上」を左過ぎず右過ぎず「正にその位置」といった位置に書く事など出来ませんし、そもそも、それまでの行の流れを作り出す事すら出来ません。

このような事を可能にする為には字の体幹に対する感覚を磨いていく事が絶対条件になりますし、それには前回までの話のように、先ずは真っ直ぐ書けるように努める中で、その感覚を磨いていく、という道程が近道なのではないか、と私は考えるのです。


例えばこの1行を臨書する事を考えてみましょう。

その際、上記のような字の体幹の変化や行の流れについてしっかりと見えているのかどうか、それが先ずは何よりも問題です。

これはいつもの話と同様に、実際に筆を持って書く前の段階の問題ですね。

それに気付かないまま只闇雲に臨書してみても、肝心な部分がすっかり抜け落ちたままになり、結局は書いた本人が「臨書したつもり」になっただけ、という結果になってしまいます。

それでは困りますよね。


どうですか?

字の体幹って大事でしょ。


今までこのような話は意識した事の無い人もいるでしょうが、今回を機会に是非是非、そのつもりで手本なり法帖なりを穴が開く程にじっくり観察してみて下さい。

それまで見えていなかった色々な事が見えてくる筈ですし、そこにはこれまであなたが気が付いていなかった書を見る面白さの一端といったものも隠れているのではないかと思います。


さて、今回の話で少しは「字の体幹」について分かってもらえたでしょうか?

年を越してしまう前にアップ出来てホッとしました。

やっぱり画像を使った説明は準備が面倒でキライです(苦笑)


今回はここまで。

次回は何の話にしましょうか。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:通信添削 書道
posted by 華亭 at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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