2009年11月18日

先ずは真っ直ぐ

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前回まで4回に亘り、「真っ直ぐ」というテーマで「如何に真っ直ぐ書くか」について考えてきました。

前回の最後にも書きましたが、皆さんの中には

「それにしても、いちいちこんな面倒臭い事を意識しながら書かなければいけないの?」

と思った人もいるでしょう。


元も子も無い言い方になりますが、いちいち意識しなくても真っ直ぐ書けるのであれば、あのような面倒な理屈など一切考える必要はありません。

私自身が書く時にも、あのような理屈は一切意識せずに書いているのですから。

「無意識のうちに意識している」

という方が適当かもしれませんが、とにかく理屈ありきで書いているのではありません。(「理屈って本当にいらないの?」の回参照)


しかし、仮に皆さんの中で、

「真っ直ぐに書きたい。」

と思っているにも関わらず、真っ直ぐ書けない人がいるのだとすれば、その人にとっては、先ずは理屈に則って書いてみるというのも物事の道程の一つだと思いますし、理屈を意識しなくとも書けるようになる為にするのが練習なのではないかとも思います。

その意味で、無味乾燥した極めて理屈っぽい内容になってしまう事を承知の上で、しかも技法的な内容はなるべく避けてきたこのブログで、敢えてあのような話を続けてきたのでした。


更に言えば、実はその先を見越した上での序章としての意味も込めていたのです。

実は「真っ直ぐ書く」というのは私の言いたい本当のテーマではありません。


本当のテーマとは、

「字の体幹」

です。


この「字の体幹」という表現、「都」の説明の時に1度だけ使いましたが、これは私が勝手に使っているだけで、そんな専門用語があるわけではありませんので念の為。


さて、この「字の体幹」に対する感覚は書体の別に関わらず、必ず体得しておかなければならない感覚です。

真っ直ぐ書く事の是非については触れずに前回まで話を続けてきましたが、実際のところ古典古筆を見てみれば分かるとおり、字一つをとってみても、以前「ずれてる?」の回でも見たように素直に真っ直ぐ書かれているものの方が稀だと言っても過言ではありませんし、只真正面を向いているだけに思える小篆のような書体ですら、この感覚が無ければ書いたものが真正面を向いてくれません。

ですからそれこそ古典古筆のように字を傾かせつつバランスを保ったり、行を左右に流したり、といった事が自由自在に出来るようになる為には、字の体幹を見極める感覚は必要不可欠なものになりますし、その体得の為の第一段階として私が考えるのが、「真っ直ぐ書けるようになる」という事なのです。


簡単に言えば、

「真っ直ぐにすら書けないうちにあれこれしようと思っても出来ないでしょ。」

というのが私の考え方です。


私はこれまで、筆圧や筆速を自由自在にコントロール出来るようになる為の道程の第一段階として、「同筆速同速度」という概念を繰り返し提案し続けてきましたが、「字の体幹」に於ける「真っ直ぐ書く」という事についてもそれと同様に、道程の第一段階として捉えて下さい。(私の理屈に於いて「字の体幹」と「同筆圧同速度」とは車の両輪のようなものと思ってもらえれば良いでしょう。)


ところがいきなり話が矛盾するようですが、「先ずは真っ直ぐ書けるように」とは言いつつも、真っ直ぐ書けるようになる事は真の目的などではありません。

「ここまで話してきて何を今更?」

と思うかもしれませんが、ここを誤解しないで下さい。

真の目的とはあくまで

「字の体幹を見極める感覚を体得する事」

であり、「真っ直ぐ書けるようになる」というのは、その感覚を磨く為の手段の一つに過ぎないのですから。


真っ直ぐ書く為には、前回までの話のように様々な視点や高密度の意識を持ちながら書かなければなりませんが、そのようにして真っ直ぐ書こうとするその行為自体が、あなたの「字を書く」という行為に於ける視点や意識を磨き、それが結果として字の体幹を見極める感覚を磨く事にもつながるのです。

それは丁度、「同筆圧同速度」で書こうとする事によって、筆をコントロールする為に必要な様々な感覚が磨かれるのと同じ事です。


確かにちょっとやそっとで簡単に磨けるようなものではありませんが、磨き続けなければいつまで経っても何も変わりません。

気長に、そして諦めずに磨き続けて欲しいと思います。


ところでここまで話してきて、

「そもそも『字の体幹』っていうのがどんなものかよく分からないんだけど。」

と思った人もいるでしょう。


しかしどんなものかを説明しようにも、それを見極める感覚が無い人に向けてのここまでの話ですから、本当のところ感覚が無い人には説明のしようが無いのですが(苦笑)、「何となく」程度でも分かって頂く為に、次回は少し実例を挙げながら見ていきたいと思います。


但し、準備が面倒な事になりそうで既に今から気が重いので(苦笑)アップまで時間がかかってしまうかもしれません。

気長にお待ち下さい。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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