2009年10月20日

美人董氏墓誌銘

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今回は前回の予告通り「臨書のすすめ 楷書」で、隋の墓誌銘の中から『美人董氏墓誌銘』を取り上げます。

前回テキストについて書き忘れましたが、いつも通り二玄社『中国法書選』を挙げておきます。


さて、この『美人董氏墓誌銘』ですが、前回『蘇孝慈墓誌銘』で触れた「刻からくる線の固さ」といった部分は殆んど見られません。(全く無いわけではありませんが。)

字粒は『蘇孝慈墓誌銘』よりも更に小さいですが、その用筆や結体は非常に繊細で、『蘇孝慈墓誌銘』がある意味一本調子な部分があるのに対して、その線一つとっても変化や抑揚に富んでいます。

変化や抑揚に富んでいる分、臨書するには難しいとは思いますが、書いていてとても面白いですし、「こんな字が書けたら」と思わせてもくれます。


『蘇孝慈墓誌銘』が歐・虞の魁ともされるという話は前回触れましたが、その結体や『蘇孝慈墓誌銘』程には強さを外に出さないところなど、虞に関してはこの『美人董氏墓誌銘』の方が近いものを見い出す事が出来るように思います。

いずれにせよ、この書が隋の墓誌銘の一つの頂点を示すものである事は間違いありませんし、『蘇孝慈墓誌銘』や『美人董氏墓誌銘』などの書が、初唐の楷書を導き出したと言えるでしょう。


これもやはり半紙4文字大か6文字大の拡大臨書から始めましょう。

文字数は『蘇孝慈墓誌銘』よりも少ないですが、字粒が小さい分、書く前の極めて詳細な観察が絶対条件で、『蘇孝慈墓誌銘』の時以上に注意しなければなりません。

以前何処かで話した仮名の先生の話ではありませんが、虫眼鏡を持ち出して、というくらいの意気込みで臨んで下さい。


その先にある原寸大臨書では、更なる神経の細やかさが必要になります。

余程心してかからないと、「只何となく書いている」といった程度にしかならないでしょうから、そのつもりでいきましょう。


話が少し逸れますが、墓誌銘の実物については東京の台東区にある書道博物館でその幾つかをガラスケース越しなどではなく息がかかる程の間近で見る事が出来ます。(「博物館、美術館に行こう。その3」の回参照)

それらの刻は想像する以上に浅く、拓本から受けるものとはまた異なった印象を受けるでしょうし、

「拓として見られる事を前提として刻されてなどいない。」

という意味に於いて、考えさせられるところが少なくありません。

書道博物館に限らずとも、何処かで見る機会があったら、その印象を記憶に刻み込んでおく事は決して無駄にはなりません。


話を戻しますが、この書を原寸大でしっかりと臨書出来るようになった頃には、小筆で小さな文字を書く事に対する苦手意識は随分と軽減されていると思います。

但し造形に関しては、以前にも書きましたが、手本そっくりに書けるようになる為の感覚と、手本を見なくても書けるようになる為の感覚とは一致しませんから(「漠然と。その2」の回参照)、

「見ながらであれば結構書けるようになってきた。」

という程度では、手本から離れてしまうとなかなか形にはならないと思います。

まぁ、最初からそこまで考えていては折角のやる気も失せてしまうでしょうから(笑)、先ずは書いてみましょうね。


前回の『蘇孝慈墓誌銘』や今回の『美人董氏墓誌銘』をやったら、それ以外の隋の墓誌銘については各自好みのものへと進んでいけば良いでしょう。

北魏の墓誌銘に関してはまた少し話が変わりますから、またそのうちに。


という事で今回はここまで。

それではまた。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

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posted by 華亭 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨書のすすめ 楷書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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