2009年10月17日

蘇孝慈墓誌銘

これまでの記事の一覧はこちらへ
記事の一覧です

通信添削についてはこちらへ
通信添削について』

メールによる御質問はこちらのアドレスへ
nonbirishodo@mail.goo.ne.jp

----------------------------------------------------------

今回は「臨書のすすめ 楷書」で、隋の墓誌銘の中から『蘇孝慈墓誌銘』を取り上げてみましょう。

一言で隋の墓誌銘とは言っても、その数は極めて多いですし、現在でも新たなものが発見発掘されたりしている状況ですから、既に影印されているものだけに限ってみても、その全てを臨書してみるというのは現実的にはなかなか難しい話です。

ですがせめて代表的なものとして名前が必ず挙げられるようなものについては、初唐の楷書を理解する意味でも、やはり無視するわけにもいきません。

『蘇孝慈墓誌銘』はそんな隋の墓誌銘中でも『美人董氏墓誌銘』等と並んで必ず名前が挙げられるものの一つですし、歐・虞の魁を成す書であるとも言われるものですから、是非とも書いておきたいですね。


さて、その『蘇孝慈墓誌銘』ですが、墓誌銘という性格上、字粒が随分と小さいです。(これは『蘇孝慈墓誌銘』に限った話ではありません。)

その小ささ故の、刻からくる線の固さを感じる部分も有りますが、拓は明瞭鮮明ですし、その筆法は極めて合理性の高いものですから、初学者の楷書学習には非常に適していると言えるでしょう。

また、これも墓誌銘の特色ですが、方形の罫線が引かれていて、その方形の中に無理無く文字が収まっています。

顔真卿の楷書のように強引なまでに押し込んだという感じは全くありませんし、『九成宮醴泉銘』のように手足を存分に伸ばし切ったという感じでもありません。

あくまで「無理無く程良く」収まっていますから、例えば

「日頃書く字の練習としても直結して応用出来るようなものは無いだろうか?」

と思っている人にとっても、お薦め出来ます。

1300文字近くありますから、一回通して書くだけでもなかなか大変でしょうが、それだけ練習になるという事ですから、めげずに、途中で投げ出したりしないで頑張りましょう。


最初はやはり半紙4文字大か6文字大からが良いと思います。

先に、刻からくる線の固さについて一言触れましたが、その辺りも含めてこの字粒を半紙4文字大などに拡大臨書する事への疑問と抵抗感を抱く人もいるでしょう。

しかし、かと言って、いきなりこれを原寸大臨書しようとしても、この大きさ(小ささ)では自分で書いたものの粗を自分で感じる事がなかなか出来ないと思います。

「その字粒だからこそ成り立つその書姿」

というのは書全てに当てはまる話ですし、墓誌銘のように字粒の小さいものの場合には尚更そうかもしれませんが、それでもやはり最初は拡大臨書からの方が良いでしょう。

但し、その先の話として、原寸大臨書もしてみる必要がある事は言うまでもありません。

拡大して書くからこそ気付く事があるのと同様に、原寸大で書くからこそ気付く事もありますから。

原寸大での臨書を目指して、先ずは拡大臨書から、という順序でいきましょう。


筆法的には歐書をやった人なら全く問題無いと思いますが、歐書との関連で言えば、両者の類似点を探すというよりも、この『蘇孝慈墓誌銘』を書く事によって、結果として、造形や空間構成等の部分で『九成宮醴泉銘』がどれ程までに極度に洗練されたものであるのか、という事が見えてくる、という方が重要だと思います。


まぁ、時々言いますが、何かしらの効果に対する期待ありきの臨書というのもどうかと思いますので、とにかく書いてみる、という姿勢が良いのではないでしょうか。

という事で、今回は『蘇孝慈墓誌銘』でした。

次回は同じ隋の墓誌銘から、先にも名前を挙げた『美人董氏墓誌銘』の予定です。

今回はここまで。

それではまた。

----------------------------------------------------------

初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

nonbirishodo@mail.goo.ne.jp


定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨書のすすめ 楷書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック