2009年06月17日

丁寧な字

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早速前回の続きです。

因みに今回は話を少しでも単純にする為に、毛筆ではなく、ペンや鉛筆の話として考えてみましょう。


何故そう簡単に「丁寧に」とはいかないのでしょう?

これはこれまで何度か話してきた

「上手に書こうなどと考えず、とにかくゆっくり丁寧に書く事だけを考えて書こう。」

という話とも重なりますが、実は只単に「丁寧に」と言っても、それだけではどうやら少し言葉が足らないようです。

何故なら、そもそもどうすれば丁寧に書けるのかが分かっていない人が少なくないからです。


「そんなバカな!丁寧に書くだけの話でしょ。」

と思うかもしれませんが、その「丁寧に書くだけ」が問題のようなのです。


この問題は

「本人は丁寧に書いているつもりでも実際には丁寧に書けていない。しかも本人がその事に気付いていない。」

と言った方が適切かもしれません。


そこで重要なのが「ゆっくり」という部分です。

丁寧に書く為には先ずはゆっくり書く事が必須ですが(勿論慣れれば速く丁寧に書く事も可能ですけどね。)、丁寧に書けていない事に自分自身が気付いていない人の場合、間違い無くゆっくり書いていません。

「そんな事ないよ。」

と思うでしょうから、話を更に具体的にしますが、ゆっくり書く為には3つポイントがあります。


先ずはペン先が紙に触れる瞬間です。(毛筆で言う場合の入筆ですね。)

丁寧に書くには、線一本を書くにしても、先ずはその線の書き始めの位置をしっかり見定めて、間違い無くその位置にペン先を置かなければなりません。

ところが丁寧に書けていない人というのは、この瞬間の動きが速過ぎる、つまりは雑過ぎるのです。


「うちの子ってば字が乱暴で。」

というお母さん。

今度お子さんが何か書いている時、その音を聴いてみて下さい。

「カツカツコツコツ」

と、鉛筆が紙面当たる音が大きくしている筈です。

これは鉛筆を紙に叩きつけるようにして書いているからで、丁寧に入筆していない証拠です。

これでは書き始めの位置をしっかり見定めてその位置から書き始める事など出来ません。


ですから試しにお子さんに

「カツカツコツコツ音がしないようにして書いてごらん。」

と言ってみて下さい。

それだけでも、随分と書き方が丁寧になるはずですよ。


次は線を引く速度です。

いわゆる送筆の部分に当たりますね。

いつもの「同筆圧同速度」の話はこの部分の話になりますからここで詳しくは繰り返しませんが、「ゆっくり書く」という動作の本体とも言える部分こそがこの部分です。


「ゆっくり書く」とはつまりは「ゆっくり線を引く」という事に他なりません。

ところがこれが本当に出来ている人ってなかなかいないんですよ。

それこそトン・スー・トンの要領で勢いを付けて引いてしまう人の何と多い事か。


お子さんが1つ目のポイントをクリア出来たら次は

「出来るだけゆっくり線を引いてみようね。」

と伝えてみましょう。

「ゆっくり書いてみようね。」

ではダメです。

更に具体的に、ゆっくり「線を引く」という意識を持たせる事が大切です。


因みに子供の場合、楷書体しか書かないですから、おまけとして

「曲がり角(転折)は丸めずにきちんと角張らして。」

と付け加えてみましょう。


3つ目は、線の最後の部分です。

止めるべき所を止めずにサッとはらうようにしてしまったり、はらうべき所をギュッと止まってしまったり、とにかくいい加減に線を引き終えてしまうのでは、とても丁寧に書いているとは言えません。

特にはらいやはねの部分はチャッと雑にやってしまいがちですが、毛筆で言うならば、毛の最後の一本が紙から離れるその瞬間までが自分の責任ですから、そこまでしっかり意識して書かなければなりません。


これまたお子さんには

「止める所と止めない所をちゃんと区別して。」

と伝えてみましょう。


以上3点、本当に実行しようと思ったらとても速くなど書けない筈ですし、結果としてゆっくり丁寧に書かざるを得ない筈です。

お子さんなら、以上3点(プラスおまけ)を守るだけで、書き殴ったような乱暴な字が別人のような字になるはずですよ。(但し、子供の場合には守らせる事自体が簡単ではないのですが。)


さっき

「そんなバカな!」

と思った方も普段の自分の書き方がどうなっているのか、もう一度考えてみて下さい。


「でも仮にこの3点を守ったとしても、キレイな字が書けるとは限らないでしょ?」

と思いますよね。

その通りです。

これだけではキレイな字など書けません。

前回話しましたが、キレイな字が書けるようになる為にはそれ相応の練習が必要ですから。


ですが、先の3点を意識すれば、その人なりの「丁寧な字」なら書けるのではないでしょうか。

その上で、その字がキレイでなかったとしてもそれは仕方ありませんし無理もありません。

私はそのような字に対してまで「キレイに書くべきだ。」などと言うつもりは無いのです。

「丁寧に書くだけ」と一言で言っても、そう簡単じゃないんですから。


皆さんも一度、改めて丁寧な字を書いてみて下さい。


というわけで、今回は丁寧な字について少し具体的に考えてみました。

ん〜、何だか久しぶりにこのブログらしい内容でしたね(笑)

今回はここまで。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道 通信添削
posted by 華亭 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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