2009年02月08日

質と量

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今回は久しぶりにかなり辛辣な屁理屈になりそうです(苦笑)


私は普段書道教室で書を教えているわけですが、大人子供に関わらず、新しく入ってきた人達に必ず話す事があります。

それは

「絶対に、『上手く書こう』などと思わない事。上手くいかなくても気にしない事。」

という話です。

このブログではこの辺の話についてこれまでにもあちこちで書いてきましたから、皆さんはもうすっかり慣れているでしょうが、教室に新しく入ってきた人達の大半は

「絶対に、『上手く書こう』などと思わない事。」

などと言われると、随分と面食らうようですね(笑)


「上手く書く」

という意識は極めて具体的で明確な意識のように思われがちですが、実はこれ程曖昧な意識もありません。

「上手く書こう」

というような意識の持ち方では、

「それならどうすれば良いのか?」

という、本来本当に具体的な問題点として意識されるべき部分が、「上手く」という一言によって曖昧にされたまま、意識の外へと追いやられてしまうのがオチです。


ですから私は

「絶対に、『上手く書こう』などと思わない事。その代わり、自分にとって精一杯、なるべくゆっくり丁寧に書く事だけを考えて。」

と話します。


これは言うまでもなく、「上手く書く」という曖昧な意識を、その時点でその人に出来る精一杯「具体的で明確な意識」に置き換えてもらうのが目的です。

「上手く書く」事など出来なくても、「ゆっくり丁寧に書く」事なら出来る筈ですから。(実際には子供やせっかちな人が相手の場合、これをやらせるだけでも既になかなか大変だったりするのですが…)


先日こんな事がありました。

通い始めて2ヶ月程の小学4年生の男の子なのですが、思うように書けない事が悔しいらしく、段々イライラし始めて、そのうちに泣き出してしまいました。

私はその子にこう話しました。


「思うようにいかなくて悔しいんだよな。

でもね、ここに来た最初の日にも話したけど、上手くいかなくてもそんな事は全然気にしなくていいんだよ。

上手くなる為にここに来てるんだから。

今は上手くいかなくて当たり前なの。

最初から思い通りに書けるのなら、わざわざ先生のところに来る必要なんて無いだろう(笑)

それよりも思い返してごらん。さっき書いていた時、本当にゆっくり丁寧に書いてたかい?

最後の方は特にイライラして雑になってなかったかい?」


その子は顔を真っ赤にして聞いていましたが、次第に落ち着きを取り戻し、また書き始めました。

ゆっくり、そして丁寧に。


するとですね。

ちゃんと書けるんですよ。

その時点でのその子にとっての精一杯の字が。


皆さんも泣く事こそ無いでしょうが(笑)自分でも似たような場面に思い当たりませんか?

「思ったように書けない。」

と言ってはイライラしてみたり

「上手く書けない。」

と言っては落ち込んでみたり。

その挙げ句、いつの間にか雑な書き方になってしまっている、というような事が。


皆さんの気持ちも分からないではありません。

私も子供の頃、この男の子と同じように泣いた事がありましたから(笑)

もっともその時には先生(師)に

「そんな事くらいで泣くなっ!」

と物凄い勢いで怒鳴られましたが(苦笑)


元も子も無い言い方をしつこくするようで申し訳無いのですが、

「書けなくて当たり前」

なのですから、当たり前の事に腹を立てたり落ち込んだりしても仕方がないのです。

繰り返しますよ。

「思ったように」とか、「上手く」とか、とにかく、最初から書けるわけがないのですから。

書けない事が前提なんですから。


と、ここまで読んで、こう思う人もいるでしょう。

「最初のうちどころか、いつまでたっても、いくら書いてもダメなんだけど・・・」


これについてもこれまでにこのブログでは事有る毎に色々と書いてきましたね。

と、話が長くなってきたので、この続きはまた次回に。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 03:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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