2008年07月13日

自分の手に。

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前回まで数回に亘り、私の私的な体験について書いてきました。

「こんな話、一体いつまで続ける気なんだ?」

と思っていた方もいらっしゃるかと思います。


私が何故、あんな私的な長話を続けたかと言うとですね。


理由はただ一つ。


やめないで欲しいんです。

書を。


「誰に?」

って皆さんにですよ(笑)


このブログを読んでいる皆さんの中にもいらっしゃるはずです。

「最近何だか書への興味や意欲が無くなってきた。」

とか

「始めた頃の新鮮な気持ちが無くなってきた。」

と感じている人が。


そして更には

「やめようかな・・・」

と、ぼんやりと考えている人が。


少しでも思い当たった人、ちょっと待って下さい。


月並みなセリフですが、やめてしまう事ならいつでも出来ます。

ですがその前にもうちょっとだけ、私の話を聞いて下さい。


皆さんホントに「書」がつまらなくなってしまったのですか?

もしかして、競書の昇級とか、展覧会での入賞歴とか、それらに付随する役員としての義務だとか、そういった諸々の、「書」そのものとは本来何の関係も無いものが煩わしくなっただけなのではありませんか?

もしそうなのだとしたら、「書」までやめてしまう事はありませんよ。

書を教える事を職業としている私がこんな事を言ってしまってはいけないのかもしれませんが(苦笑)、書そのものとは関係の無い諸々が煩わしくなったのなら、いっその事、教室なり展覧会への出品なりをやめてしまえばよいのですから。


自分の意思とは関係無く「書けなくなる」かもしれないという状況に陥ってしまったあの時の私からすると、書そのものとは関係の無いその他諸々が原因で、大好きだったはずの書をやめてしまうというのは、あまりにも勿体無く、悲しい話です。


妙な言い方になりますが・・・

せっかく、「やめようかな」なんて考えが頭に浮かんだのですから、いっその事、思い切って今の現状を壊してみるのも悪くないではありませんか。

教室でも展覧会でも、とにかく一度、あなたの気持ちを煩わしているものを全部捨て去って、「書」そのものと対峙し直すのです。

つまり、「書」をあなた自身の手にもう一度取り戻してみるのです。


その上で、それでもあなたの中での「書」の意味が、あなたにとって何も変化しないというのなら、悲しい事ですが仕方がありません・・・



これは書に限った話ではありませんが、一見悩みなど無く元気そうに見える人でも、実はその心の奥に、いくつもの苦しみや悲しみを抱えていたりするものです。

私も病気の事で苦しんでいる最中、ある弟子に

「先生が羨ましいですよ。自分の好きな事をやり続けているんですから。」

みたいな事を言われた事がありました。

この時はさすがに言われた瞬間私の中で何かがプチッと切れる音がしましたが(笑)、そこは私も大人ですからね(笑)

はらわた煮えくり返りながらも大人の対応をしましたよ(苦笑)


悩んでいるのはあなただけではありません。

だからと言って、

「あなただけじゃないんだから、そんな甘ったれた考え方をするな。」

と言いたいのではありませんよ。


みんな悩みながら、苦しみながら、それでもそれぞれその人なりに、一歩一歩前へと進んでいるのです。

立ち止まってもいいじゃないですか。

後ろを振り返ったっていいじゃないですか。

それでもう一度、前を向いてみる気になれるのなら。

もう一度、自分の手に書を取り戻せるのなら。


「おいおい、随分と大げさな話になってきたな」

と思われる方もいるでしょうが、悩んでいる本人にしてみたら大げさどころではないのです。

大げさだと思っていられる自分の現状に感謝しましょう。



私は病気の事でさんざん悩み苦しみました。

でも、それがあったからこそ、今の自分があるのだと心の底から思っていますし、あの時のような山を越える事のないまま今日まで何となく筆を持ち続けてきていたらと思うと、正直ゾッとします(笑)


「やめようかな・・・」

というあなた。

あなたなりの方法で、もう一度だけ、書を自分の手に取り戻してみませんか。

あなたになら、出来るはずです。


少なくとも、明日の朝あなたが目を覚ました時、あなたには何の疑いも無く、全てのものが今日と同じように「見える」のでしょう?

筆が、紙が、墨が、見えるのでしょう?

それなら、まだ書けるではありませんか。

筆を置くのは書けなくなってからでも遅くはありませんよ。



何だか伝えたい事の半分も言葉になっていないような気がしてなりませんが、今回はここまで。

それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 02:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
何度かおじゃまさせて頂いておりますが、特にこの回についてはお礼を言いたくて書いてみました。このブログを読むきっかけになった回です。
やめないんで欲しいんです。書を。
のくだりは、後ろから手をひっぱられるような感覚でした。偶然開いたブログで、それを目にするとは思ってもいませんでした。ブログを読まれた皆さんに宛てた言葉でも、その時の私には響きました。お蔭さまで頑張れています。ありがとうございます。
今もずっと響いている熱い言葉です。
Posted by 曽我部泉 at 2009年02月20日 00:53
曽我部様

コメント有難うございます。

お礼だなんて、こちらこそ、暖かいお言葉を頂き有難うございます。

他の方にも時々話すのですが、書は何処にも逃げません。(ついでに私も逃げませんよ(笑))

ですから、これからも曽我部様なりの距離感で、書と関わり続けて頂けたら嬉しく思います。

誰の為でも誰のものでもない、あなた御自身の「書の時間」なのですから。

御存知のとおり、書のブログにしてはちょっと(随分)変わった内容ですが、これからも宜しくお願い致します。

それではまた。

また何かありましたら、コメントでもメールでも御遠慮無く。
お待ちしています。

Posted by 華亭 at 2009年02月20日 15:46
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