2008年07月04日

覚悟。その2

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前回を読んだ方々から御心配いただいたコメントやメールをいただきました。

ありがとうございます。

変なところで「次回へ」としてしまったのがいけなかったですね。

結論から申し上げれば、その後、「網膜色素変性症ではないようだ」という事になり、視野狭窄はあるものの(一度侵された視野は復元しない)急激な症状の進行など無いままに現在に至っていますから、どうか御心配無く。


さて、前回は「最悪の場合、10年間で光を失う事になる」と突然医者に告げられてポカンとしていた私が

「10年間っ!?それじゃ間に合わないっ!!!それじゃ時間が足らないよっ!!!」

と、ようやく気付いて大慌て、というところまででした。


さて、その時の私は何の為の時間が足らないと思ったのでしょう。


この時点での私というのは、自分が目指したい場所のイメージが、おぼろげながらも自分の中に見え始めた時でした。

ここでの場所とは「書に於ける景色」が見える場所、という意味ですので、実際の地理的な場所ではありませんが、私自身がそこに辿り着く為にはどちらに向かって歩いていけば良いのか、それがはっきりと意識出来るようになった時期でもありました。


だからこそ、私には疑いようもなく分かってしまったのです。


私自身が「その場所」に辿り着く為には、これから先の10年間などでは時間が全く足らない、という事が。



「何だか随分と大げさだねぇ」

と思われる方もいるかもしれませんね(笑)


私がこれ程までに遥か彼方にある「その場所」を目指したいと思ったのには私なりの「絶対に譲れない理由」がありました。

ここでその話まで始めると戻ってこれなくなるので省略しますが、とにかくその時までの私が、

「何が何でも、何としてでもその場所へ」

と強く強く深く深く思いながら、日々を重ねていた事は紛れも無い事実でした。


それが、いきなりの時限宣告です(苦笑)



「あと10年しか無いなんて・・・間に合わないのか・・・・」




それから暫くの間、凹みましたねぇ(笑)

凹みに凹んで、凹みまくりましたよ、ホントに。


それまで必死の思いで積み重ねてきた日々、これから先も積み重ねていくつもりでいた日々、その全てが無駄になると思いました。


事態がこうなってみると、「書を教える」という私の仕事そのものが残酷なまでに私を苦しめます。

だからと言って、

「今日は辛いから教えません。」

なんてわけにはいきませんしね(笑)


しかもこの時は運悪く展覧会への出品作品を書いている時で、更に締め切り間近という最悪のタイミング。

一日の仕事が終わり、夜になってから、当然の事ながら書く気などかけらも無いまま、仕方無しに書き始めてはみるものの・・・

「こんな事したって、どうせ見えなくなっちまうのに・・・こんなの無駄じゃないか・・・」

という思いに苛まれ、すぐに筆が動かなくなってしまいます。



いや〜、あの時はホントに辛かったですねぇ(苦笑)


「そんなに辛いのなら、無理して作品を書いたりしなければいいのに」

と思われそうですね。


確かにその通りで、その時の私自身も、

「あ〜っ!もうっ!こんな事やってられるかっ!!バカバカしい!」

と何度も筆を投げ出しました。


それなのに・・・


私の心のどこかで、とても小さな、でもはっきりとした声がするんです。

「書かなきゃダメだよ・・・書かなきゃ・・・」

という声が・・・


「ふざけるなっ!どうせ見えなくなるんだぞ!頑張って書いたって何の意味があるっ!?」

と何度も思うのですが、その声は

「ダメだよ・・・筆を置いちゃダメだ。書く事を止めちゃダメだ。」

と、私に筆を置く事を許してくれません・・・


結局私は自分の中のその声に抗いきれず、辛うじて作品を書き上げる事になります。

作品の出来自体は言うまでもなく全く精彩の無いひどいものでしたがね(苦笑)


恐らくあの時が最初で最後だと思いますが、作品が出来上がった時、暫く涙が止まりませんでした。

「書けたじゃないか。それでいいんだよ。」

という心の中の声を聞きながら、早い話が号泣ですよ(笑)

この時の事を思い出すと、いまだにちょっとウルウルきそうになりますが(笑)、そのくらいの号泣でした。


今になって結果的に見れば、恐らくこの時こそが、私にとっての「書」というものに於ける、「一番大きな山」を越えた時なのだと思います。


当然の事ながら、その当時の私はそんな冷静な自己分析をするどころではありませんでしたし、

「これから先、書き続ける事に何か意味があるのか?」

という、自分の中での非常に大きくて重くて暗い問いに対して、

「答など全く見つかりそうにない」

という状況はそのままでしたが。


この問いに対して、この後の私がどのような答をどのようにして出したのかについては次回に。


それではまた。

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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

という方や、

「何だか下手な事を書いたら説教されそう・・・」

という方、また、通信添削について御質問のある方は、下記のアドレスまで御意見御質問をお送り下さい。

誹謗中傷を目的としたような常識に反するもの以外、お返事させていただきます。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 02:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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