2008年06月24日

思い違い。その2

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前回から引き続き「思い違い」について、もう少し考えてみましょう。


これは以前、私の通信添削を受けているYさんにした話が元になっています。

Yさん、話が重複してしまいますが、お許し下さい。


例えばある一つの筆使いについて、毎日地道な練習を続けているにも関わらず、なかなか出来るようにならなかったとしましょう。

その時、皆さんこう考えたりしてはいませんか?


「ちっとも出来るようにならない。最近上達が止まったままだなぁ…」


普段の自分に思い当たる瞬間はありませんか?


実はこれも、大きな思い違いをしています。


「上達が止まったまま」

という部分です。


縄跳びを例にして考えてみます。(再びYさん、あなたへの話そのままでごめんなさい。)


あなたは縄跳びの練習に励んでいます。

あなたは今、二重跳びが出来るようになりたくて、毎日欠かさず練習を重ねていますが、なかなか出来るようになりません。


さて、ここで問題です。

二重跳びがなかなか出来るようにならないこの状況は、「上達の停滞期」なのでしょうか?

答は簡単です。

これは停滞期などではありませんし、それどころか、上達進歩している真っ最中です。


世の中ではここのところを思い違いしている人というのが極めて多いのですが、なかなか出来るようにならないこの状況を停滞期を思っているのは完全に間違っています。

これまでにも「思ったように書けない時」の回などに似たような話は書いていますが、敢えて繰り返します。


毎日二重跳びの練習を重ね続けているあなたは、「二重跳びが出来た」という結果こそ出ていませんが、出来るその瞬間に向かって、たとえそれが少しずつだとしても、確実に前に進んでいる最中なのです。

仮に二重跳びが出来るようになるまでに、100日かかったとしましょう。

99日目までの時間は只の停滞期であり、無駄な時間だったのでしょうか?

断じて違います。

それまでの99日間の進歩上達があったればこそ、100日目の「出来た」という結果が導き出されたのです。


二重跳びが出来たというのは、それまでの進歩上達の上での目に見えやすい形としての単なる結果に過ぎません。

ところが人は、その結果にだけ目を奪われ、それまでの過程を「停滞期」と判断してしまうのです。

これは何も気休めや安易な精神論で言うのではありません。

歴然たる事実です。


それでは本当の停滞期とはどのような状態の事を言うのでしょう?

これまた答は簡単です。

「二重跳びが出来るようになったその瞬間から始まる時間」

それこそが、本当の停滞期です。

分かりますか?


二重跳びが出来てしまったからには、それまでの99日間、

「二重跳びが出来るように積み重ねてきた進歩」

はそこで完全に止まってしまいます。

何故なら、二重跳びはもう出来るようになってしまったのですから、出来るようになる為の進歩上達はもうそれ以上しようがありません。

ところが多くの人は、二重跳びが出来たというその事だけを、

「進歩した。上達した。」

と言うのです。


勿論、二重跳びが出来るようになれば嬉しいのは当然ですし、私も「ある事を達成した時の喜び」を否定するつもりはありません。

ですが、進歩上達の過程という事で言えば、

「二重跳びが出来た瞬間」

というのは、

「進歩上達が止まった瞬間」

でもあるのです。


この部分を思い違いしていると、書のように何か一つの事を理解体得していく為に非常に長い時間と大きな労力とを必要とするものの場合、目に見える結果が出るまで耐え切れなくなってしまい、結局は

「いくら書いてもちっとも上達しない」

という決まり文句を残して書そのものをやめてしまう事になるのです。


書の場合には縄跳びの二重跳びや鉄棒の逆上がりのように、

「ある日ある時から突然出来るようになった」

という類のものではなく、徐々に徐々に、少しずつ少しずつ出来るように書けるようになっていくものですから、確かに話はこれ程単純ではありません。

ですが、基本的な上達過程については全く同様です。


尤も今回の話が意味を持つ為には、前回書いたように正しい練習が出来ているという事が大前提ではありますが。

裏を返せばそれだけ「出来たかどうか、書けたかどうか」よりも、「正しい練習が出来ているかどうか」の方が重要だという事ですね。


さて、前回から2回に亘って「思い違い」として書いてきました。

どれもこれまでにあちこちで似たような事について書いてきたような話でしたが、ここでもう一度改めて焦点を当て直してみました。

少し立ち止まって、日頃の自分を思い返していただけたら嬉しく思います。


それではまた。

華亭

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あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

ラベル:書道
posted by 華亭 at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 考え方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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