2014年01月30日

上達した結果

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先日妻に教わって知ったのですが、なんでも昨年は「美文字」なるものが流行っていたそうで。(流行りものにはまるで疎いのです。)

まったく残念な事をしました。

もっと早く知っていれば、私もその波に便乗して

「じぇじぇじぇ!?これが美文字への最短距離!これであなたも女子力アップで倍返し!いつ始めるの?今でしょ!」

とかなんとか言って、ひと儲け出来ていたかもしれません(出来るかっ!笑)

まぁ、字を書く事に興味を持つ人が少しでも増えたのなら、それはそれで素直に嬉しい事だと思いますから、これ以上ひがむのは止めにしておきしょうね。


ところで、美文字に恋い焦がれた人達にも当てはまる話を1つ。

皆さん書を習い始めた時、きっと、大雑把に言えば「上手になりたい。」と思って始めましたよね。

御自身ではなく子供に習わせる事にした場合などは尚更、「上手になって欲しい」と思ったでしょう。

至極当然です。


さて、それではその「上手に」というのは、何を基準にした「上手」でしょうか?(何も難しい話をしたいのではありませんので御安心を。)

ここでの「上手」というのは、「人に上手と思ってもらえるような字が書ける」という意味である場合が多い、というかそれが殆どのように思います。

これまた当然です。


ところが、このような考えにばかり偏ってしまうと、肝心な事がすっぽり抜け落ちてしまうような気がします。

それは「今の自分よりも上手になる」、つまりは「他との比較ではなく、自分自身に於ける上達」という観点です。


話を分かりやすくする為に、(あまり気は進みませんが)偏差値に置き換えて考えてみます。

ごく普通の字は「美文字偏差値50」、といった具合です。

同じ「偏差値を上げる」と言っても、元々の偏差値が30の人が70を目指すのと、50の人が70を目指すのとでは、やっぱり話が違います。

裏を返せば、努力の結果美文字偏差値が20上がったとして、元々が50だった人が20上がれば70になり、見事に「美文字達成!」となりますが、元々が30だった人は20上がってもやっと50にしかならず、「美文字まではまだまだ」という事になります。

この時、自分の期待がさっきの「上手と思ってもらえるような字が書ける」という基準にばかり偏っていると、一歩間違えると

「なぁんだ。せっかく頑張ったのにちっとも上手にならないや。」

という事になってしまいかねません。

これはとても残念な事だと思うのです。


元々美文字偏差値30の字を書いていた人というのは、持って生まれた造形に対する感覚が鈍かったりする場合が少なくないわけで(ごめんなさい)、その人が20上げて50の字が書けるようになるまでには、並々ならぬ努力と忍耐が必要だったはずです。

その結果、「とんでもない字」を書いていたものが「ごく普通の字」を書けるようになったというのなら、もっともっと素直に喜んで良いと思うのです。


今回の謂わば「期待外れ」という感覚は、子供を書道教室に通わせている親の立場になると、更にその傾向が強くなるように感じます。

「せっかく習わせてはみたものの、うちの子ちっとも上手にならない。」

というわけです。


しかし実際にはしっかり上達しているんですよ。

ただそれが、現時点では美文字偏差値70にまでは到達していない、というだけなのです。

にも関わらず、「ちっとも上手にならない」と切り捨ててしまうのでは、本人のそれまでの努力を全否定する事になってしまいます。

そんなの絶対にダメですよ。


そもそも「うちの子ちっとも上手にならない」と愚痴をこぼしている親自体、普段どれだけの字を書いているのか、という話ですしね。

自分の遺伝子を色濃く受け継いだからこその美文字偏差値30からのスタートだったりするわけですから、自分の字を棚に上げたままのあまりに過度な期待は子供が気の毒です。

自分の子供を書道教室に通わせている、という方はこのブログの読者には極めて少ないように勝手に想像していますが、もしもいらっしゃいましたら、今回の話、特に耳に留めて頂けたら嬉しいです。

それではまた。
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初めてこのブログを読まれた方へ。

いらっしゃいませ。

あれこれ思いつくままに書いているので、書道独特の専門用語や人名などの固有名詞に関しては、その都度解説を付ける事はしていません。

初心者の方や学び始める以前の方には難解な部分も多かったかもしれませんが、お許し下さい。


「一言書いてみたいんだけど、みんなに読まれてしまうコメントに書くのは何だか気が引ける・・・」

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定期的にアップ出来ているわけではありませんが(正直言ってサボりがちです)、よろしかったらまた覗きにいらして下さい。

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posted by 華亭 at 09:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする